大竹しのぶが怪演! 大阪府南部で撮られた強かな女の一生『後妻業の女』
「原作を数行読んだら、もうキャスティングはできていた」 鶴橋康夫監督をしてそう言わしめた原作『後妻業の女』と監督の出会いは、まさに偶然。ロケハンの合間に、監督がたまたまホテルの近くの本屋で手に取ったのが、この本だったそうだ。
63歳の武内小夜子(大竹しのぶ)は、その愛くるしさから結婚相談所主催のパーティに参加した男性陣をメロメロにする。その中の一人、中瀬耕造と小夜子は結婚。幸せな夫婦生活を送っていたかに見えたが、2年後に耕造が死亡すると、小夜子は「耕造の全財産は私が相続する」と言い出し、耕造の娘たちを唖然とさせる。やがて小夜子が「後妻業」という謎の職を持つ女だと判明し…。
衝撃の展開に鶴橋監督は一夜で原作を読み上げ、同時にキャスティング、映画化の企画だしまでしてしまったとか。「3行読んでこのキャラは大竹しのぶがいいと思った」という主演の大竹しのぶは、鶴橋監督とは30年以上も一緒に作品を作ってきた「織姫と彦星のような関係」。数年に一度、七夕伝説のような巡り合わせで作品を作り上げてきた。
「今まで正統派の役ばかりお願いしていたので、今回は社会からドロップアウトした役をやってもらいました」という監督の言葉通り、無邪気で破天荒、悪役ながらどこか憎めない魅力満載の小夜子をパワフルに演じている。
今回の舞台は大阪府南部。ロケもその空気感を出す為、現地で行われた。
合計4日ほどかけて撮りたいシーンにかなう場所を探してロケハンを行ったそうだ。設定によっては東京や横浜などでも撮影が行われたが、「大阪の物語を作る以上、大阪で撮りたかった。人間を撮ると、そこに場所の違いが表われてしまうんですよね」と鶴橋監督。
「大阪府南部」にこだわり、「織姫」大竹しのぶの魅力がスクリーンの隅々から溢れかえる『後妻業の女』は、現在全国ロードショー中だ。
『後妻業の女』公式ホームページ
http://www.gosaigyo.com/
(C)2016「後妻業の女」製作委員会