“アンタ”山崎も期待の地域!? ロケで「銚子の隣町」脱却を狙う千葉県旭市の取り組みに迫る
千葉県北東部に位置する自然豊かな町・旭市をご存知だろうか。「自分の町を紹介するのに『銚子の隣』と伝える悔しい思いをしています」と地元民が語るほどに、知名度に課題があったこの町が、今年から映画やドラマのロケを誘致し、町のPRを行うロケツーリズムに取り組んでいる。ロケ地としてテレビに露出することで、知名度の向上を図り、地元の物産品のPRなどに繋げていくことが狙いだ。ロケ誘致を開始して約半年。最近では「銚子の隣」も自虐的に捉えられ、テレビで取り上げられるなど成果が上がってきているという。
旭市は4月にロケを活用した情報発信おいて実績を持つ(株)地域活性プランニングと包括連携協定を結び、その後7月に旭ロケーションサービスを設立。ロケ誘致から、ロケ実績を活用した地域PRの動きを本格化した。その後『鶴瓶の家族に乾杯!』や『笑ってコラえて!ダーツの旅』など、旅・情報番組に度々露出。10月から始まるTBSドラマのロケ地にも選ばれるなど、映像制作者の間での認知度を高めている。そして9月15日には『アンタの地元でバズツアー』で空気階段の鈴木もぐらの出身地として旭市が放送された。紹介のテロップには「銚子の陰に隠れがちな田舎町」というなかなか辛辣な表現が用いられていたが、そんなからかいにも負けず、番組の中では食や風景など続々と旭の魅力を披露。出演者のアンタッチャブル山崎も旅が進むにつれて「いいねいいね~旭市期待しちゃうよ!」とコメントしていた。
ここまでロケ地になる作品が増えてきた要因は、旭市の継続的な情報発信にある。ロケ地情報誌やロケ地検索サイトへの掲載、全国のロケツーリズムに取り組む自治体が集まるロケツーリズム協議会などにも参加し、映像製作者へのPRを強化してきた。また、旭市の自虐的なネタを集めたパンフレットの作成や、旭市産の豚の革を使用した九十九里レザーの販売会など様々な情報発信を行っている。
10月にはそれらの動きに拍車をかけるべく、旭市初のロケ地マップを発行。ロケ誘致を強化していることを映像制作者に知らしめることは勿論、ロケ実績をきっかけに観光客に旭市の魅力に興味を持ってもらうことを目的とし、市民のロケ誘致への理解にも繋げていきたい考えだ。マップには、27年前に市内の飯岡灯台で撮影された『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』や今年4月に放送された『鶴瓶の家族に乾杯』など幅広い年代の旭市ロケ作品を掲載している。
映像作品のロケ地になることで町の魅力を知ってもらうきっかけとなるロケツーリズム。当市は今後もロケをきっかけに、特産品や風光明媚な町の魅力を発信していく予定だ。旭市が「銚子の隣」という説明なしに「聞いたことある!」と言われる日もそう遠くないかもしれない……。