今年はロケ地巡りの当たり年!「こども霞が関見学デー」ではロケツーリズムの発信も

興行収入100億円を超える大作が多数公開された2025年。その多くで、ロケ地や聖地が話題になっているという。
長野県・八ヶ岳の野辺山高原が舞台となった劇場版『名探偵コナン 隻眼の残像(フラッシュバック)』や、今もなお爆発的なヒットを記録している劇場版『鬼滅の刃 無限城編』は、その公開に伴い聖地巡礼に訪れるファンが後を絶たない。
先日、実写邦画では22年ぶりに興行収入100億円を突破した映画『国宝』では、ロケ地となった兵庫県豊岡市の「出石永楽館」が話題に。映画小道具特別展示を行うなど、来場者が作品の世界観を追体験できる取り組みを行っている。
今年も盛り上がっているロケ地巡り。こうした中、霞ヶ関でもロケ地巡りに関する取り組みが行われた。
夏休み真っ盛りの8月6日・7日、毎年恒例の「こども霞が関見学デー」が開催された。文部科学省をはじめとする国の府省庁が主催し、展示や体験を通じて子どもたちが社会や行政について学べる、毎年大盛況のイベントだ。今年も多くの親子連れで賑わった。
各省庁が特色あるプログラムを展開する中、観光庁では、近年注目を集めている「ロケツーリズム」をテーマに、「聖地巡礼!あの人気アニメやCMに登場した場所をめぐってみよう」と題した展示を実施した。ロケツーリズムとは、映画・ドラマのロケ地を訪ね風景と食を堪能し、 人々のおもてなしに触れ、その地域のファンになってもらうこと。ロケ実績を活用し、観光客の誘致やシティプロモーションに結びつけている地域や取り組みが紹介された。
出展地域は、劇場版『名探偵コナン 隻眼の残像(フラッシュバック)』の舞台となった長野県庁・長野県南牧村、上白石萌歌さんが出演する「キリンレモン無糖」やマクドナルドなど数多くのCMの撮影地として知られる長崎県島原市、アニメ『ゆるキャン△ Season2』に登場し、今秋公開予定の映画『オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ』のロケ地にもなった静岡県西伊豆町。また、ロケ実績の活用に取り組む全国の自治体や企業が加盟する一般社団法人ロケツーリズム協議会も出展協力を行った。
各地域のブースでは、ロケ地マップの配布やポスター掲示、自治体職員による地域紹介などが行われた。子どもたちは『名探偵コナン』のポスターや『ゆるキャン△』のキャラクターパネルと写真を撮ったり、島原市を訪れた芸能人のサインに見入ったりと、興味津々の様子。
7日には高橋国土交通副大臣も視察に登場し、展示を見ながら担当者の説明に熱心に耳を傾けた。
出展した西伊豆町役場産業振興課・土屋佑斗さんは「ロケやこのようなイベントで露出することで、西伊豆町を知らなかった人に知ってもらえるのが嬉しい」とコメント。
今回の展示を担当した観光庁総務課・平和也さんは「エンタメ作品を契機として地方への旅行が促進される。引き続きロケツーリズムを通じた地方誘客を推進していきたい」と話した。