グランプリは映画『探偵はBARにいる3』×北海道札幌市!「第8回ロケーションジャパン大賞」授賞式
日本唯一のロケ地情報誌「ロケーションジャパン」が主催する「ロケーションジャパン大賞」は、その年、もっとも地域を盛り上げた作品×地域を表彰。第8回目となる今回は6作品×地域が受賞し、2月22日(木)に都市センターホテルにて授賞式が開催された。
地域代表として各地域の市長や副市長、作品代表として各作品の監督やプロデューサーが登壇し表彰された。式には全国の自治体・フィルムコミッション関係者、映像制作者ら約300名が参加、マスコミも20媒体以上が参加し、授賞式は盛大に行われた。また、グランプリを獲得した北海道札幌市からは「テレビ父さん」、準グランプリを獲得した富山県からは「きときとくん」と、人気ご当地キャラクターも授賞式に駆け付けた。レセプションパーティーでは、当日参加した地域から自慢のご当地グルメが大集合。授賞者や映像制作者もおいしい地域の逸品に笑みが絶えなかった。
(写真:昨年グランプリ受賞の『ちはやふる』監督 小泉徳宏氏もゲスト登壇)
ロケーションジャパン大賞は、7,500名の一般アンケートを基に、地域の撮影サポート度、行楽度、地域の変化をポイント化して選定。観光庁や大学教授、新聞社や旅行雑誌編集長などの有識者からの意見も反映している。
受賞地域×作品は下記の通り。
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■グランプリ
映画『探偵はBARにいる3』×北海道札幌市
登壇者:北海道札幌市役所 経済観光局 国際経済戦略室長 知野学様、東映プロデューサー 須藤泰司様
札幌市長 秋元克広氏
「このような素晴らしい賞を地域の皆様と一緒に受賞できたことを、大変嬉しく思っております。映画『探偵はBARにいる3』では、延べ3,000人ものボランティアエキストラが参加するなど、地域と一体となって制作された作品です。特に物語のクライマックスシーンに登場するサッポロファクトリーの撮影では、平日にも関わらず本当に多くの市民の皆様にご協力いただきました。映画では、札幌の街並みが随所に登場しますが、シリーズ3作品中、最も「札幌らしさ」「空気感」が出ている作品だと思います。この作品をきっかけに、多くの方が札幌を訪れてくれたらうれしく思います。今回の受賞は、製作者と地域の皆様の温かいご協力と努力が実を結んだものと感じております。誠にありがとうございます。」
東映プロデューサー 須藤泰司氏
「以前からずっと、いつか『探偵はBARにいる』で「ロケーションジャパン大賞」のグランプリを獲りたいと思っていたので、今回の受賞は本当にうれしく思っています。『探偵はBARにいる』シリーズはロケ地探しや調整など札幌市や札幌フィルムコミッションの全面的なサポートがなければ実現できませんでした。その意味で、ご協力いただいた皆様も今回の受賞を非常に喜んでくださっているので、心から感謝しています。」
■準グランプリ
映画『ナラタージュ』×富山県
登壇者:富山県副知事 山崎康至様、映画監督 行定勲様
富山県知事 石井隆一氏
「この度は、準グランプリの栄誉をいただき誠にありがとうございます。これも行定勲監督はじめ映画関係者の皆さんの並々ならぬご熱意・ご努力とロケ地となった富山市、高岡市、射水市など地元の皆さんのご協力の賜物であり、心から感謝申しあげます。行定監督にお会いした時に、富山の情緒あるまちの雰囲気が映画の世界観にはまったといった趣旨のお話を伺いましたが、それらを全国の皆さんにご覧いただけたことは大変うれしく思っております。今回は、富山県ロケーションオフィスを中心に取り組んだロケ現場での丁寧な撮影協力やロケ地マップ作成による全国へのPRなどに高い評価を頂戴しましたが、この受賞を励みとして、今後とも積極的に取り組んでまいります。」
