LJ特派員★伊庭野はるかのバルセロナ日記
映画「かもめ食堂」ロケ地・ヘルシンキで美しい風景と高級食材を味わう旅!
バルセロナの秋も深まってきました。とはいえ、日中はコートがなくても大丈夫。恵まれた気候に助けられています。
さて、10月の下旬、フィンランドのヘルシンキに行ってきました。さすが北欧、10月でもコートとマフラー、帽子に手袋が必要なほどの寒さ!気温計を見ると、氷点下です。このころバルセロナは、半袖Tシャツで歩ける気候。その差に驚きです。
ヘルシンキは、映画「かもめ食堂」のロケ地として有名。ヘルシンキを舞台に、食堂の店主サチエ(小林聡美)とみどり(片桐はいり)、マサコ(もたいまさこ)の日常を描いた作品です。映画の大きな魅力は、なんといってもヘルシンキの澄んだ空気を感じさせる美しい風景や建物。今回はそのロケ地を訪れてみました。
こちらはヘルシンキの目抜き通り、エクスプラナーディ通り。マリメッコやイッタラなど、フィンランドを代表するブランドの店が並ぶショッピングストリートです。
背の高い木々がとても美しく、歩道は公園のように広くなっていて、ぼんやりしながらゆっくり歩くのにぴったり。「かもめ食堂」では小林聡美さん演じるサチエが「ガッチャマンの歌」を口ずさみながら歩いていた場所です。確かに、かわいい北欧雑貨のショーウインドウを眺めながら歩く楽しさも相まって、つい歌いたくなるロケーションです。
エクスプラナーディ通りを抜けて海辺へ行くと、小さな赤レンガの建物「オールド・マーケット・ホール」が。中は市場になっていて、屋台のような店が軒を連ね、地元の人々のおなかを満たすいろいろな食材が売られています。店構えも上品でおしゃれ。
そして、片桐はいり演じるミドリが買っていたトナカイの肉も発見!トナカイ肉はとてもジューシーで、美味しかったです。これはバルセロナでもなかなか食べられない貴重なものですが、ヘルシンキでは色々な場所で売っていました。
ここでロケ地から少し逸れますが、ヘルシンキで食べた美味しいものを紹介!
まずはこちら!
軽く焼いたトーストに濃厚なトリュフバターを塗り、ノルウェー海で採れたというイクラをたっぷりのせた、その名も「イクラトースト」。口の中ではじけるイクラの粒の食感と、ねっとりしたコクが最高です!
そしてこちらは、産みたての卵をボイルしたものにキャビアをのせた「キャビア卵」。小さなスプーンで軽く混ぜていただきます。これがまた美味!絶妙な塩味と、後をひく濃厚さが病みつきになります。ヘルシンキグルメは煮込み料理やサーモンのスープなど色々ありますが、寒い場所ならではの食材の味をそのまま楽しむのも醍醐味かもしれません。
これらは、「フィンランディア・キャビア」というレストランでいただくことができます。ロケ地めぐりの休憩の際はぜひ!
さて、こちらは映画「かもめ食堂」の中でサチエとミドリが出会う場面のロケ地となった本屋「アカデミア書店」。
文学や旅行書、写真集など、様々な本が迎えてくれます。フィンランドの大スター、ムーミンのグッズや絵本も豊富で、見ているだけで楽しい!
この建物は現代建築としても有名で、特徴的な天井の窓から季節や時間に合わせて色々な角度の光が優しく入ってきます。
その2階には、2人が入ったカフェ、「カフェ・アアルト」が。フィンランドを代表する建築家・アアルトがデザインしたおしゃれなインテリアに囲まれてくつろぐことができます。
トラムに10分ほど揺られて南の海辺へ向かうと、大きな公園があります。サチエ、ミドリ、そしてもたいまさこ演じるマサコが休日を過ごした「カイヴォプイスト公園」です。
冷たい空気の中で光る水面がとても美しく、見とれてしまいます。気温は氷点下なのですが、日差しが明るく空気が澄んでいて、とても過ごしやすいです。
今回訪れた最後のロケ地は、海を眺めながらゆったり過ごせる「カフェ・ウルスラ」。
残念ながらテラスは工事中だったのですが、店内からも外が眺められゆったりできます。散歩しに来た地元の人や観光客が、コーヒーやシナモンロールを楽しみながら思い思いの時間を過ごしていました。
日照時間が短いためか、建物にガラスが多く使われていたり素敵な窓があったりと、光を大切にしている建物が多いように感じました。海を眺めながらぼんやりしていると、心がゆったりとほぐれていくように感じました。「かもめ食堂」の3人のゆったりした生活を少しだけ覗くことができた旅、日本からは10時間ほどのフライトで楽しむことができます。
ロケ地めぐりの際は、防寒対策をしっかりしてくださいね!