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2022.02.17

「第12回ロケーションジャパン大賞」『花束みたいな恋をした』×東京都調布市がグランプリを受賞!

新型コロナウイルス感染症拡大により日本各地では、観光誘客を縮小せざるを得なく、魅力発信の機会の激減に直面している地域が多い。そんな中、一部の地域では映画のロケ地になったことをきっかけに、地元の魅力を全国に発信するロケツーリズムが盛り上がっている。

 

日本で唯一のロケ地情報誌「ロケーションジャパン」が主催し、この1年に公開・放送された映画・ドラマとそのロケ地の中で、最も地域を沸かせ、6000名の一般の支持を集めた作品と地域を表彰する「ロケーションジャパン大賞」が2月17日(木)に開催された。(ノミネート作品は2020年11月1日~ 2021年10月31日に公開、放送された作品の中から選定されている)

 

33作品67地域のノミネートの中から、審査は6000名の一般アンケートによる作品&ロケ地の「支持率」のほか、ロケ地の「撮影サポート度」や「行楽度」、「地域の変化」の4つの指標をもとにポイント化し、総合的に評価の対象としている。「撮影サポート度」では、撮影隊がスムーズにロケを行える組織体系ができているかなどで評価され、有識者の審査をもとに選定されている。「行楽度」では、ロケ地を訪れて作品の世界観が味わえるか。「地域の変化」では、ふるさと納税の寄付額の増加や経済効果など、作品の露出によって地域に有益な変化が起こったか。

 

第12回の栄えあるグランプリに輝いたのは、映画『花束みたいな恋をした』と東京都調布市だ。映画の興行収入は38億円超、近年まれにみる異例のロングランヒットとなった本作。そのヒットの要因には、撮影や公開前からの作品PRに全面協力した調布市の影響も大きい。駅前や映画館の大型スクリーンで「はな恋」応援動画を流したことや、シーン写真満載のロケ地マップの配布、ロケ地観光パネルを設置したことでまち全体が「はな恋」一色に。ロケ地をめぐるイベント「謎解き街めぐり」をオンライン・リアルともに開催し、会場になったシアタス調布ではイベント期間中の動員数が昨対比3.8倍に増加する結果を残した。こうした映画鑑賞者の動きに各メディアも敏感に反応し、ロケ地にフィーチャーしたニュースや記事がコロナ下の明るい話題として彩った。公式サイトでは多くのファンのロケ地巡りのSNS投稿をストーリー仕立てで編集した「Special Thanks Movie」を公開。地域とメディア双方でロケ実績を広報した相互作用により、映画をきっかけに街への興味を持ってもらうきっかけを数多く作った点が評価されたという。「映画のまち調布」が一層輝く1年となった。

 

そのほかの各賞は下記のとおり。

 

≪準グランプリ≫

連続テレビ小説『おかえりモネ』×宮城県気仙沼市、登米市

海にも山にも恵まれた自然豊かな宮城県の2市が舞台となり、宮城の魅力を発信した連続テレビ小説。ドラマから地域おこしにつなげるために2市連携してシティプロモーションを展開した。両市を巡るツアーや、モバイルスタンプラリーの実施などを行い、話題の観光スポットの誘致につなげた。さらにはドラマに登場した特産品を使ったPRにも取り組み、ふるさと納税の寄付額は前年同期比3.4倍の10億円を突破した。

 

≪特別賞≫

・支持率部門

アニメ『ゆるキャン△ SEASON2』×静岡県

キャンプブームをけん引している人気アニメシリーズ。静岡県がモデル地となったシーズン2の本作は、Blu-ray/DVDの売上本数1.5万本を記録するほど大ヒットした。県では聖地巡礼の専用サイトを開設し、モデル地を有する各市町と連携し、ロケ地マップを作製し非接触型のスタンプラリーを実施するなど、まとめあげたことで、広域でのツーリズムを実現。その効果も、ラリー開始わずか1ヶ月で関連商品の消費総額8000万円を突破するなど経済効果を上げている。

 

・地域の変化部門

ドラマ『最高のオバハン 中島ハルコ』×愛知県幸田町

東海エリアが舞台となったこの作品では、爽快なストーリーで視聴者を魅了した。ロケ地となった幸田町はまちの名前が実名で登場し、町おこしを行うストーリーで登場。ドラマには筆柿やイチゴなど様々な特産品が取り上げられ、作品をきっかけにふるさと納税寄付額が前年比124%(4月~12月末時点)を記録するほど好影響を与えたことが評価につながった。さらに、多くの町民が協力したロケ弁やエキストラなどのサポートに感激したキャストが、振舞われたイチゴや消防カレーとともに自身のSNSで発信し話題を呼んだ。

 

・撮影サポート部門

映画『るろうに剣心 最終章 The Final/The Beginning』×滋賀県

最終章2作併せて興行収入67.5億円の大ヒットをたたき出したこの作品は、日本各所でロケを行い各地の魅力を発信している。特に、第一作からロケをサポートしたのが、ロケ対応20年の滋賀県ロケーションオフィス。窓口の一本化や大勢のエキストラ登録者などの手厚い体制に大友監督に「大友組の一員だ。」と言われるほど。ロケ地目線で作品のPRにも協力し、映画全体を支えた。

 

・審査員奨励賞

映画『いとみち』×青森県弘前市、板柳町

ヒロインと監督が青森県出身で、作品の内容も津軽三味線に関するといったご当地感100%の本作。ファン向けの大型歓迎ボードやデート気分になれるまち歩き動画を作成し話題を呼んだ。さらにSNSでの積極的な情報発信なども行い、撮影のサポートからPRまで官民一帯で作品を盛り上げた。

 

主催者であるロケーションジャパン編集長・山田実希さんは「観光客を呼びたくても呼べない」「映画を見て欲しくても見られない」など、地域、エンターテイメント業界にとって、未曾有の状況が続きました。そんな中、33作品67地域がノミネート。6000名のアンケートと4つの指標で審査され受賞した皆さまは、まさに逆境の中で全国に勇気を与え、エンターテイメント×地域の底力を知らしめました。コロナ後には、一気にこの効果が広がることを確信しています」と語る。

 

各賞の詳細は、3月15日(火)発売「ロケーションジャパン」110号に特集が組まれる。

授賞式は2月17日(木)にリーガロイヤルホテル東京(東京都新宿区)にて開催された。

 

「ロケーションジャパン大賞」ノミネート作品の選定条件   
・2020年11月1日~ 2021年10月31日に公開、放送された作品
・地域でロケ撮影が行われロケ地感のある作品

・ロケツーリズムに取り組んでいる地域からの自薦作品
※上記の効果が出ていた作品と地域を、編集部調べで選出。

 

「ロケーションジャパン大賞」選考基準
下記4つの指標をもとにポイント化して、有識者による審査により選出される。
・支持率…約6000名の一般アンケート結果による。
・行楽度…ロケ地で作品の世界観が楽しめるか?
(ロケ地マップの有無、語り部がいる、ツアーの有無 ほか)
・撮影サポート…地元のロケ協力度、住民の理解度
(ロケ支援組織の有無、撮影リピーターの有無、撮影窓口の一本化、ロケに対する住民の理解度 ほか)
・地域の変化…観光客の増加 経済効果 CM換算効果
(作品による経済効果、作品にまつわる商品の誕生、エキストラの登録状況、メディアへの露出 ほか)

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