伊豆の温泉旅館を救った“あの番組”
“あの番組”が町を救った!Google検索数上位ランクインの温泉旅館とは!?
西伊豆の山あいに佇む小さな宿泊施設「やまびこ荘」が今、大きな注目を浴びている。
もともと廃校を改装し、西伊豆町役場が運営している宿泊施設。
もともと温泉で有名な立地もあって、研修施設などとして地元の隠れ家的な人気がある場所だった。
それが今年、ある番組で取り上げられたことによって爆発的に話題となり、予約が数か月先までいっぱいになる事態に。
そして12月8日に発表された今年のGoogle検索県別ランキングで、なんと静岡県内において第4位の検索数を記録したのだ。
テレビ朝日系のバラエティ番組「ナニコレ珍百景」が放送されたのは今年5月。
「コロナ収束後に泊まってみたい宿泊施設」として、やまびこ荘の珍しい特徴について紹介された。
その魅力はなんといっても、歴史ある廃校を改装した趣ある建物。そして日本有数の温泉地と自然豊かなロケーションだ。
もともと学校だったので、もちろん屋外プールも完備。しかし、ただのプールではない。
なんと25メートルプールすべて自然温泉で、露天風呂で堂々と泳げる贅沢感を味わえるのだ。さ
らに宿泊料は大人1泊3500円からと紹介され、番組のスタジオも終始驚きに包まれていた。
放送後の問い合わせ件数は500件にものぼり、放送による広告効果は2千万円以上に。
コロナ禍で落ち込んでいた観光業だが、このニュースは地元の人々にとって嬉しい悲鳴となった。今も県内のファンを中心に、絶えることなく高い人気を誇っている。
番組をきっかけにやまびこ荘を訪れた宿泊客が西伊豆町を観光し、町の魅力を知り、大きな経済効果をもたらすことが今後期待されている。
実はそんなTVや映画などのメディア露出の効果に静岡県西伊豆町は以前から注目しており、「ロケツーリズム協議会※」に参加し、ロケの誘致と観光資源としての活かし方のノウハウを修得してきた。
近年、バラエティ番組だけでなく映画やドラマ、CMなどの撮影の受け入れを積極的に行い、ロケ隊との信頼関係を構築することにも長けている。
コロナ下にも関わらず、昨年からドラマ『黒革の手帖』や映画『たぶん』など多数のロケを受け入れて、映像制作者でも話題の町となっている。
人気アニメ「ゆるキャン△」ゆかりの地としても人気となり、町のいたる場所にアニメのシーン看板が立てられていて、ファンの聖地とも呼ばれている。
このように地道な努力が徐々に実を結び、西伊豆町のファンがだんだん増えてきているようだ。それを証明する結果が、ふるさと納税の増加にも表れてきているという。
静岡県西伊豆町の星野町長は町をとりまく状況について、「こういったメディアに取り上げていただくことで、町の名前が売れるだけでなく、ふるさと納税など波及効果が凄いと感じている」とコメント。
今後も、西伊豆町のロケツーリズムへの取り組みから目が離せない。まずはぜひコロナ収束後の旅行に、温泉プールと廃校ステイが楽しめる「やまびこ荘」をチェックしてみては?
※ロケツーリズム協議会とは、映画・ドラマのロケ地を訪ね風景と食を堪能し、人々のおもてなしに触れ、その地域のファンになってもらうという理念をもとに、ロケ支援の為の撮影サポートの体制づくりから行楽度向上の為の権利処理によるロケ地マップの作成などを行っています。