「日本一の桃源郷」山梨県笛吹市で桃の収穫が本格化!
山梨県笛吹市で桃の収穫が最盛期を迎えている。笛吹市は、澄んだ空気、笛吹川の清らかな水、肥沃な土壌に恵まれた甲府盆地東に位置するまち。その地で栽培される桃とブドウはともに国内トップクラスの生産量を誇る。昼と夜の気温差の大きい盆地の気候が桃やブドウの成長を促していることが要因の一つだ。
みずみずしい初夏の桃
3月下旬から4月上旬にかけて桃の花が一面に咲き誇るさまから「日本一の桃源郷」とも呼ばれる笛吹市だが、6月に入るとその花が実をつけ、収穫の季節を迎える。そんな笛吹市で半世紀以上桃づくりを続けているのが「田中園」の田中征吉さんだ。同農園の桃は低農薬農法によって作られ、美味しく、あまい桃として人気を集めている。加えて、おいしさの秘訣は低農薬だけでなく土壌にもある。長年の改良によって桃の栽培に最適化された土壌は、豚糞・腐葉土や米糠が混ざり絨毯のような柔らかさになっている。そのような柔らかい土壌で育った桃は根をよく伸ばし、作物の育ちもよく花の色づきや実の糖度も高くなるそうだ。
左から田中農園の園主田中征吉さん 奥様の田中朝子さん
実はこの笛吹市、昨年のNHK‐BS4Kで放送されたドラマ『歩くひと』の第2話でメイン舞台となっている。このドラマは、井浦新演じる主人公が「ちょっと歩いてくるよ」と妻に言い残して散歩に赴き、いつの間にか日本各地の美しい風景の中に迷い込み少し不思議な体験をするという話。作中に登場する桃源郷の空撮映像はこの田中農園で撮られており息をのむ美しさだった。
4月上旬にはピンクの絨毯のようにあたり一面に桃が咲き誇り桃源郷になる
ドラマの波に乗り観光客誘客に力を入れたい笛吹市ではあるが、コロナ禍で桃狩りが中止になるなど、難しい状況にある。農場主の田中さんは「昨年は長雨で不良が続いたが、今年は晴れの日も多く非常に良い桃が収穫できている。ぜひ多くの人に食べてほしい」と語っている。一般に、笛吹市の桃の収穫は8月上旬ごろまで続き、収穫された桃は関東圏の小売店に並ぶ予定だ。
完熟桃の甘い香りが食欲をそそる
ドラマ『歩くひと』【出演】井浦 新、田畑智子 ほか