ホーム > ニュース

ニュース

ロケーションジャパン
2019.09.13

「権利処理」の駆け込み部屋 VOL.10

権利処理アイキャッチ

ロケーションジャパンの人気連載、「権利処理」の駆け込み部屋をWEBで一挙公開!「撮影風景を写真で撮ってもいいの?」「お店の宣伝に使ってもいいの?」など、ロケの受け入れを行う自治体担当者やお店などから届く「権利処理」の疑問に対して、田中康之さんと國松崇さんが回答してくださいます!

 

Q
撮影の際、制作側から撮影使用料の値引き交渉をされました。
値引きをする代わりに作品の素材使用などの交渉は可能でしょうか?
(フィルムコミッション担当)

 

 

A

OK!(「契約自由の原則」により交渉自体は可能)

國松:この件については、「契約自由の原則」があるので 、自治体といえども、権限の範囲内であれば値引き交渉に応じてはいけないということはありませんし、一方でその代わりに何か条件を求めるということも許されるでしょう。

 

國松:「自由交渉が原則」ということですね。その上で私としては使用料の値引きと引き換えに写真を使いたい、という交渉はロケ地の貸し出し側はあまり行うべきではないと思います。

 

國松:「任意交渉」といえば、色々と協議してお互いの利害の一致点を探す作業になりますが、そもそもこの交渉自体に少々無理があるということですか。

 

國松:はい。一概には言えませんが、番組の総責任者であるプロデューサーが交渉に直接対応してくれるなら問題はありませんが、例えば大きな映画やドラマになるとロケハンで現場交渉する人と、最終的にOKを出す人が違う場合があります。現場で交渉をする人はできるだけ番組に負担をかけないようにしたいので、そういった交渉に抵抗感を持つことが多いです。また、撮影は段取りが命なので、早くロケ先を決めたいという心理も働きます。そのため、番組サイドから積極的に提案されたような場合では話は違いますが、こちらから要求すると、結局ロケ自体がなくなる可能性も出てきてしまうように思います。

 

國松:確かに、ロケ地としてそこでなくてはいけない場合と、雰囲気と立地でとりあえず当たってみる場合では全く違います。前者であれば、そもそも値引きの必要がないかもしれないし、ある程度の要求も通りそうに思えます。一方、後者であれば、色々と要求すると残念ながら他を探します、となりそうです。交渉する際は、その見極めが大事です。ところで、要望する内容についても、やはり通りにくいものと通りやすいものがありますか。

 

國松:出演者が写る場合と写らない場合で差があるように思います。出演者は、事務所の意向もあるためプロデューサーとしてはその方面の段取りをすることに一手間かける必要もあり、番組や映画のPRになるのであれば出演契約の許諾範囲として頼みやすいですが、そうでない場合はハードルが高めです。一方、プロデューサーのコメント提供など、スタッフだけで完結できることならばハードルは下がるように思います。

 

國松:出演者にはパブリシティ権もありますからね。

 

國松:そういえば、明確な使用料が定められている公共施設でも、自治体によっては役所内で決裁を取って無料で対応することもあるようです。この点についてはどう考えますか?

 

國松:決裁権を持つ人が、権限の範囲で決めているのであれば、直ちに問題になるわけではないでしょう。しかし、例えばその代わりに個人的にサインをもらっているとか、必要以上に値引きしているなどの事情があれば、当然不当な「便宜供与」だと言われる可能性があるでしょうね。やはり公共施設の運営は税金で賄われているので気を付けたいところです。

 

実際に成功しているのはこの地域!千葉県いすみ市出演者のサインや台本などを展示いすみ市では、ロケ受け入れ時に監督や出演者のサインやポスター、台本の寄贈をお願いしている。作品によってはロケ地としての関わり方も異なるが、受け入れ基本条件として交渉している。

 

 

■回答者プロフィール
権利処理_20190912_01 (1)

 

 

■この連載が掲載されているバックナンバーの購入はこちら

この記事をシェアする

©Location Japan. All rights reserve