LJ特派員★伊庭野はるかのバルセロナ日記
「若き日のガウディが設計した世界遺産の家!カサ・ビセンスの日だまりでウトウト」
こんにちは。セマナ・サンタ(聖週間)が終わり、暖かく気持ちの良い気候になってきました。これから夏が始まり、バルセロナらしい季節がやってきます!
さて、バルセロナと言えばなんといっても世界遺産に登録されているアントニ・ガウディの建築群。先日、そのガウディの処女作である家「カサ・ビセンス」(CasaVicens)を観に行ってきました。なんとここ、昨年の秋から内部が公開されたホットな観光スポットなんです!
場所は観光の中心から少し離れた住宅街。
外観は、カラフルで少しポップな印象。これが家だなんて驚きです!
カサ・ビセンスとは、ビセンス邸という意味。レンガやタイル工場を経営する社長であったマヌエル・ビセンスさんのお家として、1885年に建てられました。
その後別の人の手に渡り、改修や増築を経て、アンドラ公国の銀行が観光目的のために買い取り、2014年から改修工事が行われていました。
その買取価格は、なんと2700ユーロ(およそ34億円)とも言われています。
そしてついに昨年、改修工事が完了してその内部が公開され、誰でもカサ・ビセンスを見学できるようになったんです!
カサ・ビセンスの象徴はこの黄色の花のタイル。家の外観のいたるところに使われていて、とてもかわいらしいイメージです。
階段を上ると玄関の扉につながっています。光がたくさん入ってとても明るいです。
ガウディが設計をした頃、アルハンブラ宮殿を模倣したり、キリスト教建築とイスラム建築が混合した建築様式がスペインで流行していたそう。
カサビセンスもその影響を受けているそうで、少しエキゾチックな印象を受ける部分が所々にちりばめられています。
私が一番気に入ったのは、このサンルーム!
いくつもの細い隙間から柔らかいこもれ日が差し込み、とても気持ちの良い空間です。ベンチも座る部分が丸く作られているのでとても居心地が良く、いつまででもいられそうです。
外から見るとこんな感じになっています。
時間帯によって光の差し込み方が違うので、一日を通していろいろな雰囲気を醸し出すのではないかなと想像が膨らみ、つい長居してしまいました。
家の中には、こんな”憩いの場”がたくさんあります。
こちらは小さなサンルーム。
ここはスモーキングルーム。
天井が高く、美しい藍色に包まれた空間です。
大広間はエキゾチックな装飾がふんだんに使われています。植物のモチーフは壁や天井にも!
特に、天井の立体的な装飾は圧巻です。
そして、屋上はこちら。
屋上にも、ちょっと座れる”憩いの場”があります。洗濯物を干して、ここで一休み…なんて素敵ですね!
昼寝をしたり、考え事をしたり、お茶を飲んだり…そんなちょっとした時間を気持ちよく過ごす小さな場所がたくさんあるのが素敵だなと思います。
ガウディ初期の作品は、円熟期の他の作品とはまた違った趣があり、別の人が作ったと言っても納得してしまうくらい印象が違って見えました。いろいろな植物をモチーフに細かい装飾がされていて、とても美しく居心地の良い家でした。
ここは観光地の中心から少し離れていることもあり、あまり混んでいないので、憩いのスペースを堪能できると思います!
バルセロナ観光にいらっしゃる際にはぜひ旅程に加えてみてくださいね!