地域一丸で作品をサポート。映画『デイアンドナイト』で鹿角が変わった!
日本唯一のロケ地情報誌「ロケーションジャパン」が主催する、この1年でもっとも人を動かし、まちの観光を活性化させた作品と地域に贈る「第10回ロケーションジャパン大賞」。一般アンケート6,000人と4つの指標で、40作品・63地域の中から映画『デイアンドナイト』×秋田県鹿角市が、特別賞・地域の変化部門に輝いた。
作品のロケをきっかけに最も「地域の変化」が際立ったのは、映画『デイアンドナイト』が撮影された秋田県鹿角市だ。
市が実施する、映画を通じて地域の活性化を図る「地域開発映画プロジェクト」の取り組みにより、市民を中心にロケやプロモーションを支援する実行委員会を設立した。エキストラや炊き出しボランティアがきりたんぽをはじめとする地域の名物料理を提供。映画をサポートするためのネットワークが新たに形成され、ロケのスムーズな進行に貢献した。
撮影後も、パネル展やロケセットを復元してファンが訪れるロケ地スポットを一般公開。映画にちなんだ「デイアンドナイトカレー」の開発・提供や、ロケ地ガイドブック4万部の配布、ロケ地めぐりツアー、先行上映会など様々な取り組みを通して、映画を積極的にPRするとともに鹿角への誘客を促進。その甲斐あって、主要な撮影場所となった「中滝ふるさと学舎」の入込客は、ロケ前に比べて翌年度114%増、翌々年度では130%増を記録した。
市の協力に対して藤井道人監督やプロデューサーの山田孝之氏もたびたび感謝の言葉を述べており、その様子からも作品と地域の関係性のよさがうかがえる。
強固な連携体制でロケをサポートし、まちの変化を促した鹿角市。映画撮影による盛り上がりを一過性で終わらせない取り組みはロケツーリズムの先進事例となるものであり、今後の取り組みにも注目していきたい。
【ロケーションジャパン大賞とは】
2018年12月1日~2019年11月30日に公開、放送された映画・ドラマ・アニメ作品を対象とし、「全国規模で公開または放送された作品と地域」「地域の変化が見られた作品と地域」「ロケ受け入れに対し、組織的な対応ができる地域」の効果が出ていた作品と地域を、編集部調べで選出。4つの指標(支持率・ロケ地行楽度・撮影サポート・地域の変化)をもとにポイント化して選出する。
2020年2月20日は、全国からLJ大賞受賞地域や受賞作品の制作者が集まり、永田町の都市センターホテルで授賞式が行われる。