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インタビュー&コラム

■クリエイターインタビュー

映画『忍びの国』

「忍者の術というのは、結局は逃げること。
 全然攻めないんです」……中村義洋監督
「画面から、監督の『忍者好き』が
 伝わってきました(笑)」……八木亜希子さん
  

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原作者が描く忍者像に共感
明るく破天荒な時代劇に

 

破天荒な時代劇が誕生しました!
和田竜さんの小説を原作とする『忍びの国』です。メガホンをとったのは中村義洋監督。子どもの頃から忍者が好きと語る監督が描きたかった忍びの世界とは?時代劇2作目に挑んだ監督のマニアックな世界を、八木さんが掘り起こします!

 

八木亜希子さん(以下:八木):映画『忍びの国』拝見しました。監督の「忍者大好き!」という思いが画面からあふれていましたね。

 

中村義洋監督(以下:中村):そうですか(笑)。何しろ子どものときから好きでしたから。

 

八木:忍者って、男子は必ず通る世界ですよね。実は私も通っていたんです。漫画「伊賀野カバ丸」とか。

 

中村:あ〜、そっちですか。

 

八木:そっちって!?(笑)。監督が子どもの頃に見ていたのは何だったんですか?

 

中村:テレビアニメでは『サスケ』とか『忍風カムイ外伝』。でも、いちばん影響を受けたのは、学研まんが「ひみつシリーズ」の『忍術・手品のひみつ』です。何度も読みました。

 

八木:忍術と手品が一緒に扱われているんですね。

 

中村:そうなんですよ! 現代の小学生が忍者の里にタイムスリップして、忍術を教えてもらい、友だちになった忍者の男の子が今度は現代にタイムスリップして、マジックショーを見て参考にするという話。だから、僕の中には、子どもの頃から「忍術と手品は同列」という感覚があったんです。空を飛んだと言われる忍者・加藤段蔵も、ピアノ線のようなものと棒の仕掛けを使っていたそうですから。

 

八木:要は、目をくらます、ということ?

 

中村:そうそう。本作の撮影の半年前くらいにシナハンで伊賀の忍者屋敷に行ったのですが、くノ一(クノイチ)の格好をした女性ガイドが説明するのはすべて逃げ方。攻撃方法ではない。バカにするわけではなく、忍術は手品であり、めくらましだと。

 

(続きは本誌を御覧ください)

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映画『忍びの国』

【Story】
戦国時代、天下統一を目前にした織田信長でさえ攻め入らなかった国があった。小国、伊賀である。そこに棲むのは人を人とも思わぬ人でなしの忍者衆。その一人である無門は、どんな堅牢な門も彼の前では意味をなさないと言われる凄腕ながら、無類の怠け者で女房のお国の尻に敷かれる日々を送っていた。その伊賀についに織田軍が攻め入る。兵力では到底かなわない伊賀の忍びの軍団、そして無門は、いかに戦うのか。壮絶な戦いの火蓋が切って落とされる。

 

【作品詳細】
『忍びの国』
監督:中村義洋/原作・脚本:和田竜(『忍びの国』新潮文庫)/ナレーション:山﨑努
キャスト:大野智、石原さとみ、鈴木亮平、知念侑李、マキタスポーツ、平祐奈、満島真之介、でんでん、きたろう/立川談春、國村隼、伊勢谷友介ほか
(C)2017 映画「忍びの国」製作委員会

【PROFILE】

中村義洋監督
1970年、茨城県生まれ。崔洋一監督、伊丹十三監督らの助監督を経て、99年、自主制作映画『ローカルニュース』で劇場映画デビュー。『アヒルと鴨のコインロッカー』(07)で注目を浴び、その後『チーム・バチスタの栄光』(08)、『ジェネラル・ルージュの凱旋』(09)、『ゴールデンスランバー』(10)、『映画 怪物くん』(11)、『奇跡のリンゴ』(13)、『予告犯』(15)、『殿、利息でござる!』(16)などを手がける。

 

八木亜希子さん
神奈川県出身。フジテレビアナウンサーとして活躍したのちフリーランスに。キャスター、女優。フォニックス所属。かながわ観光親善大使も務める。ニッポン放送『八木亜希子 LOVE&MELODY』ほか、女優としても、映画『みんなのいえ』(01)、連続テレビ小説『あまちゃん』(13)、ドラマ『昼のセント酒』(16)、大河ドラマ『真田丸』(16)、ドラマ『カルテット』(17)、映画『サクラダリセット』(17)ほか出演。

 

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