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権利処理
2025.07.09

権利処理でロケ地を利活用 VOL.2 ロケ地を巡礼する際にシーン写真を風景にはめて撮影したものをSNSにアップしてもOK?

ロケーションジャパンの人気連載、「権利処理」の駆け込み部屋をWEBで一挙公開!

エンタメにまつわる権利のプロがまちや企業で行われたロケ実績の”利活用”に関するお役立ち情報をご紹介します。

「撮影風景を写真で撮ってもいいの?」「お店の宣伝に使ってもいいの?」など、ロケの受け入れを行う自治体担当者やお店などから届く「権利処理」の疑問に対して、田中康之さんと中山茂さんが回答してくださいます!

 

Q. ロケ地を巡礼する際にシーン写真を風景にはめて撮影しました。これをSNSにアップしても大丈夫でしょうか。

A. 

田中 ロケ地で風景にシーン写真をハメ込んで撮影すると聖地を訪問したリアリティーを楽しめますよね。これを個人的に楽しむのは「私的使用」で著作権法では禁止されていませんが、SNSに投稿して公開するとなると話は別のようです。

 

中山 SNSで公開してしまうと、権利侵害となる可能性があります。特に、開覧数を稼ぐ目的でコンテンツを利用しているとみられると、権利者から著作権侵害の指摘を受ける可能性も高まります。著作権法では、たまたま写ってしまった著作物の「写り込み」は、一定の条件下で権利者の許諾を得ずに利用できます(著作権法第30条の2)。ただし、ロケ地において、シーン写真を意図的に「写した」行為については、「写り込み」とは言い難いと思います。

 

ただ、ロケ地に訪れてシーン写真と一緒に撮影をしたいというファンもいらっしゃいますので、適切な範囲でロケ地の写真が拡散され、その魅力が再認識されるのであれば、映画の権利者にとってもマイナスではないように思います。そのために受け入れ側が、事前に権利者の許諾を得て、撮影可能なドラマのシーン写真をロケ地に掲示しておくなど、「この方法であればOK」というものが設置してあると、無秩序な利用を防ぎ、聖地を訪れたファンにとっては喜ばしいように思います。

 

田中 個人的に楽しむ範囲を超えてSNSへ投稿するとなると、著作権法上の制限があります。受け入れ側は、ロケ地であることを拡散するためにSNSへの公開許諾を受けたシーン写真を現地に設置しておくなど、訪問した方々が利活用できるようにするといいですね。

 

 

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