2020年のオリンピック開催が決定し、東京は変化のスピードを更に加速している。急ピッチで開発が進む一方で、歴史ある建築物や文化遺産を見直す動きも高まっている。 海外からの注目も更に高まりつつある東京の街を舞台に、日々奔走するバスガイドたちの姿を描いたドラマが、現在BSプレミアムで放送中の『ある日、アヒルバス』だ。

2020年東京オリンピック開催決定！
バスガイドの視点を通して“東京”を見つめる

女性ファッション誌編集者の浅倉葉月（藤原紀香）は、雑誌廃刊のあおりを受けて職を失い、さらには7年付き合った恋人とも別れ、40歳にしてまさに崖っぷち状態。そんな時、偶然乗った都内周遊観光＜アヒルバス＞のバスガイドにスカウトされ、再起を賭けた葉月の挑戦が始まる…。

ドラマのテーマは「東京再発見」。

東京には急速に変貌を遂げた場所がある一方、江戸の昔から変わらぬ風景も残っている。アヒルバスが都内観光地をめぐる中で、視聴者は新旧さまざまな東京の姿を発見することができる。

先日、初回放送を前に、公募した女性約５０人を招待し、＜アヒルバスで行く！　東京再発見女子ツアー＞を開催！　ドラマで新人バスガイドを演じる秋月成美さん（日浦まどか役）と柳ゆり菜さん（清水茜役）が実際にアヒルバスに乗車し、バスガイドをして東京の穴場スポットを紹介した。

この日のために、綿密な準備をしたという新人バスガイド役の二人。バスは2台に分かれてNHKを出発し、最初の目的地である銭塚（ぜにづか）地蔵堂のかんかん地蔵へ。LJ編集部は秋月さんのバスに乗車！

日浦まどか役の秋月成美さん

清水茜役の柳ゆり菜さん

プロのバスガイドさんのサポートも受けながら、明治神宮や表参道、そして皇居などを丁寧に案内する秋月さん。ところどころスポットの説明のタイミングがずれてしまいながらも、懸命さが伝わってきて、車内からは「頑張れ！」の声も。言うべき言葉を忘れてしまった時には、愛嬌いっぱいに自分の言葉でスポットの説明をしている姿に車内はほっこり。

日々変化を遂げる場所でありながら、長い歴史もある東京。主演の藤原紀香さんも、「東京の観光地をスムーズに説明するために、バスガイドさんは日々本当に努力を重ねています」と話していたが、実際にバスに乗ると、バスガイドさんがいかに勉強しているかを実感する。

そしてバスは、浅草・浅草寺の奥にある「かんかん地蔵」に到着。商売繁盛のご利益と夫婦の絆を見守るお地蔵様を祀る知る人ぞ知る存在。浅草寺には来たことがあっても、かんかん地蔵は知らなかったという参加者も多かったようだ。

かんかん地蔵

ドラマでは第1話で登場し、元恋人の浩介（山下健二郎）との再会をずっと拒んでいた葉月が、かんかん地蔵の前で再会し、対峙するシーンが撮影された。

次にバスは“良縁招き猫”が有名な今戸（いまど）神社へ。

バスガイドの二人が神社のご利益や歴史を説明し、参拝開始！　社殿で手招きする巨大な「夫婦招き猫」の参拝のために女性たちが列を作る。

今戸神社

ドラマではこの今戸神社は登場しないが、脚本を作る段階で都内各所を取材したスタッフが、女性に人気のスポットということで物語にぜひ取り入れたいと考えていたらしい。今回の女性限定アヒルバスツアーでやっと陽の目をみた、アヒルバス制作スタッフおすすめの場所だ。

帰りのバスの中でも、バスガイド役の二人によるドラマの説明や、「アヒルバス」社歌の披露など、楽しい雰囲気の中、解散場所に到着。参加者も楽しめた内容だったようだ。

長年暮らしている東京でも、観光バスに乗り、バスガイドさんの説明を聞きながら東京をめぐると、普段通っている街並みすらも、全く別の風景のように見える。そして、東京にはまだまだ知らない場所がたくさんあると実感したツアーだった。

ドラマはまもなく第3話。いよいよ葉月（藤原紀香）がお客様を乗せての実車研修に挑戦し、バスガイドとして奔走する日々がスタート！　バスガイドという職業を丁寧に描くことで、変わり続ける東京、そして、そこで頑張る人々の姿がリアルに見えてくる。

今後のドラマの展開がますます楽しみだ。

『ある日、アヒルバス』
原作：山本幸久『ある日、アヒルバス』（実業之日本社）                         
脚本：山室有紀子横田理恵、鹿目けい子
出演：藤原紀香、トリンドル玲奈、山下健二郎、
　　　／片岡愛之助／、袴田吉彦、キムラ緑子　ほか

NHK-BSプレミアム
毎週日曜 午後10:00~10:49 放送
（再）毎週土曜 午後11:45~0:34

http://www.nhk.or.jp/pd/ahirubus/