LJ特派員★伊庭野はるかのバルセロナ日記
【バルセロナでオンリーワンの家具を調達する方法…〇〇を探せ!】
バルセロナでの生活を始めて、もう1年が経とうとしています。
私が住んでいる場所はバルセロナの観光地エリアを少し外れた、商業施設と住宅が混在しているエリアです。
バルセロナの中心部はほとんどがマンションで、一軒家はほとんどありません。1階に飲食店や雑貨店のテナントがあり、2階以上がアパートになっている建物が立ち並んでいます。自宅の近くはオフィスが多いこともあり、スーパーマーケットやレストラン、カフェもたくさんあってとても便利でにぎやかです。(その分、独立問題の時期は自宅の目の前の道でデモが起こることもありましたが…)
さて、もともと自宅は家具付きではなかったので、家具を一から揃えなければなりませんでした。
バルセロナはおしゃれな家具屋さんや雑貨屋さんがたくさんあり、リーズナブルなものからデザイナーもののリッチなものまで、選択肢がとても多いように思います。
その中でも多くの人が利用しているのがIKEA。
バルセロナの中心部から車で15分くらいのところに大きなIKEAがあるので、とっても便利。日本にあるIKEAと同じように、土曜は家族連れで大賑わいです。うちも、何度もお世話になりました。
そして、こちらでは中古品の流通も盛んです。日本のようにインターネットでやりとりできるサイトもありますが、バルセロナでは毎週いたるところでフリーマーケットが行われており、雑貨や服から家具まで、色々なものを実物を見て物色することができるんです。
ここは、普段レストランとして使われている建物が週末に開催しているフリーマーケットです。娘は人形を物色中。
そして中古品を探すときに外せないのが、バルセロナで観光スポットとなっているこの建物。
もともと14世紀に始まったと言われている歴史の古いマーケットです。2013年に、巨額の費用をかけて近代的な建物に生まれ変わり、観光名所となっています。
ここは「エンカンツ蚤の市」というのですが、なんとこの近未来的な建物すべてが蚤の市になっているんです。
中の様子はこんな感じです。
がらくた…?というような物もたくさん売っていますし(ほとんどそう見えます)、正直値段に見合わないような物も売られていますが、宝探しをする楽しさも充分。
でも、こちらではもっとポピュラーかつ簡単な家具の入手方法があるんです。それは、「ゴミ置き場から拾ってくる」。
市内のいたるところに大きなゴミのコンテナが設置されており、いつでも家庭ゴミを捨てることができるんです。その間隔は、5分歩くごとに目にすることができるほどです。ゴミを捨てやすい環境が街の美しい景観を保っている秘訣なのかなと思いますが、回収する業者の方は大変だろうなと思います。
その「捨てやすさ」のお陰…と言っていいのかわかりませんが、ゴミ置き場の前を通ると、家具が無造作に置かれていることがあるんです!イスや戸棚など、ちょっと直せば使えそうなものも多く見かけます。そして、それらの「捨てられた家具」はとても人気で、ゴミ置き場の前に置かれた数分後には誰かが持って行ってしまうんです。
しばしば見かけるのは、大きなカートにそれらを積んでどこかに運んでいく怪しげな人。明らかに回収業者ではない…。彼らのように、おそらく売ってしまう目的で“回収”していく人が多いようですが、気に入って自宅に持って帰る人も多いようです。
実際、欲しくなってしまうような素敵な家具が置かれていることがとても多いんです。
スペイン人の友人によると、「ここでは家具は買わないで拾ってくるのが当たり前だよ!みんな夜に出して早朝には拾われてしまうから、家具がほしいなら朝早くに探さないと!」とのことで、思わず笑ってしまいました。
日本では家具を捨てたい時はきちんと粗大ゴミの申請をして、お金を払って捨てなければならないし、外に置いておけば必要な人が持って行ってくれるだろう…とは思わないですよね!
気軽に捨てることができてしまうのは良いことではないですが、おもしろい文化だと思います。
先週末も、こんなマネキンが捨てられていました。
これも誰かが回収していったのでしょうか…。