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2022.12.10

五郎さんも思わず立ち寄る!? 特産の「豚」を丸ごと使って人を呼ぶ“千葉県旭市”とは

#千葉県旭市

2022年12月16日放送のドラマ『孤独のグルメ』で井之頭五郎が訪れる千葉県旭市。全国的に有名な観光地というわけでもなく、“銚子の隣”と長年称されてきたが、最近ではドラマやバラエティーのロケが増え、名前が全国に知られるようになってきた。

 

今年10、11月には特産品の「豚」を活かしたモニターツアーを開催し、20代~60代の16人が参加。旭としてのブランディングを着実に進めている。

 

豚肉の生産量は全国2位

地域活性プランニング代表藤崎慎一(左)と旭市長米本弥一郎(右)

 

 

旭市は今年4月、作品や食を通じて地域のファンになってもらうことを目指す「地域活性プランニング」と包括連携協定を締結した。­­­旭市の魅力を全国に発信するため、目を付けたのが、作品を通じてまちの魅力を全国に発信する「ロケツーリズム」­。足掛かりとして7月に旭ロケーションサービスを設立し、ロケ誘致に力を入れ始めた。

 

 

その活動は少しずつ実を結び始め、『鶴瓶の家族に乾杯!』や『笑ってコラえて!ダーツの旅』などの旅・情報番組のほか、現在放送中のドラマ『君の花になる』のロケ地にも抜擢された。

 

 

しかし、旭市の魅力はロケのしやすさだけではない。豚肉の生産量はなんと全国2位を誇る。その魅力を活かし、地元の食肉業者や観光物産協会、縫製メーカーがタッグを組み、特産物である豚の肉から革まで丸ごと生かし、地元産業の発信へつなげる事業を確立させている。

 

 

こうした活動を広めるために、旭市物産協会は「地産地消BBQ&レザークラフト体験ツアー」を実施した。

 

 

『孤独のグルメ』のスポットにも

 

屛風ヶ浦で九十九里レザー加工

 

 

最初に訪れたのは、東洋のドーバーとも呼ばれる景勝・屏風ヶ浦。断崖絶壁が圧巻で、自然の雄大さを感じさせる。観光物産協会の水野竜也事務局長からは、屏風ヶ浦で撮影された作品についての説明もあり、憧れの芸能人へ思いを馳せながら絶景を楽しんだ。

 

 

 

景色を楽しんだ後は、すぐ近くにある、ドラマ『孤独のグルメSeason2』にも登場した岸壁荘へ向かう。「豚を余すところなく使い切る」ことを目標とした旭市では、豚革も有効に活用しており、その代表的商品が「九十九里レザー」である。軽くて丈夫な豚革のなかでも、九十九里レザーは特に柔らかく光沢があるのが特徴的。

 

 

 

 

 

レザーのエイジング加工を行っている岸壁荘では、豚の革を海水に浸し、ダメージを与えることで、豚革に“味”を与えるという。

 

 

 

 

 

旭市産の豚肉や野菜を使ったBBQ

 

 

レザー加工を楽しんだ後は、BBQ。

 

そもそも旭市で養豚業が盛んなのは、九十九里浜と利根川に囲まれた温暖な環境が、養豚に適しているから。また、サツマイモや醬油粕など、ビタミンやイソフラボン等の機能性成分が豊富なエサを与えることで、より美味しく安全な豚肉をつくることができるのだ。

 

BBQでは、そんな柔らかく風味豊かな豚肉を、思う存分口に頬張れる。豚肉の部位は様々で、豪快な1ブロックを丸々鉄板に乗せることも。さらには、地元の方々が作った焼肉のたれや、新鮮な地元野菜も同時に賞味した。

 

ここで食べた食材は、ツアーの最後に訪れた「道の駅 季楽里あさひ」でも購入できる。

 

 

 

 

 

飯岡灯台に設置されている「恋する灯台」

 

お腹を満たしたあとは、飯岡灯台へ。

 

この灯台は、ドラマ『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』のロケ地となった場所だ。本作品はアニメ映画化もされ、作品ファンが多く訪れる聖地のひとつとなっている。

 

両脇に触れると音が鳴る仕組みのオルゴールや、鐘を鳴らしながら「恋する灯台」など、風景以外の観光スポットも様々。「あしたのジョー」の作者・ちばてつやさんが住んでいた場所にちなんで、キャラクターの銅像も設置されている。

 

九十九里の眺望をバックに、思い思いの時間を過ごすことができる。

 

 

 

 

 

イオンタウン旭に敷設されているおひさまテラス

 

その後は、今年開業したイオンタウン旭内の「おひさまテラス」へ向かい、レザークラフト体験と施設見学を実施。

 

レザークラフトでは、ペンケースを作成。型紙をレザーに写し取り、穴をあけ、ひもを通して完成。自分の手で作ったペンケースにはより愛着が湧くと同時に、「豚の命を最大限使う」ことをしみじみと実感させられた。

 

 

主催する「縫左衛門」は、素材や縫製などに職人のこだわりを詰め込み、時代や流行に迎合せず使用者を第一に考えたデザインの鞄を提供している。イオンタウン店では「九十九里レザー」をプロが縫製した作品を購入することもできる。

 

 

 

九十九里レザーでペンケースの作成

 

 

また、体験スペースを提供した「おひさまテラス」は子育てを通して、まちの人々が笑顔でつながり、支え合い、共に育み、育まれる場とのこと。コワーキングスペースや音楽スタジオ、キッチンスタジオやダンススタジオまで併設され、市民の仕事にも趣味にも寄り添う施設であることを体感できる。

 

 

 

 

旅の最後を締めくくるのは、お土産購入。「道の駅 季楽里あさひ」には、BBQで使用された新鮮な食材から、日持ちする旅の土産まで幅広い商品が並ぶ。旭市を一日堪能し、心に残ったものを家に持ち帰った。

道の駅 季楽里あさひ 外観

 

ツアーの参加者からは、「豚というテーマつきつめるのが面白い」「移住をしたくなりました」といった声が寄せられ、好評のようだ。

 

“あさひの豚”という一つのテーマで、豚革の加工からレザークラフト、BBQなど、さまざまな切り口で楽しめる旭市。ぜひ訪れてみてはいかがだろうか。

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