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2021.08.21

「竜とそばかすの姫」愛される聖地

細田守監督が新作に選んだ“世界の隅っこのような場所” 

「竜とそばかすの姫」の舞台は実在していた!?

 

細田守監督映画の新作「竜とそばかすの姫」の勢いが止まらない。7月16日の公開後、凄まじい勢いで人気を獲得し、31日間で興収47.4億円、観客動員数341万人を突破、この夏の話題の作品の一つとなっている。 これまで『おおかみこどもの雨と雪』『バケモノの子』など大ヒット作品を生み出してきたアニメーション制作会社「スタジオ地図」の創立10周年を記念する作品とあって、公開前から世界中の注目を浴びていた。第74回カンヌ国際映画祭オフィシャルセレクション「カンヌ・プルミエール」部門へも選出され、ますますその人気は高まるばかりだ。

躍動感溢れる映像美と普遍的な家族愛、さらに現実世界と相対するインターネットの仮想世界など、細田監督作品のオリジナリティを彩る特徴は数多い。そのうちの大きな要素が「実在の場所が作品の舞台になっている」ということだ。現実の場所や地域が作品の中で美しいアニメーションとなって生まれ変わることで、観客にとって親近感がありながらも、虚構なのか現実なのかわからなくなるような感覚を生み出し、物語の奥行を増すことに大きな効果を担っている。作品公開前から”次の作品のロケ地”が大きな話題となるほど、ファンの間では大きな関心事だ。

そして今回『竜とそばかすの姫』で、田舎町に暮らす女子高生の主人公すずが住む自然豊かな舞台に選ばれたのは、高知県。すずが歌姫として注目を浴びるインターネット上の仮想世界と対比して、仁淀川や鏡川など、昔ながらの自然豊かな風景が描かれている。

細田監督は舞台の選定にあたって“<U>がインターネットの中心のような世界で、それに対して日本にある世界の隅っこのような場所”を探し、様々な場所を訪れた結果、自身がファンでもある「竜馬がゆく」の舞台でもある高知県を選んだという。

例えば予告編に登場したすずの通学路である印象的な川は高知市の鏡川。すずが同級生と過ごす、青春を象徴するようなシーンの舞台だ。鏡川は透明度が高く、水面に映し出される光景はまさに鏡のよう。このシーンが予告編に登場すると、作品に期待するファンがその場所を特定し、公開前から”聖地巡礼”する人々が続出したそうだ。

さらに、幻想的な回想シーンの舞台は仁淀川町の安居渓谷。美しい青と緑の水面が美しく、その色は“仁淀ブルー”と呼ばれる。他にも多数の場所が作品の舞台となっている。

すでに様々な作品の舞台になった場所を訪れ、映画の場面と同じ構図で写真を撮ったり、登場人物になりきって作品の世界を楽しむファンの姿も。

そんな人気に応え、”聖地”となった各地では、ファンが楽しめる様々な取り組みを始めている。仁淀川町では、実際の舞台とともに作品の世界観が楽しめるパネル展や地元の店と協働したキャンペーンを展開し、話題になっている。 映画とともに盛り上がりを見せる聖地のひとつ、越知町役場の大原さんは「わが町にある舞台のモデルになった“浅尾沈下橋”は、夏休みに入って平日でも200人ほど来ている。7月の4連休は、最大500人来る日もあり、作品の力に驚いている。こういった形でわが町の魅力が、全国の方に分かっていただけてありがたい」とコメント。今後も地域のサポートに支えられながら、世界的にますます注目を浴びていきそうな『竜とそばかすの姫』、映画ファンならずとも見逃せない作品だ。

 

 

 

■公開情報  

映画『竜とそばかすの姫』

出演:中村佳穂、成田凌、染谷将太、玉城ティナ、幾田りら/役所広司/佐藤健

原作・脚本・監督:細田守

企画・制作:スタジオ地図

配給 :東宝

©2021スタジオ地図

 

■主なモデルの地

・浅尾沈下橋(高知県高岡郡越知町)

・安居渓谷(高知県吾川郡仁淀川町)

・ふれあいの里柳野(高知県吾川郡いの町)

・能津小学校(高知県高岡郡日高村)

・西の谷第二バス停(高知県吾川郡いの町)

・波川公園(高知県吾川郡いの町)

・JR伊野駅(高知県吾川郡いの町)

・鏡川(高知県高知市)

・帯屋町商店街(高知県高知市)

・JR高知駅(高知県高知市)

・JR朝倉駅(高知県高知市)

・宇佐漁港(高知県土佐市)

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