映像制作業界の救世主なるか⁉全国初! 「ヘアメイク師」の派遣に注目★
映像業界のニュースの中で、度々話題になるのがドラマ製作費の内訳話。民放局と配信ドラマの違いやドラマの制作本数が増加傾向にあることも、視聴形態とともに変化してきた。特に、コロナを経たロケ費の削減やさまざまな人件費の見直しが、映像業界の深刻な問題となっている。
なかでも今回注目したいのが、撮影現場での“へアメイク”にまつわる新業態だ。これまで、俳優に関わるメイクアップアーティストを目指す道は、テレビ局などに紐づくプロダクションに入ることがスタンダードとされてきた。かなり狭き門で、プロダクションに入るためにも専門学校を厳選しなければならず、人気とは反比例してチャンスが少ないという世界だ。一方、ヘアサロン業界にも課題がある。新しい担い手不足が深刻で、ヘアサロンからのニーズがあるものの希望者が減っているというミスマッチがあった。
その現状を打破すべく誕生したのが「国家資格を持ったヘアメイク師」の全国の派遣だ。ヘアサロンの担い手とメイクアップアーティストへの門戸の拡大を目指し、ドラマや映画の全国でのロケ撮影時に、登録ヘアサロンから美容師とヘアメイクアーティスト両方の資格を持った「ヘアメイク師」を派遣できるというシステムが完成。浸透していけば、音楽ライブや舞台演劇といった地方でのイベントにも幅を広げ、映像業界のみならずさまざまなエンタメ業界の経費削減の一助にもなるという。ヘアメイク師の育成や派遣に取り組むのは、株式会社プアラ(代表取締役ヘアメイク師:坂本りんな 所在:東京都港区)。「全国の美容資格を持つ美容師にも、新しいチャレンジが可能になるように動きたい」と代表の坂本氏も前向きだ。
現在提携しているのは全国12社125店舗の美容サロン。コロナを経て、人材不足や予算削減が叫ばれる中、夢のある業界ニュースとして注目していきたい。