LJ大賞受賞で注目!ロケで話題のまち・千葉県茂原市の飛躍の1年を振り返る
ドラマ『TOKYO MER 走る緊急救命室』『ハコヅメ』映画『モエカレはオレンジ色』『浅田家!』…。これら全ての映像作品でロケ地になっているのが千葉県茂原市だ。同市がロケ誘致を始めたのは2018年。それから着実にロケ実績を増やし「ロケで話題のまち」としての地位を確立させてきた。特にロケツーリズム実施から5年目となる今年度は、撮影支援のみならず映像実績を利用したPRにも尽力。例えば、映画『今はちょっと、ついてないだけ』では小道具作成やロケセットのペンキ塗りなどのロケ地整備に市民が参加。メイン舞台の提供など制作者の撮影サポートにも尽力した。その様子は先日発売された同作品DVDの特典映像内に収録されている。市役所も特別展示の実施したほかなりきりスペースを用意するなど作品の周知に尽力。それらの取り組みが認められ、先日発表された「第13回ロケーションジャパン大賞」では見事“部門賞 撮影サポート部門”に輝いた。
他にも役所広司、吉沢亮出演映画『ファミリア』ではロケ対応からイベントまで茂原市が全面協力。本作の場面写真を載せたロケ地マップは、公開前の11月から配布を開始し全国から多数の送付依頼が来るほどの人気ぶりだ。今年1月に茂原ショッピングプラザアスモで行われた展示イベント・トークセッションには、県内外からおよそ300人が参加。大盛況のうちに幕を閉じた。
このような取り組みができるのはほかならぬ市民の協力があってこそ。例えば、市内の飲食店、鮮魚店、建具店など様々な民間事業者が在籍する市民ロケ応援団「もばロケ☆ネギらい隊」は、撮影の立ち会いや差し入れなど各々が“おもてなし”を担当し、市と連携してロケを支えている。また、茂原市立図書館では過去に市内で撮影された作品のポスターのほか出演者コメント、ロケ地MAPなどを展示。市民を巻き込んでロケ誘致や展開を行っているのだ。
今年2月には、市民に向けたシンポジウムを実施。参加した市民60名と共に茂原市のこれまでの歩みを振り返った。会の後半には“ロケツーリズム6年目に向けて”という議題のもと「①住民への周知」「②郷土愛の醸成(シビックプライド)」という2つの観点から茂原の今後を考えるパネルディスカッションも行われた。当日セミナーに参加した「もばロケ☆ネギらい隊」の一員である茂原市在住の大学生・米倉聖さんは、「茂原市がロケを始めた時は、高校生だったが当時に比べて実績を重ねた現在は、市内外で“ロケで話題のまち・茂原”としての認知度が高まっていると実感する。いち市民としてうれしい」と語る。
官民一体のロケツーリズムに取り組む茂原市。来年度でロケ受け入れ6年目を迎える。「ロケで話題のまち」としてどのように進化を遂げていくのか。今後の茂原市の動向に注目したい。