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インタビュー&コラム

■クリエイターインタビュー

映画『怒り』

僕の作品には
いわゆる風景カットはないんです。
すべて人が絡んでいる。……李相日監督

だからすべてのカットに
人の気配を感じるんですね。……八木亜希子さん

フリーアナウンサー& 女優八木亜希子さんがインタビュー!

映画を深読み! 第2弾の今回は、この秋公開の大注目作『怒り』。
とかく「厳しい」と評判の李相日監督に、
八木さんが持ち前の明るいトークで斬り込みます。
ロケツーリズムの観点からも、
ロケ地旅のおススメをしっかりキャッチ!
今回の深読みはいかに?

 

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八木:今回、監督について資料をいろいろ読ませていただいたんですが、
「厳しい」「こわくて有名」ということばかり書いてあって、
インタビューどうしよう…って(笑)。
監督と初めてご一緒する俳優さんやスタッフも
緊張されているのではないでしょうか。

監督:みな、構えて来ますね。
だから実際に会うと「あ、意外と大丈夫」って思うみたいですよ(笑)。

八木:あ、逆に!?

監督:宮﨑あおいさんも、初対面のとき、
「いろいろ聞いてきたから大丈夫です」と言っていましたから(笑)。
誰に何をどう聞いているのか。たいてい話に尾ひれがついています。

八木:「厳しい」と言われるのはなぜだと思われます?

監督:俳優にとっては、簡単にOKが出ないからかな。

八木: ということは、何テイクも撮られるんですね。

監督: 『フラガール』のときには、50テイクまで行きました。

八木: え〜っ!

監督:でも、演技については具体的に指示したり
するほうではないんですよ。

八木: そうなんですか?

監督:細かく言うのは演技の手前。このとき何をどう考えていたか、
ここに至るまでどうだったか、といった、演じる役についてです。
小説と違い、登場人物の背景は俳優が背負います。
画面に登場してきたときに背景を感じさせなくてはいけない。
だから、そこに至るまでの辿り方については、
かなり話をします。最終的にどう表現するかは俳優の領域。
何かが見えるまでとことんコミュニケーションを取るので、
着地点に至る道のりの長さが、厳しいと言われる所以ではないですかね。

 

(続きはロケーションジャパン77号をご確認ください)

 

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<ロケーションジャパン77号>

 

 

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映画『怒り』

監督・脚本:李相日
原作:吉田修一(『怒り』中央公論新社刊)
出演:渡辺謙、森山未來、松山ケンイチ、綾野剛、広瀬すず、佐久本宝、ピエール瀧、
三浦貴大、高畑充希、原日出子、池脇千鶴、宮﨑あおい、妻夫木聡 ほか
www.ikari-movie.com
©2016映画「怒り」製作委員会 9月17日全国公開

 

Story】
作家・吉田修一原作のミステリを映画化。ある夏の暑い日、夫婦惨殺事件が起きる。
犯人は壁に「怒」の血文字を残し逃走、名と顔は判明するも、整形し姿を消す。
一年後、前歴不詳の三人の男が千葉・東京・沖縄に現れる。
漁港で働く青年、東京のクラブに出没する謎の男、無人島に籠もる男…。
彼らの誰が犯人なのか。それとも…。

【PROFILE】

■李相日監督
1974年、新潟県生まれ。大学卒業後、日本映画学校に入学。卒業制作として
監督した『青chong』が2000年ぴあフィルムフェスティバルでグランプリ他4部門
を独占受賞。04年、『69 sixty nine』でメジャー進出。『フラガール』(06)、
『悪人』(10)をはじめ、以降の作品でも数々の賞を受賞。クリント・イーストウッド
監督・主演作品のリメイク『許されざる者』(13)も話題に。

 

■八木亜希子
神奈川県出身。フジテレビアナウンサーとして活躍したのちフリーランスに。キャ
スター、女優。フォニックス所属。かながわ観光親善大使も務める。テレビ朝日
系『聞きにくいことを聞く』、ニッポン放送『八木亜希子 LOVE&MELODY』に
レギュラー出演している他、女優としても、映画『みんなのいえ』、NHK連続
テレビ小説『あまちゃん』、テレビ東京系ドラマ『昼のセント酒』ほか出演。

 

 

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