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2018.05.24

『99.9-刑事専門弁護士-』シリーズ法律監修・國松崇さんに聞く!ドラマ制作の裏側

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松本潤さん主演、今年1月から3月までTBS系列で放送された日曜劇場『99.9-刑事専門弁護士-SEASON2』。

班目(まだらめ)法律事務所に所属する主人公の深山大翔(松本潤)を中心に、日本における刑事事件の有罪率「99.9%」という状況に対して、残る「0.1%」の無罪の可能性を信じて奔走する刑事事件専門弁護士の姿を描く本作は、平均視聴率21%を記録し、今年1月クール内トップの視聴率を獲得し話題となった。

 

作品の成功を陰で支えたスタッフの一人が、本作の法律監修を行った弁護士の國松崇さん(東京リベルテ法律事務所)だ。

 

刑事もの、弁護士ものなど、法律の知識を必要とするドラマや映画にはほぼ100%、法律のプロによる法律監修が入っているが、國松さんはTBS初の社員弁護士だったころにSEASON1の法律監修を担当。その後法律事務所に移籍したが、本作でも引き続き法律監修を担当している。

 

本作がこれまでの法律ドラマと一線を画すのは、「真犯人を突き止めることが主題ではない」という点だ。

 

有罪率99.9%を前提に考えた場合、99.9%は犯人だが、0.1%は冤罪で起訴された可能性がある。そのため、深山ら班目法律事務所の面々が追及するのは必ずしも真犯人ではなく、「被告人が犯人ではない0.1%の可能性」だ。そのため、ドラマのエンディングで冤罪が証明され、真犯人が明らかになったとしても、無罪を導くために必要がなければ、その真犯人が罪を犯した理由を深くは追及しない。

 

新たな試みともいえる本作だからこそ失敗は許されない。しかし、ドラマとしての面白さを追求する必要が勿論ある。そこで、法律の専門知識を持ち、かつエンタメの深い見識を持つ國松さんの存在が重要になってくるのだ。

 

 

今回は、その國松崇さんに法律監修の具体的な内容や『99.9-刑事専門弁護士-』の撮影時の裏話を伺った。

 

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【Q1】そもそも、ドラマの法律監修って何をするんですか?

【A1】作品によって関わり方はさまざまですが、『99.9-刑事専門弁護士-』の場合は、プロットや脚本の段階から打ち合わせに入って、法律の観点から内容的に無理がないかを確認します。他にも、裁判シーンで使用する書類などの小道具の制作、裁判シーンへの立ち合いによる、出演者への法律用語の発音指導や動作指導も行います。

 

 

【Q2】深山のような刑事事件専門の弁護士は実際にいるんですか?

【A2】刑事事件の有罪率「99.9%」が物語るように、その確率を覆すことは容易ではありません。また、殺人や強盗などの刑事事件を犯したと疑われている被告人を弁護することで、世間から「犯罪者の味方をした」と批判されることもあります。刑事弁護はお金にならないというのも事実です。したがって、残念ながら、刑事弁護はやりたくないという弁護士も中にはいます。

しかし、深山たちのように取り返しのつかない判決を防ぐために、強い想いで活動している弁護士も数多くいます。同じ弁護士の立場としては、このドラマを通してそんな弁護士の存在を知ってもらいたい、刑事弁護の誤解をときたい、と思いました。

 

 

【Q3】ドラマの法律監修をする上で大切にしていることはありますか?

