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■グルメ
2021.03.09

「あれから10年。」石巻市に一軒ある麹店

「あれから10年。」2021年を迎え、ときおりそんな言葉を耳にするようになった。
2011年の3月11日に起こった東日本大震災は、東北地方を中心に甚大な被害をもたらし、多くの人々が非日常的な活動を余儀なくされた。施設や店舗も例外ではない。休業や営業中止、さらには廃業に追い込まれた施設も少なくなかった。

 

震災の災禍を乗り越え、東北のまちは活気を取り戻しつつある。とはいえ、復興の道は平たんなわけではなく、それぞれに「ものがたり」があった。被害の大きかった地域の一つ宮城県石巻市で110年以上にわたり発酵食品「麹」を作り続けてきた麹製造所。「島津麹店」も、この10年間の道のりには紆余曲折があった。

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壊れた工場を再建、石巻市唯一の麹製造所
北上川がもたらす豊かな大地を有する宮城県石巻市で、110年にわたって麹を作り続けてきた島津麹店も、東日本大震災によって大きな被害を受けた店の一つだ。工場と店舗が損壊し、一時は存続の危機にも見舞われた。現在の店主である6代目佐藤光弘さんは、祖母の「島津麹店」を見習いから始め引継ぎ、その後店主なり店舗と工場を再建した。現在では、石巻圏域で唯一の麹製造所として「麹の製法」と「麹の食文化」を日々発信している。

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百年続く伝統製法で作る米糀(こめこうじ)
島津麹店が作る麹は、水・米・生糀をすべて宮城県産で製造している。米は希少な一等米、宮城県産のササニシキを使用し、砂糖・保存料を一切使わず素材の味を堪能することができる。通常の製法で作る甘酒の場合、機会による高温の熱殺菌処理が行われるが、島津麹店の米糀は伝統の「低温加熱」で処理されている。低温加熱で処理することで、麹菌・酵素の数を損なわず、米麹本来の栄養・味わいが楽しめる。

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現在、島津麹店では糀を活かした製品を続々開発・販売している。家庭で作れる「味噌キット」やずんだと麹を混ぜたスイーツ「ずんだ華糀シェイク」など、日々新しい麹の食文化を作っている。

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店主の6代目曰く、「糀の可能性を広げるべく、さまざまなアレンジを試してほしい」とのこと。「食材の宝庫」石巻市から世界へと飛び出していく島津麹店の動向に期待が高まる。

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島津麹店

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宮城県石巻市旭町3-24
TEL: 0225-22-1708
FAX: 0225-22-1708
営業時間
月〜金/9:00-18:30
土  /9:00-12:00
定休日:日・祝

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