プロデューサー 小川真司氏
「ロケ場所にはスケール感があるけれどどこか懐かしく、別世界の出来事のように感じさせられる景色が必要だと思っていました。富山県は手頃な距離でありながら、日本海側ならではのしっとりとした情感のある景色が豊かで、作品世界の根幹をしっかりと支えてくれました。何より富山県LOをはじめとする地元の皆さんの協力が素晴らしく、一番大切なのは人だと改めて実感しました。また訪れたいと思う土地が増えたのはかけがえのない宝ものです。」
■特別賞/支持率部門
ドラマ『陸王』×埼玉県行田市
登壇者:埼玉県行田市商工観光課課長 村田清治様、TBSプロデューサー 伊與田英徳様
行田市長 工藤正司氏
「行田市の特別賞・支持率部門の受賞、心より光栄に存じます。また、ドラマ『陸王』を応援してくださいましたすべての皆様に心より感謝申し上げます。池井戸先生の原作を拝読した段階から、ドラマ化に期待を寄せていましたが、このような素晴らしいドラマとなり、多くの皆様から支持を頂けたことは大変喜ばしく行田市民の誇りでもあります。是非とも『陸王』の舞台である行田市にお越しください。多くの方にドラマの世界観に触れて楽しんでいただけるよう、行田市の魅力をこれからも発信してまいります。」
TBSプロデューサー 伊與田英徳氏
「特別賞に選出いただき、制作スタッフ一同光栄に思います。昨年7月から半年以上にわたる長期間の撮影でした。メイン撮影場所の埼玉県行田市では特にマラソンシーンで多くの方にご参加いただき、一人一人が役者となって演技していただいた結果、とても素晴らしいシーンになりました。『陸王』のエキストラは総勢7万人。役所広司さんはじめ演者の方々の迫力ある演技に更なる臨場感を与えられたのも、皆様のお陰だと思っております。」
■特別賞/行楽度部門
アニメ『ユーリ!!! on ICE』×佐賀県唐津市
登壇者:佐賀県唐津市長 峰達郎様、アニメプロデューサー 野田楓子様
唐津市長 峰達郎氏
「『ユーリ!!! on ICE』の世界観を求めて、日本のみならず世界37か国から4万5千人以上の聖地巡礼者の皆様に唐津を訪れていただき、地域が活気づきました。聖地巡礼者を温かく受入れていただいた地域の皆様と関係者の皆様のご協力の賜物であり、 長谷津(唐津)を応援してくださったファンの皆様あっての受賞と感じております。今後も唐津を訪れて頂く皆様方の受入れ体制づくりに取り組みながら、勇利くんはじめ、作品の応援を行っていきます。ぜひ、唐津へお越し頂き、アニメを通して唐津の魅力を感じて頂ければと思います。」
プロデューサー 野田楓子氏
「このような素晴らしい賞をいただき、ありがとうございます。今回の受賞は作品の力だけではなく、作品と共に地域を盛り上げようと動いてくださった佐賀県の皆様、また作品を見てモデルとなった場所に足を運んでくださった皆様のおかげだと思っております。制作チーム一同、心より感謝申し上げます。」
■特別賞/撮影サポート部門
映画『昼顔』×千葉県いすみ市
登壇者:千葉県いすみ市長 太田洋様、角川大映プロデューサー 稲葉様
いすみ市長 太田洋氏
「映画『昼顔』を制作された西谷監督はじめ、関係者の皆様に深く感謝申し上げます。平成27年12月にシティセールスを目的にFCを組織しましたが、約2年という短期間での受賞は、市民エキストラをはじめ地域の皆様や漁業関係者の多大なるご協力の賜物です。いすみ市は里海あり里山ありの豊かな自然環境、四季折々の魅力ある景色があります。そして豊富な食材に恵まれた「食」のまちです。今後も市の魅力発信、地域活性化のため、官民一体となった撮影サポートの充実を図り、“ロケの街いすみ”として意欲的に取り組んでいきます。」
監督 西谷弘氏
