佐藤 健 実写版映画『バクマン。』
随所に光る大根 仁監督の攻めの姿勢とは
漫画家の世界をリアルに描くため、私物を持ち込んでのセット作り
累計1500万部超の人気コミックを実写化した映画『バクマン。』で、
漫画家を夢見る高校生役を演じた佐藤健さん。
そんな佐藤さんに本作の気になる撮影エピソードと、今月号の“関西特集”にちなみ、
関西で多く撮られた『るろうに剣心』のロケ秘話について語ってもらった。
佐藤健が逆刃刀をGペンに持ち替えた、ダイナミックな漫画バトル
神木隆之介さんとのW主演で注目を集める最新映画『バクマン。』では、
高校生漫画家で作画担当の真城(あだ名:サイコー)を佐藤さんが、
相棒でストーリー担当の高木(あだ名:シュージン)を神木さんが演じている。
企画が発表された当初、「二人の配役が逆ではないか?」という意見も飛び出したが、佐藤さんはこれを否定する。
「たぶん、そう思ってくださった方々は、原作のビジュアルで判断したんじゃないですかね。
でも、個人的には僕が秋人を演じるのは無理だったと思います。
神木くんの芝居を見たときに、そう思いました。もし自分だったら、
無理している感じが出てしまったんじゃないかなって。
どちらが正解とかはないと思いますが、原作の担当編集者さんはぴったりだと言ってくださったし、
(監督の)大根仁さんにもそういう思いがあったからこそ選んでくださったと思うので、
これでよかったんだと思っています」
監督を務めた大根仁さんは、ドラマ/映画の『モテキ』やドラマ『まほろ駅前番外地』を手掛けたヒットメーカー。
漫画に対する造詣が深く、そのこだわりは本作にも如実に表れている。
とくに最高と秋人がライバル視する新妻エイジ(染谷将太)との漫画バトルでは、
彼らがペンを剣に持ち替えて闘う、アクション映画さながらのダイナミックな演出に驚かされる。
「たぶん大根さんが監督を務めていなかったら、ああはなっていなかったと思います。
原作ファンの方もあれを見たら、驚くんじゃないでしょうか。
あと、最高たちが漫画を描くシーンの描写も独特だと思います。
プロジェクションマッピングを使って、映像を実際に机に映し、
それに合わせて僕たちが動くという撮影スタイルでした。タイミングを合わせるのは難しかったですが、
そういうところからも、〝新しいものに挑戦したい〟〝攻めていくんだ〟という
熱意が伝わってきて楽しかったです。
参照すべき動画サイトのURLが書かれている台本も初めてでしたし、
この新たな挑戦に自分も参加できているというのが幸せに感じられる現場でした」
役者の気持ちをアゲるこだわり満載のセット
本作は、漫画が原作、そのうえ漫画家の世界が題材となっている。
手元がアップになるシーンも多く、そこにリアリティを持たせるため、
漫画を描く際のGペンの使い方は練習を重ねたという。
「お手本を見せていただくため、原作者の小畑健先生の仕事場に伺いましたし、
現場でも漫画家の方にマンツーマンで教えていただきました。
でも、Gペンって単純に線を引くだけでもすごく難しいんです。
ボールペンと違って、一方向にしか線が引けないし、線がかすれたり、太さが均一にならなかったり…。
伝わりづらいとは思いますが、漫画を描いたことがある人なら、〝おお!〟と思ってもらえるんじゃないかな?
大根さんはそういう細かな部分にもこだわっていましたね」
撮影はスタジオセットがメインだったが、ここにも大根監督のこだわりが。
監督自ら私物を持ち込み、最高たちの仕事場を作り上げた。
「あの部屋にはたくさん漫画が置いてありますけど、一つとして同じものがないんです。
撮影のためだけなら表紙だけ変えればいいものを、全部違う漫画、それも本物が置かれているから、
最初にセットに入ったときは驚きました。
僕も漫画が好きなのでテンションが上がったし、漫画好きの人にとっては、最高の空間でしたね(笑)」
続きは本誌でご覧ください。
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佐藤 健 実写版映画『バクマン。』
随所に光る大根 仁監督の攻めの姿勢とは
映画『バクマン。』
監督・脚本:大根仁
原作:大場つぐみ 小畑健(「バクマン。」
ジャンプ・コミックス/集英社刊)
キャスト:佐藤健、神木隆之介、染谷将太、
小松菜奈、桐谷健太、新井浩文、皆川猿時、
宮藤官九郎、山田孝之、リリー・フランキー ほか
©2015映画「バクマン。」製作委員会
10月3日(土)全国東宝系ロードショー
http://bakuman-movie.com/
▼STORY
平凡な高校生活を送る真城最高は、学年の秀才・高木秋人に、その高い画力を買われ、一緒に漫画家になることを持ちかけられる。最高は誘いを拒むも、想いを寄せるクラスメイトの亜豆美保と、「お互いの夢が叶ったら結婚する」と約束してしまったことから、秋人とコンビを結成。漫画家だった叔父と同じ、「週刊少年ジャンプ」での連載を目指す。だが、10年に1人の逸材と言われる天才高校生・新妻エイジや、新進気鋭のライバルたちが次々と2人の前に立ちはだかる。
1989年生まれ、埼玉県出身。高校生の時に芸能界入りし、06年に俳優デビュー。07年には『仮面ライダー電王』の主役に抜擢され、一躍注目を集める。その後も、ドラマ『Q10(キュート)』(10)、『ビター・ブラッド~最悪で最強の、親子刑事。~』(14)、『天皇の料理番』(15)、映画『るろうに剣心』3部作(12、14)、『リアル~完全なる首長竜の日~』(13)、『カノジョは嘘を愛しすぎてる』(13)など主演作多数。16年には映画『世界から猫が消えたなら』の公開が控える。