【A3】一番大切にしているのはバランスです。法律の観点ではNGだとしても物語の盛り上がりのために必要な脚色もある。法律監修として最も必要なのが、そのバランスをとることだと思っています。

例えば、『シーズン1』の第9話では、警察が来る前に深山が遺族の前で無邪気に刺殺体の写真を撮るシーンがありました。視聴者からすれば、弁護士だからといってそんな非常識なことやっていいの?と疑問を持ってもおかしくない場面です。そこで、香川照之さん演じる佐田に「お前、それはだめじゃないか!」と言わせる。これによって「本来はNGだと制作側が分かった上で、ドラマの演出上やっている」ということが視聴者に伝わります。視聴者が抱くであろう疑問を予測して、セリフや言動の中にさりげなく「答え」を用意しておく。そうやって視聴者が物語により集中できるようサポートするのが、私の仕事です。

 

 

【Q4】深山を演じる松本潤さんとのやり取りで印象深かったことを教えてください。

【A4】特に法廷シーンでの松本さんは、弁護士としての発言、動きを徹底的に理解した上で撮影に臨んでいたので、疑問に思うとその都度細かに質問をされました。質問内容も、「このシーンは何回目の裁判で、開廷から何分経った場面なのか?」というように非常に具体的なものでした。

松本さんは、与えられた脚本をただ淡々とこなすのではなく、一つのセリフや動きが実際にどういう意味を持っているのか理解した上で演技ができるよう、常に努力されていました。それと、ドラマの性格上、どうしても難解な法律用語や特徴的な言い回しが多い中、例えば

「この専門用語をもう少し分かりやすい言葉に変えても違和感はないですか?」というやり取りも多かったです。リアルを求めつつも、一方でドラマを見ている人が置いてけぼりにならないよう、視聴者のことをちゃんと考えて演技をされていることに、俳優としてのプロ意識をとても感じました。

 

 

【Q5】『99.9-刑事専門弁護士-』に限らず、ドラマの法律監修者として最も伝えたいことは何ですか?

【A5】ドラマを通じて、視聴者の皆さんに、弁護士に限らず「法律関係の仕事って面白そうだな」、「法律のことを勉強してみたいな」と少しでも思ってくれたら、という気持ちで取り組んでいます。まさに私自身も、小さいころにテレビで見た弁護士に憧れてこの世界を目指したので。法律や法曹の魅力を伝える方法は色々あると思いますが、幸運にもテレビという世界に関わりを持たせていただいている私ができることとして、ドラマというフィールドを通じて、業界全体をより良くするためのお手伝いができれば、そんな風に考えています。実際、「99.9を見て弁護士を目指したいと思いました」、「法律に興味を持って法学部に進学しました」という声も耳にしましたが、自分の仕事がわずかでもそういった声に繋がったのだとしたら、すごく嬉しいです。

 

 

「0.1%」の可能性を諦めず、真実を追求する深山ら刑事事件専門弁護士の姿を通して、視聴者はドラマの中の話は決して遠い話ではなく、自分にも起こり得る話だと感じた方も多かったのではないだろうか?

 

『99.9-刑事専門弁護士-SEASON1』のDVDは現在販売中、『SEASON2』のDVDは8月24日の発売が決定している。國松さんのインタビューを読んだ後に、改めてDVDで作品をチェックすれば、きっと新たな発見ができるはず。

 

國松さんは現在、ロケーションジャパンで、「権利処理の駆け込み部屋」を連載中!

「写真に写り込んだ映画のポスターをSNSで発信してもいいの?」や「お店のグルメをタレントがロケで食べたことを宣伝してもいいの?」など、読者から寄せられた質問に、権利処理の専門家である田中康之さんとともにズバリ回答しているのでこちらもぜひチェックを!

 

 

(國松崇さんプロフィール)
弁護士(東京リベルテ法律事務所)。TBS初の企業内弁護士としてエンタメ分野の企業法務に幅広く携わる。現在は法律事務所にて、テレビ局、映画会社、出版社などの企業から個人に至るまで、刑事・民事を問わず、様々な案件を扱う。これまで多くの作品を監修し『99.9-刑事専門弁護士-』でも1・2を通じて法律監修を担当。

 

 

『99.9-刑事専門弁護士- SEASON2』
発売元:TBS
発売協力:TBSサービス
販売元:TCエンタテインメント
発売日:8月24日(金)
価格:Blu-ray 26,400円+税、DVD 20,900円+税
(C)TBS

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