「連日300人を超える市民の方々が集まり、夏祭りの舞台をつくり、演出して、演じてくれました。10月も終わろうとしている寒空に浴衣一枚にさせられて、わずかな時間で創作の盆踊りを覚えさせられ、それでも嫌な顔ひとつせずに生気みなぎる盆踊りのシーンを再現してくれました。『昼顔』が描くのは生と死です。いすみ市の皆様の全面サポートがまさにその“生”の瞬間と空間を生みだしてくれたのだと思います。今なお感謝の念がつきません。」
■特別賞/地域の変化部門
連続テレビ小説『ひよっこ』×茨城県
登壇者:茨城県庁観光物産課課長 橘川栄作様、NHKチーフ・プロデューサー 菓子浩様
茨城県知事 大井川和彦氏
「『ひよっこ』とその撮影を支援した茨城県が特別賞を受賞し大変うれしく思っています。撮影にあたり放送開始の約半年前からロケ地や昭和30 ~ 40年代当時の資料捜しなどに地域が一体となって協力するとともに、稲刈りや聖火リレーのシーンに地元の方々がエキストラとして出演するなど地域の活性化が図られました。放送終了後も、ロケ地ツアーなどで多くの皆様にお越しいただいています。本県は様々なロケーションに恵まれ、これまで5000作品を超える撮影が行われていますので、思い出のシーンを探しにぜひお越しください。」
NHKプロデューサー 菓子浩氏
「「土地の持つ力を感じる」…茨城県北での撮影の際、キャストの皆さんが話されていた言葉が印象に残っています。昭和の原風景ともいえる美しい里山でヒロインの故郷を描けたことは、『ひよっこ』にとってとても幸運でした。ロケ地探しからエキストラ出演まで、FCや地元の皆様からたくさんのご支援をいただいたことに感謝しております。多くの方々に、茨城の魅力を知ってもらうきっかけになればうれしいです。ありがとうございました。」
■監督賞
映画『この世界の片隅に』
登壇者:映画監督 片淵須直様
監督 片淵須直氏
「アニメションー作品も空想の世界だけではなく、いわゆる「聖地巡礼」が出来るような現実の土地を舞台のモデルとすることが増えてきています。そんな中にあって『この世界の片隅に』は、現実の呉や広島を舞台に撮りながらも、今その場所に立ったとしてもそこに見ることが出来ない消え去ってしまった過去の風景を丹念に描くことを行いました。映画を見た人に対して、単にロケーションを提供するだけではなく、その土地への想像力をたくましく抱いて、消えてしまった風景を思い描いていただければ、という試みだったのです。そうした作品に「ロ ケーションジャパン大賞」から賞をいただけるというのは、なんともありがたい心持ちです。」
■俳優賞
ふるさと応援男優賞/大泉洋様(映画『探偵はBARにいる3』)
ふるさと応援女優賞/有村架純様(映画『ナラタージュ』、連続テレビ小説『ひよっこ』)
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本賞を主催するロケーションジャパンの山田実希編集長は「こうして作品を作られた制作者の皆さんと、それをサポートされた地域の皆さんの再会の場にいられることを凄く幸せに感じております。日本のトップクリエイターの人たちが各地の素晴らしい魅力を再発見してくださっていることも素晴らしいことですし、それをサポートしてファンが地域を訪れたときにもっと楽しんでいただこうと取り組んでいらっしゃる自治体の皆様、そしてファンになって帰って観光客の方も喜んでいらっしゃる、というような事例がたくさん出ており、地方創生にとってこれ以上よいことはないくらい素晴らしいことだと思います。日本の東京オリンピックもあと二年になりました。私も夢があるのですが、こういう仕事をするなかで、エンターテインメントの力を借りて、各地のグッドロケーションが国内だけでなく世界に広がっていくことを切に願っておりますし、そういう場をもっと設けていきたいと思います。」と、「作品×地域」によるシティセールスの可能性を語り、会場全体のモチベーションが高まる授賞式となった。
(主催「ロケーションジャパン」編集長の山田実希氏)
(ロケーションジャパン)