ホーム > ニュース

ニュース

2021.03.10

半沢直樹のワンシーンで一杯いかが? いま人気のロケ地がコロナ禍の経済を救う

「半沢直樹」のロケ地は今も話題!

堺雅人演じる半沢直樹と、及川光博演じる盟友の渡真利忍。2人が顔を突き合わせ、銀行組織に立ち向かう次の一手を模索する―
ドラマ『半沢直樹』を観たファンなら、そんなシーンを思い出すことができるのではないだろうか。絵画で飾られた高級感あふれる空間や、2人の緊張感あふれる空気も…。
そのシーンが撮影されたのは、東京・新宿区のリーガロイヤルホテル内にあるセラーバー。放送からおよそ1年が経とうとしている今でも、半沢直樹や渡真利忍になりきって撮影シーンを再現して撮影する“なりきり写真”を撮影しようと訪れるファンが後を絶たないという。

 

(1)ロケ地ストのなりきり写真

セラーバーがロケ地ストに人気のリーガロイヤルホテル東京とは
https://locatourism.com/case/25304/

 

ここが「半沢直樹のロケ地」として人気となったのには、深い理由がある。実はこの場所で、これまで多くのドラマや映画が撮影されてきた。映画やドラマの制作者にとっても、ロケ地として大人気の場所なのだ。その人気ぶりは、”ロケの聖地”として今年ある賞を受賞したほど。

 

ところで、映画やドラマのお気に入りのシーンを観て、その撮影地に行きたいと思ったことはあるだろうか? かつては『北の国から』の富良野、『踊る大捜査線』のお台場など、映画やドラマのロケ地はいつも大きな話題となる。
それが、ウィズコロナ期の「新しい旅のかたち」のひとつとして注目が集まっている“ロケツーリズム”。映画やドラマ、旅番組などのロケ地を訪ね、作品の中に出てくる風景や食を楽しみ、その場所のファンになる…。そんな旅の形として、近年注目を集めている。
実はこのロケツーリズム、観光庁が旅行産業の新しいアイデアとして表彰するほど、ウィズコロナ時代の日本の希望の光となっているのだ。

 

地域や企業が、集客や雇用を増やすために映画やドラマの撮影を活用する動きも高まっている。ロケ地となることで“作品の聖地”となり、もともとの観光資源がなくとも作品ファンによる観光地化が見込めるとあって、これまで観光地として注目されていなかった多くの自治体も取り組み始めている。
そんな地域や企業に対し、ロケ誘致や、観光に活用するためのアドバイスなどを行う「ロケツーリズム協議会」では、毎年多くの自治体や企業のサポートを行っている。
ロケ誘致に取り組む地域や企業の中から選ばれるロケツーリズムアワードでは、今年、ドラマ『半沢直樹』のロケ地となったリーガロイヤルホテル東京と、千葉県茂原市が大賞に選ばれた。

 

(2)アワード授賞式の様子_リーガ

 

企業大賞を受賞したリーガロイヤルホテル東京は、ドラマ『半沢直樹』の他にも、昨年放送されたドラマ『恋はつづくよどこまでも』『恋する母たち』など話題作のロケ地として多くの映像作品を賑わせた。

 

撮影場所を貸し出すことによる収益は、1年間で1200万円にものぼった。
コロナウイルスの感染が広がって多くのドラマや映画の撮影が難しくなった2020年。映画の公開どころか、撮影すらままならない未曾有の事態に、俳優やスタッフたちも不安だったことだろう。そんな中でもリーガロイヤルホテル東京ではロケの受け入れを続け、製作スタッフと連携しながら感染症対策に力を入れたことで製作者から大きな信頼を得た。さらに、ロケ地となったことをホームページなどでアピールできるよう、放送前に製作スタッフと様々な交渉を行い、ロケツーリズムの成功につなげた。

 

協議会にはのべ523団体(自治体・企業)が参加し、一過性で終わらせず、ロケ地となった実績をブランディング戦略に活用するロケツーリズムへの取組みはますます本格化するとともに、協議会に参加する企業・地域も今後も増えていく見込みだ。
ガイドブックに載っていない場所で大好きな作品のキャラクターになりきって撮影したり、映画やドラマの世界観やグルメを実際の“ロケ地”で楽しんだり。そんな機会が、より身近になっていきそうだ。

 

【ロケツーリズムアワード】
地域や企業のファンづくりのため、ロケ地として作品の撮影を受け入れ、それをきっかけに再発見された地域や企業の魅力を、効果的に活用・発信した地域・企業に贈られる。2019年度まで観光庁の「テーマ別観光による地方誘客事業」に採択されたロケツーリズム協議会が主催。第4回目となる受賞発表と表彰式が今年2月18日(木)に、リーガロイヤルホテル東京にて開催され、各組織の代表者が登壇した。「観光客の増加率、経済効果」「取組みを遂行する組織の継続度」「観光誘客・集客を向上する取り組み」「ツアーやパネル展などの実施の有無とその内容」などのポイントによって協議会参事にあたる有識者・運営事務局により審査し、協議会会員からのエントリーより選出され表彰される。

この記事をシェアする

©Location Japan. All rights reserve