おもてなしで注目「もばロケ」とは
地域のみんなのサポートで映画撮影!
ロケツーリズムを牽引する千葉県茂原市の魅力
“ウィズコロナ時代”の活気ある街づくりに、地域一丸となって積極的に取り組んでいる地域がある。
千葉県茂原市は、映画やドラマのロケ地を誘致し、観光資源として活用することで地域のブランディングを図る「ロケツーリズム」を成功させている自治体だ。そのオリジナリティあふれる取り組みの数々が今、地域振興を目指す自治体に注目されている。
たとえば、ロケの誘致を呼び込むため地域の魅力を詰め込んだ DVDを作成し、映像制作者に配布。ロケのしやすさとおもてなしをアピールし、映像制作者からの問い合わせは、1000件を超え、数々の映画やドラマのロケを成功させた。今年放送・公開され主な作品でいうと、永野芽衣主演・映画『そして、バトンは渡された』、菅田将暉主演・ドラマ『コントが始まる』、鈴木亮平主演・ドラマ『TOKYO MER~走る緊急救命室~』、藤原竜也主演・ドラマ『青のSP―学校内警察・嶋田隆平―』など人気作が並ぶ。
もちろん放送・放映後、ドラマ・映画ファンに向けた取り組みもぬかりない。撮影が行われた場所の情報を詰め込んだ「ロケ地マップ」を作成。撮影時に出演者に出されたお弁当や、作品の公開をきっかけに開発されたご当地グルメを味わうこともでき、市民や観光客にも好評だ。
そんな茂原市で今注目されている取り組みの一つが、「もばロケ☆ネギらい隊」だ。
2年前に民間の有志団体として発足した「もばロケ☆ネギらい隊」は、撮影の立ち会いや差し入れなど、様々な形でロケ撮影を応援する地域住民による集まりだ。作品で使う小道具を集めるために駅前でビラ配りをするなど、撮影を成功させるために細やかなおもてなしでサポートしてくれると、制作者や出演者から大きな支持を得ている。
彼らとの信頼関係を築くことによって、制作者側からもロケ地について発信してもらえるようになった。昨年度のロケ誘致による広告効果は、4億円相当ともいわれる。(一般社団法人日本広告業協会(JAAA)の「放送広告料金表」を参照)
「もばロケ☆ネギらい隊」を構成するのは、地元のケーキ店や工務店など、地域住民に愛されるお店や一般のボランティアたち。映画やドラマが大好きなメンバーたちがお祭りのように楽しみながらロケを盛り上げる姿は、コロナ禍で撮影をする制作者にとって大きな支えとなっている。
これらの取り組みが評価され、ロケ誘致に取り組む地域や企業の中から選ばれる「ロケツーリズムアワード」では、茂原市が昨年度の大賞に選ばれ、観光庁からも表彰を受けた。町の様々な場所で映画やドラマの撮影が行われ、住民がそれを応援する「ロケの聖地」となる日もそう遠くないだろう。
活気に満ちた茂原市で生み出される作品や、その後のファンへの「おもてなし」から、これからも目が離せない。
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■2021年11月発行 茂原市ロケ地マップ「もばロケ☆MAP」
茂原オールロケのミュージックビデオ『たけてん』(GReeeeN)のヒロインでもある、モデルで女優の永瀬莉子。そんな彼女が、茂原市のロケ地巡りをするために「もばロケ☆ネギらい隊」を訪ねた。ロケ地とともに茂原の魅力スポットを掲載したロケ地マップは、無料配布中。
配布場所:茂原市役所、茂原市図書館、各掲載施設 ほか
お問い合わせ:茂原市役所企画政策課 ☏0475-20-1516(平日8:30~17:15)