「第11回ロケーションジャパン大賞」『浅田家!』×三重県津市がグランプリを受賞!
2020年に映画化され、興行収入300億円を超える大ヒットを記録した『鬼滅の刃』。公式から公言されていないものの、作品のワンシーンを彷彿とさせる場所や作中と同じ名前の神社に聖地巡礼をする人が殺到したことは記憶に新しい。直近では、1月29日(金)に公開された映画『花束みたいな恋をした』のロケ地・調布市を巡る映画ファンらがニュースになるほど、ロケ地巡りが話題を呼んでいる。
「ロケーションジャパン大賞」は、日本で唯一のロケ地情報誌「ロケーションジャパン」が主催し、この1年に公開・放送された映画・ドラマとそのロケ地の中で、最も地域を沸かせ、人を動かした作品と地域を表彰する大賞だ。その第11回のグランプリに、二宮和也さんが主演を務めた映画『浅田家!』とそのロケ地・三重県津市が輝いた。(ノミネート作品は2019年12月1日~ 2020年10月31日に公開、放送された作品の中から選定されている)
審査は6000名の一般アンケートによる作品&ロケ地の「支持率」のほか、ロケ地の「行楽度」や「地域の変化」、「撮影サポート度」の4つの指標をもとにポイント化し、総合的に評価の対象としている。「行楽度」では、ロケ地を訪れて作品の世界観が味わえるか。「地域の変化」では、観光客の増加などの作品によって地域に有益な変化が起こったか。「撮影サポート度」では、撮影隊がスムーズにロケを行える組織体系ができているかなどが評価され、有識者の審査をもとに選定されている。
グランプリを受賞した映画『浅田家!』は、原案となった家族写真集で脚光を浴びた写真家・浅田政志氏の人生と彼を支えた家族の絆を、ユーモアを交えながら描いた温かな作品だ。浅田政志氏の出身地である津市で撮影が行われた。映画の公開に合わせ、市はロケ地を紹介する記事を掲載した市広報紙やロケ地マップを作製。全国から注目を集め、新聞やネットニュースでトップ記事となるほど話題を呼んだ。地元企業や三重県と映画のタイアップをとりまとめ、名産品の普及や全国的なPRへとつなげた点も評価されているという。またJR東海と連携したロケ地ツアーや、原案者・浅田政志氏によるトークショーや映画のパネル展などのイベントも実施しファンが訪れ楽しめる仕掛けを行い、イベント動員数は延べ3万人超を記録。同市への来訪は例年の3~4倍に増加した。
そのほかの各賞は下記のとおり。
≪準グランプリ≫
連続テレビ小説『エール』×福島県福島市
古山裕一のモデルである古関裕而氏の故郷であり、作品のゆかりの地ということで注目を集めた福島県福島市では、官民組織の「福島市ロケツーリズム推進会議」で窓口を一本化。ロケ地マップや広報誌の制作、ツアーの実施などを実施し、メディアを巻き込み効果的にPR。ファンや観光客を楽しませる工夫で、観光消費推定8億円超えを達成した。
≪特別賞≫
・支持率部門
映画『糸』×北海道上富良野町
シンガーソングライターの中島みゆき氏の「糸」を題材にし北海道を舞台に描かれた今作は、日本を代表する若手俳優の菅田将暉×小松菜奈のダブル主演でも話題に。物語とロケーションの印象深さを印象づけたロケ地はファンの間で根強い人気を誇り、各ロケ地にファンが殺到した。
・行楽度部門
映画『弱虫ペダル』×静岡県浜松市
劇中で白熱するインターハイ予選のスタートやゴールシーンなど印象的な場面の数々が撮影された浜松市では、実際に訪れた人が楽しめる企画を多く実施。ロケ地を巡るサイクリングガイドツアーは、作品ファン・サイクリスト・一般観光客が楽しめる充実した企画となっており、高い評価を得た。
・地域の変化部門
映画『星屑の町』×岩手県久慈市
地元メディアと連携して、ロケ時にキャストによる記者会見を実施し、同市の知名度をあげるとともに、地元の活性化につなげた。さらに、映画とタイアップしたオリジナルグッズの作成や、映画で実際に使用された小道具や美術セットなどを展示する思い出館の開設している点も評価されているという。
主催者であるロケーションジャパン編集長・山田実希さんは「受賞された制作者・地域の皆さま、改めておめでとうございます。今回の6000名のアンケートでは、ノミネート30作に対して『落ち着いたら行きたい!』とたくさんの声をいただきました。ロケ対応をした地域からは『コロナの中でもできることをやりきった!』という声がたくさんございました。withコロナの中でも「エンターテインメント×地域」の力を感じた一年でした。これからもロケツーリズムで各地が盛り上がることを祈念しています」と語る。
各賞の詳細は、3月15日(月)発売「ロケーションジャパン」104号に特集が組まれる。
授賞式は2月18日(木)にリーガロイヤルホテル東京(東京都新宿区)にて開催された。
「ロケーションジャパン大賞」ノミネート作品の選定条件
・2019年12月1日~ 2020年10月31日に公開、放送された作品
・地域でロケ撮影が行われた作品
・ロケツーリズムに取り組んでいる地域からの自薦作品
※上記の効果が出ていた作品と地域を、編集部調べで選出。
「ロケーションジャパン大賞」選考基準
下記4つの指標をもとにポイント化して、有識者による審査により選出される。
・支持率…約6000名の一般アンケート結果による。
・行楽度…ロケ地で作品の世界観が楽しめるか?
(ロケ地マップの有無、語り部がいる、ツアーの有無 ほか)
・撮影サポート…地元のロケ協力度、住民の理解度
(ロケ支援組織の有無、撮影リピーターの有無、撮影窓口の一本化、ロケに対する住民の理解度 ほか)
・地域の変化…観光客の増加 経済効果 CM換算効果
(作品による経済効果、作品にまつわる商品の誕生、エキストラの登録状況、メディアへの露出 ほか)