『ローマの休日』は日本で楽しめる! 「真実の口」にアン女王のジェラートも。
オードリー・ヘプバーン主演の映画『ローマの休日』(1953)。
同作は映画やドラマのロケ地を訪ねその地域のファンになることを指す「ロケツーリズム」の原点ともいわれ、コロナ禍になる前までは舞台となったローマのロケ地を訪れる人があとを絶たなかった。
海外旅行に行けない今はロケ地巡りを楽しむことができない――と思うところだが、実は日本でも『ローマの休日』に登場するスポットとグルメを楽しむことができることを、みなさんはご存じだろうか?
日本の商店街や海底に「真実の口」
ヨーロッパ最古の王室・アン王女(オードリー・ヘプバーン)が親善旅行中にお忍びで抜け出したローマの街。新聞記者のジョー(グレゴリー・ペック)に連れ歩かれ、束の間の自由を謳歌するロマンチックコメディーだ。
その代表的なスポットのひとつがサンタマリアインコスメディン教会にある「真実の口」だ。古代ローマ時代のマンホールだったともいわれ、嘘つきが口に手を入れると噛み切られるという言い伝えを持つ。作中ではジョーが手を入れ、抜けなくなった演技をしたことでアン王女が悲鳴を上げるという一幕があった。
その「真実の口」だが、日本ではレプリカが日本全国の複数箇所に設置されている。すべては紹介しきれないが、その中でも特徴的なものを紹介しよう。
まず、神奈川県小田原市の小田原駅前東通り商店街、別名・おいしいもの横丁。こちらのレプリカは口に手を入れると縁結びの声が聞こえ、幸せな気持ちにさせてくれるという。本家のちょっと怖い伝説とは打って変わり、ぜひ手を突っ込んでみたくなる。
続いて、大阪市都島区の新京橋商店街の出入り口付近。かなり高い位置にあるうえ、前にはプランターなどがおいてあるため口の中に手を入れるのは至難の業。1992年に「嘘のない真実を売る商店街」という意味を込めて設置されたそうだ。
また、静岡県沼津市のダイビングスポットである獅子浜の駿河湾には、総重量約800キロの「真実の口」が沈んでいる。2012年に10人のダイバーによって設置されたという。
なぜこんなところに真実の口が沈んでいるのか。獅子浜ダイビングサービスのスタッフに聞いてみると、
「ローマにある真実の口はライオン(獅子)をモチーフにしているとお聞きし、獅子浜なので設置しました。水深5mなので初心者でも行けます」
とのことだった。
ちなみに『ローマの休日』のファンも訪れるのか?という質問に対しては「聞いたことないですね…」。主にダイビング好きが潜りに来るそうだ。記念撮影もできるので、手を入れるとどうなるか気になる人は試してみては。
アン女王の食べたジェラートは東京で
そしてもう一つ注目したいのが作中でオードリー・ヘップバーンが食べたジェラート。これはローマで120年の歴史を持つイタリア王室御用達のジェラートブランド「Giolitti(ジョリッティ)」だ。
本店はロケ地であるスペイン階段の近く。2021年に東京・新宿、続いて有楽町に進出し、本場の味をたのしむことができる。
作中でオードリー・ヘップバーンが食べたのはどのフレーバーなのだろう?ジョリッティのスタッフに聞いてみると、
「当時の作品は白黒で正確にはわからないです。ただ、当時売っていたフレーバーや色合い的にミルクではないかといわれています」
それならば…と筆者はミルクとミックスベリーを試しに食べてみると、濃厚でまろやかな甘いミルク味。自由を満喫するアン王女のワクワクした気持ちが伝わってくるようだ。
今週末は『ローマの休日』を観て、これらのスポットに行ってみては。
≪参考≫
「1500人に聞いた、“憧れロケ地”ランキング!」
2015年5月1日~7日 調査対象:1512人
第1位 アメリカ
映画『スタンド・バイ・ミー』、映画『ロッキー』、映画『バック・トゥ・フューチャー』ほか
第2位 イタリア
映画『ローマの休日』、映画『ライフ・イズ・ビューティフル』、映画『ゴットファーザー』ほか
第3位 イギリス
映画『ハリー・ポッター』、映画『ノッティング・ヒルの恋人』、映画『ラブ・アクチュアリー』ほか
第4位 フランス
映画『アメリ』、映画『ダ・ヴィンチ・コード』ほか
第5位 ニュージーランド
映画『ロード・オブ・ザ・リング』ほか
第6位 韓国
映画『冬のソナタ』ほか
第7位 ノルウェー
映画『アナと雪の女王』
第8位 チュニジア
映画『スター・ウォーズ』
第9位 オーストリア
映画『サウンド・オブ・ミュージック』
第10位 ギリシャ
映画『マンマ・ミーア!』