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2019.08.02

「微妙な時代」を描くために選ばれたロケ地は?菅田将暉主演『アルキメデスの大戦』

菅田将暉さん主演の『アルキメデスの大戦』が7/26(金)に公開となった。本作は『ドラゴン桜』『インベスターZ』など、ユニークな発想の作品を描く三田紀房の原作漫画『アルキメデスの大戦』を『永遠の0』の山崎貴監督が映画化。
戦艦大和vs天才数学者! 本作品は、数学で戦争を止めようとした男の物語だ。

日本と欧米列強との対立が激化していた昭和8年、海軍上層部は戦艦大和の建造計画に大きく期待を寄せていた。しかし、海軍少将・山本五十六(舘ひろし)はこの計画を国家予算の無駄遣いと疑問視する。戦艦大和の建造をめぐる軍部の様々な不正を暴くため、山本は天才数学者の櫂直(菅田将暉)を引き入れ大和建造計画に隠された不正を暴くべく奔走する。しかしそこに帝国海軍の大きな壁が立ちはだかる…。

山崎監督が描く『アルキメデスの大戦』の物語の舞台は昭和初期

『アルキメデスの大戦』1

 

昭和初期という時代設定に対して主演の菅田さんは「この時代は微妙な時代だと思うんです。演技や所作も今に通じるものとそうでないものが混在するように、ロケーションも、もう少し前の時代ならセットも作り込みやすいし、もう少し現代に近ければ現代の建物が利用しやすい」と語る。

本作品はこの微妙な時代を描くために山崎監督の真骨頂であるVFX(撮影後の映像制作作業の中で作られる映像効果)もさることながら、昭和初期という「時代を映すロケーション」にこだわった作品となっている。

 

その中でも、菅田さんがロケーションジャパン編集部に語ってくれた印象に残っているロケ地を3つ紹介したい。

まずひとつは、旧加藤海運本社ビル(兵庫県神戸市)。このロケ地では、櫂が笑福亭鶴瓶さん演じる大里清に協力を要請しに訪れた大里造船会社の設定で使われた。このビルは昭和初期に竣工したビルで、近代洋風建築の外観が特長だ。まさに物語の時代の建物は世界観の表現に一役買っている。

 

『アルキメデスの大戦』2

 

そして、氷川丸(神奈川県横浜市)も櫂を演じる上で大きな助けになったと語る。ここでは櫂が戦艦大和建造の検証のため、船を巻尺で計測し解決の糸口を見つけるシーンが撮影された。氷川丸は太平洋戦争中に海軍特設病院船として利用され、3度機雷に接触するなど戦争を体験した船であり、菅田さんとしても実際に見たことで実感が沸いたようだ。

 

『アルキメデスの大戦』3
そして何より印象深かったと語るのが、旧呉軍港桟橋(広島県呉市)だ。ここは物語のラストシーン、船を見送るシーンが撮影された。本港は実際の戦艦大和が建造されたかつての軍港。出航する船を見つめる櫂の表情が印象的な場面だ。菅田さんにとって、実際に大和建造の舞台となった呉で撮影できたことは、櫂を演じる上でとても大きかったそうだ。物語のラスト、複雑な思いがにじみ出る櫂の表情は観る者の心を打つ。

 

ロケーションジャパン8月号(7月13日発売号)では菅田将暉さんが表紙とインタビューで登場している。菅田さんが『アルキメデスの大戦』に対する思いを語ってくれている。

 

映画『アルキメデスの大戦』
監督・脚本・VFX:山崎貴
原作:三田紀房『アルキメデスの大戦』(講談社「ヤングマガジン」連載)
出演:菅田将暉、柄本佑、浜辺美波、笑福亭鶴瓶、小林克也、小日向文世、
國村隼、橋爪功、田中泯、舘ひろし ほか
(C)2019「アルキメデスの大戦」製作委員会 (C)三田紀房/講談社

ストーリー
日本と欧米列強との対立が激化していた昭和8年、日本帝国海軍上層部は戦艦大和の建造計画に大きな期待を寄せていた。海戦の主役は航空機になると考える海軍少将・山本五十六は計画を国家予算の無駄遣いとして疑問視、代案を示すが、世界を驚かす巨大戦艦の建造を夢見る上層部は考えを変えない。そこで山本は天才数学者・櫂直(かい・ただし)を引き入れる。推進派の建造計画に隠された不正を暴くべく櫂は奔走するが、そこに帝国海軍の大きな壁が立ちはだかる。

 

ロケーションジャパン94号は7月13日発売です!

94号

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