上映期間6ヵ月突入!超ロングラン映画『キンプリ』。ヒットの秘訣は「映画館の聖地化」
「映画館では静かにする」とは劇場映画を楽しむ時の最低限のルールだ。
しかし今、その常識を上手く崩した新しい映画観賞のスタイルが話題なのをご存じだろうか?
応援上映と題し、「コスプレOK!声援OK!アフレコOK!」と推奨するのが、劇場版アニメ『KING OF PRISM by PrettyRhythm』だ。ファンからは略して「キンプリ」の愛称で親しまれている。
本作は2014年3月に放送終了した、女児向けアーケードゲームが原作のTVアニメ『プリティーリズム』シリーズに登場した男子キャラクターに焦点を当てたサイドストーリーとして、2016年1月9日から全国で上映を開始した。
当初はわずか14館でスタート。
しかし、応援上映という新しいスタイルが口コミで拡散され、低迷期を乗り越えた結果、なんと述べ100館以上まで拡大。通常大作であっても2か月ほどで終息していくのが一般的だが、本作は5ヵ月以上続く超ロングランを記録。興業も6億円を超え、さらなる大台に乗った。
作品と同じく話題になっているのが、上映館の“聖地化”だ。
本来聖地とは「作品に登場するロケ地」を意味することが多い。
本作も劇中に多摩川河川敷や中央線が走る高架下などのロケ地も登場するが、しかし、それ以上に驚くべきは、「応援上映を行っている映画館に行きたい!」というファンが急増している点。
1月の劇場公開当初から本作と共に成長し続けている映画館新宿バルト9は、400席が連日満席状態。早朝と深夜の上映でも、ファンが何十回と通い常連客が未視聴の友人を誘ってくるなど、「ファンがファンを増やす」動きが活発だ。映画館内でもファン同士で仲良くなるなど、映画を観るという枠を超えた交流が増えている。
他にも川崎チネチッタ、ディノスシネマズ札幌、関西では梅田ブルク7や尼崎市の塚口サンサン劇場など、各地域に有名な「聖地劇場」が存在する。
長期の上映期間の過程の中で、その地域独特の応援スタイルや文化が生まれるなど地域色も出ており、訪れたファンはその地域の上映スタイルを楽しみ、また「地元で上映決定!」と聞けば遠征するという現象にまで波及している。
初めは「応援上映」というスタイルに圧倒される人もいるが、何度も観るうちに主人公たちに共感し、成長を応援せずにはいられなくなる。
監督をはじめとする制作スタッフがSNSを活用しファンの質問に答えたり、アニメ専門誌などで取り上げられることで、作品の背景を知ったファンがまた来場するという動きにも繋がり、その勢いはまだまだ収まりそうにない。
明日6月17日のBlu-ray発売後には、なんと4DX(R)劇場での上映も決定している。
9月には全国のファンが集結する上映イベントも東京国際フォーラムで行われる予定で、また大きな話題になりそうだ。
今後気になるのは、聖地となっている映画館が、「上映の千秋楽をいつに設定するのか」ということ。
今後更なる展開を見せそうな『キンプリ』からは、まだまだ目が離せない。
(Blu-ray&DVDが6月18日に発売)
・劇場版「 KING OF PRISM by PrettyRhythm 」Blu-ray&DVD発売中!
・新宿バルト9ほか全国上映中!4DXRRも全国順次公開!
(C)T-ARTS / syn Sophia / キングオブプリズム製作委員会
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