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2022.08.17

実は日本で撮影!? 『キングダム2 遥かなる大地へ』撮影の裏側をプロデューサーに聞いた

©2022映画「キングダム」製作委員会

公開中の映画『キングダム2 遥かなる大地へ』が好評だ。2020年から撮影が始動し、セカンドシーズンは更に大規模なロケと制作で新たな境地へと挑んだ本作。俳優陣のアクションや、壮大なスケールに称賛の声が集まる。
前作『キングダム』に引き続き、プロデューサーを務めた松橋真三さんに撮影の苦労や思い出、ロケーションへの想いを聞いた。

 

中国と日本の映像がコラボ

 

――2020年がクランクインとのことでしたが、コロナの影響はいかがでしたか?

松橋さん:当初予定していた撮影プランを大きく変更しなければならないほどの大きな影響を受けました。ちょうど、コロナショック直前の頃まで中国でロケハンをしていたのですが、中国ロケどころか、国内での撮影もままならない未曾有の事態となりました。
クランクインを遅らせるほかなく、最悪の場合、中止すべきではという意見もありました。映画業界全体に、このような不穏な空気が流れていた。制作スタッフにはフリーの方が多いんです。先が見えずに職を辞めようとするような方もいて。そんな中で、この業界全体が、『キングダム』の動向に注目し、それに習おうとするような空気があり、自分が踏ん張らなければ、日本映画の火が消えてしまいそうでした。どうにか、『キングダム』を止めることなく、安全につくり続けたいという思いから、病院と業務提携し、ハリウッドのガイドラインも参考にしたりして、徹底した感染対策を行いながら撮影を決行しました。結果、約1年にわたる撮影中、罹患者はゼロだったんです。クルー全員の強い結束により、無事、走り切ることができました。

松橋真三プロデューサー

 

 

――海外渡航が難しい中、どのように撮影をされたのでしょうか。

松橋さん:コロナ禍だったので、我々が中国入りして撮影するのは難しいと判断し、もともと中国ロケを予定していたシーンのなかで、国内で撮れる部分がないか検証し直しました。
それでも、大量の馬や兵士がいるようなカットはどうしても中国で撮る必要があったので、中国の現地スタッフの力を借りることにしました。中国での監督は、ジャッキー・チェン作品のアクション監督もされている方にお願いすることができまして。佐藤監督が決めたカット割りを見ながら、日本と中国のチームがワンカットずつ丁寧に撮影方法を検討していきました。600名ほどの兵士に、馬が100頭もいるような迫力の大合戦シーンなどは、このような予期せぬコラボレーションにより生み出されました。

 

 

――日本のロケ地では、どのように撮影されましたか?

松橋さん:長野の東御市では、様々なシーンを撮影しました。コロナ禍により中国で撮影できなくなったシーンには、広い平原が必要だったので、グーグルアースで日本中を探して良い場所を見つけました。3カ月ほどの間、縦12m・横が100mの巨大なグリーンバックを端と端において撮影をしました。

コロナ禍により長野県東御市で撮影が行われ、作品の世界観を見事に再現

 

乗馬シーンは、ほぼ山﨑さん本人

 

作品には欠かせない、キャストについても話を聞いた。

――前作から引き続き出演したキャストについて、成長を感じた点をお聞きしたいです。

松橋さん:前作を踏まえて、皆さんスーパースターになってきました。
山﨑賢人さん演じる信は、Part1では巻き込まれ型の主人公です。ある事件に巻き込まれて、目の前にあるものをとにかくクリアしていかなければいけなかった。ですが、今回の続編では、自らの意志で、勇ましく仲間を引っ張る役どころを見事に成し遂げてくれました。
乗馬の練習をしたのですが、スタントマンを用意したにもかかわらず、どんどん上達されるので、ほとんどのシーンでそのまま本人に乗ってもらいました。

山﨑賢人さん演じる信 ©2022映画「キングダム」製作委員会

 

――今作登場した羌瘣(きょうかい)のアクションでは様々な演出されたと思います。羌瘣の技である巫舞(みぶ)はどのように演出されましたか?

松橋さん:佐藤監督と、アクション監督の下村さんと、「どのようにしたら実写で人が演じられるのか」と考え、こんな形だったらどうだろうかとデモを作っては検証する、ということを何度もやりました。
羌瘣は、舞うように戦うというのが特徴です。スタントマンの方もいましたが、アクション演技に長けた清野菜名さんの、手足の長さやしなやかな動きがとても綺麗で、ほとんどのシーンを清野さん本人が演じました。愛剣の緑穂を肌身離さずに練習を重ねてくださって、何カ月かは一緒に寝ていたそうです。

清野さん演じる羌瘣 ©2022映画「キングダム」製作委員会

 

――羌瘣と信の、原作にはないオリジナルシーンも入れたそうですね?

松橋さん:今作では、信の初陣となる蛇甘平原で、羌瘣と信の物語をぐっと掘り下げています。ふたりで大事な会話を交わすシーンのネームを原先生が書いてこられました。漫画の連載時よりも完成形に近いイメージへと昇華できた、映画をつくる喜びのひとつだ、と仰ってくださって。原先生はもちろんのこと、とにかくみんなすごい熱量で作っています。

 

 

【作品情報】
2022年7月15日(金)公開
出演者: 山﨑賢人/吉沢亮 橋本環奈 清野菜名/豊川悦司/大沢たかお ほか
監督:佐藤信介
脚本:黒岩 勉、原 泰久
原作:「キングダム」原 泰久(集英社「週刊ヤングジャンプ」連載)
配給:東宝&ソニーピクチャーズ(共同配給)
制作プロダクション:CREDEUS
製作:©2022映画「キングダム」製作委員会
ⓒ原泰久/集英社 ⓒ2022映画「キングダム」製作委員会

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