『モエカレはオレンジ色』のロケ地にも! 茂原市が「ロケで話題のまち」になった理由
7月8日に公開されたSnow Man岩本照が映画単独初主演の映画『モエカレはオレンジ色』。ヒロインの萌衣(生見愛瑠)が通う学校の教室内が撮影されたのは千葉県茂原市のヒューマンキャンパスのぞみ高等学校(旧西陵中学校)。ドラマ『ミステリと言う勿れ』『コントが始まる』などでも知られる名ロケ地だ。
そんな茂原市では今年の6月末、「ロケで話題のまち もばら」の懸垂幕・横断幕を市内2か所に追加で設置。今でこそ名ロケ地として知られているが、ロケで話題のまちになるまでに、どのような道のりがあったのか。
3年半で1000件以上の問い合わせ
もとよりドラマ『アンナチュラル』『チア☆ダン』をはじめとした話題作の撮影が相次いでいた茂原市。自治体は撮影協力で終わることも少なくないが、茂原市はこの機を逃すことなく誘客につなげるため2018年10月にロケーションサービスを立ち上げた。
そこから約3年半、2022年3月末までの問合せは計1074件(うち決定は150作品)とかなりの成果を上げている。
撮影によく使用されるのはヒューマンキャンパスのぞみ高等学校(旧西陵中学校)だが、最近では市内全体で多くのロケが来ている。商店街では今春放送のドラマ『元彼の遺言状』、川中島下水処理場では映画化が決定したドラマ『TOKYO MER ~走る緊急救命室~』が撮影された。街なかから田舎の風景まで、市内でまるごと撮影出来るシチュエーションの幅広さも支持を集める理由だ。
官民一体で撮影をサポート
このような撮影を「市民」が支えているのも、茂原市の特徴だ。
撮影隊をサポートする市民団体「もばロケ☆ネギらい隊」は2020年2月に設立。メンバーは飲食店、鮮魚店、宿泊業など様々な業界で働く市民で構成され、団体名は“労う”と特産のネギをかけた。立ち合い、差し入れといった現場対応のほか、作品の公開・放送時期に合わせたパネル展開催などの広報にも力を入れる。
もばロケ☆ネギらい隊・隊長の山下浩之さんは、「完成した作品を観た時に大きなやりがいを感じます。今春公開の映画『今はちょっと、ついてないだけ』では地元グルメの『葱ッぺ餃子』が作中に登場しました。作品を通して茂原市の魅力を市内外に発信し、地域を盛り上げていきたいです」と意気込む。
市の公式サイトでは市民エキストラの登録も呼び掛けており、2022年7月時点の登録者は119人。実際にエキストラとして参加した市内在住の女子大学生は、「普段テレビで観ている芸能人の方々と同じ現場にいられるのは貴重な経験です。身近な風景が作品に使われているのも嬉しいですし、自分も地域に貢献しているような気持ちになります」と話す。
市内にはロケ地の目印「ロケ地看板」が5基設置。「茂原市に来た際はロケ地巡りを楽しんでいただければ」ともばロケ☆ネギらい隊の山下さんは話す。