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ロケーションジャパン
2019.09.13

「権利処理」の駆け込み部屋 VOL.6

権利処理アイキャッチ

ロケーションジャパンの人気連載、「権利処理」の駆け込み部屋をWEBで一挙公開!「撮影風景を写真で撮ってもいいの?」「お店の宣伝に使ってもいいの?」など、ロケの受け入れを行う自治体担当者やお店などから届く「権利処理」の疑問に対して、田中康之さんと國松崇さんが回答してくださいます!

 

Q
お店に情報番組の取材が来た際、
出演者と一緒に記念写真を撮りました。
この写真をお店のウェブサイトに
アップロードしても良いですか?

 

 

 

A

OK!(ただし事前に確認しておくことを勧めます)

 

田中:情報番組の取材を受けた後に「レポーターである芸能人と一緒の記念写真を、お店のスタッフに撮ってもらった」という前提にしましょうか。この場合、「著作権」と「パブリシティー権」が重要です。まず、取材を受けたことは事実なので、テレビ局から取材について口外NGと言われていない限り、その事実を掲載できますよね。

 

國松:はい。プライベートではなく取材で来ているので、特に注意がなければウェブサイトでの周知に法的問題は生じません。しかし写真を掲載する行為は別です。写真(著作物)を掲載する行為は、著作権法23条1項の「公衆送信」に当たるので写真の著作権者の許諾が必要です。

 

田中:確かに、「著作権」は撮影した人にあるということも重要なポイントです。今回の場合、撮影者であるスタッフは、お店の指示で撮影しているので、この写真は職務著作にあたり、著作権はスタッフではなくお店に帰属するといえませんか?

 

國松:そうですね。取材対応をしたお店のスタッフに頼んだものならば、お店(経営母体の会社や経営者)に帰属すると考えてよいのではないでしょうか。

 

田中:では、そこに同席した撮影スタッフや他のお客さんにお願いした場合はどうですか?

 

國松:自分のカメラを渡して記念写真を誰かに撮ってもらうことは日常でもよくありますよね。そのようなケースで撮影者が撮った写真の著作権を強く意識することはまれだと思います。ですから、この場合は特に断りがない限り、撮影依頼者に対して著作権を譲渡する推定的同意がある、と説明できそうです。

 

田中:著作権は大丈夫そうですね。では被写体の芸能人の「パブリシティー権」はどうでしょうか。

 

國松:芸能人の肖像や名前には、法律上明記されていない「パブリシティー権」という顧客吸引力(経済的な宣伝効果)に由来する権利があり、その権利は法的保護に値するものだと最高裁判例でも認められました。よって、断りなくあからさまにその肖像や名前を商業利用することは、パブリシティー権の侵害として民事上の損害賠償請求の対象になる恐れがあります。芸能人との記念写真をお店のウェブサイトに掲載する行為は、「あの〇〇が来た」ということがお店の宣伝になると期待して行われることも多いと思いますが、商業利用を放置すると、その芸能人が持つ顧客吸引力の「価値」を下げることにもつながります。所属事務所によっては、かなり戦略的にメディア露出をコントロールしているところもあり、記念写真を「〇〇さんも来店して絶賛した話題のお店です、みんなも来てね!」といった過度な宣伝文句とともにお店のウェブサイトに掲載すると、これは宣伝利用だとしてクレームになる可能性があります。

 

田中:以上のことをまとめると、トラブルにならないようにするには、記念撮影の際に「お店のウェブサイトに掲載するので記念写真を撮りたい」と確認しておいた方がよさそうですね。また、放送番組のロゴ等を強調して掲示するなど、レポーターが取材に来店したことをお店の評判に繋げるような過度な宣伝は避け、事実を伝える程度にしておきましょう。

 

 

■回答者プロフィール

権利処理_20190912_01 (1)

 

 

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