「第10回ロケーションジャパン大賞」授賞式にロケツーリズムのトップを走る監督・地域が集合!
日本唯一のロケ地情報誌「ロケーションジャパン」が主催する「ロケーションジャパン大賞」は、この1年間で、もっとも地域を盛り上げた作品×地域を表彰。第10回目となる今回は8作品が受賞し、2月20日(木)に都市センターホテル(東京都千代田区)にて授賞式が開催された。
授賞式には全国の自治体・フィルムコミッション関係者、監督・原作者をはじめとした映像制作者ら約250名が参加、マスコミも30媒体以上が参加し、授賞式は盛大に行われた。
映像制作者とロケの受け入れなどをした地域が一堂に会するロケーションジャパン大賞授賞式。優れた作品が評価されるだけでなく、映像制作者への地域の協力体制や作品を通じた観光誘客への取り組み実績を発表される。会場では、制作陣からの撮影当時の地域の受け入れ体制に感謝する声や、地域からの撮影・作品によって観光客増加に発展したことへの賛辞の声があちこちであがり、両者の連携による成果を改めて広めあうこととなった。
グランプリを受賞したのは映画『翔んで埼玉』とその舞台・埼玉県。
この日登壇した埼玉県産業労働部の勝村直久雇用労働局長は「記念すべき第10回ロケーションジャパン大賞を受賞したのも『翔んで埼玉』の大ヒットがあってこそ。武内監督をはじめ、映画制作に関わっていただいた皆様に感謝を申し上げたい。そして、原作者の魔夜峰央先生、ありがとうございます。映画『翔んで埼玉』を観て、埼玉県民はとても楽しんでおります。そこがこの映画のすごいところです。埼玉県は非常に良いところ。通行手形は必要ありませんのでぜひ埼玉にお越しください」と作品への感謝を述べ、埼玉県をアピールした。
同作の監督である武内英樹氏は、「こんな企画は通るわけないだろうと思って冗談で出したら通ってしまった。埼玉の子供たちがいじめられるような事態になったら大変なことになるので(笑)、ある種の緊張感をもって作りました。埼玉=何もないところというテーマで作っているので、実はほぼ埼玉では撮っていないんです。埼玉で撮ったのはオープニングの空撮といくつかのシーンだけで、ほぼ栃木と群馬で撮ったのが映画『翔んで埼玉』であります」と笑いを誘いつつ、受賞の喜びと埼玉はじめロケ地となった地域への感謝を語った。
さらに、授賞式に駆け付けた原作者の魔夜峰央氏も、「何度も話していることですが、この作品は他の県では成立しませんでした。きっと他のどこが舞台となってもバッシングの嵐だったと思います。埼玉県民のおおらかさと言いますか、心の広さ、自分の県を悪く言われているのに笑っていられるその鷹揚さに救われた作品です。」と、作品を愛してくれた埼玉県へ感謝を述べた。
本賞を主催するロケーションジャパンの山田実希編集長は「受賞された地域・制作者の皆さま、改めておめでとうございます。映画・ドラマによって地域が元気になる。その事例が年々増えてきています。それが今回のノミネート作品数(40作品63地域)にも比例したのではないでしょうか。これからもロケツーリズムへの取り組みが、ますます地域に広がることを楽しみにしています」と、「ロケツーリズム」のさらなる可能性を語り、会場全体のモチベーションが高まる授賞式となった。
ロケーションジャパン大賞は、約6000名の一般アンケートを基に、4つの指標(地域の撮影サポート度、行楽度、地域の変化)をポイント化して選定。そのほか、観光庁や大学教授、新聞社や旅行雑誌編集長などの有識者からの意見も反映して決定している。
受賞地域×作品は下記の通り。
■グランプリ
埼玉県×映画『翔んで埼玉』
■準グランプリ
北海道十勝エリア×連続テレビ小説『なつぞら』
■特別賞 支持率部門
栃木県足利市×ドラマ『今日から俺は!!』× 栃木県足利市
■特別賞 行楽度部門
兵庫県姫路市×映画『引っ越し大名!』
■特別賞 地域の変化部門
秋田県鹿角市×映画『デイアンドナイト』
■特別賞 撮影サポート部門
神奈川県綾瀬市×映画『七つの会議』
■監督賞
佐藤信介監督 映画『キングダム』
■審査員賞
岡山県備前市×映画『ハルカの陶』