LJ特派員★伊庭野はるかのバルセロナ日記
【スペイン大航海時代に想いを馳せる…バルセロナ海洋博物館で過ごす夏の午後】
バルセロナは今、夏真っ盛り。太陽がとても眩しく、ビーチは肌を焼く人でいっぱいです。
観光客も、今はとても多い時期。学校は夏休みに入ったので、街はたくさんの観光客で賑わっています。
さて、今回はバルセロナ随一の観光スポット、ランブラス通りの最南端からすぐのところにある海洋博物館をご紹介します!海を臨む街であるバルセロナならではの、船に関する様々な展示が楽しめるスポットです。
ここは旧王立造船所の建物がそのまま博物館として使われており、18世紀までは造船所として実際に使われていたそうです。外観も倉庫のようなシンプルなレンガ造りになっています。
13世紀に建てられた建物だということで、建築が好きな方もよく訪れるそうです。
内部は大航海時代の黄金期に関係する物が多数展示されていて、当時の生活がわかるジオラマやミニチュアの船がたくさんあり、見ごたえがあります!
とても天井が高く、広い空間がそのままに利用されています。
天井のアーチがとても美しいですね。200年以上前には、この場所で船を造る人々が働いていたと思うと、なんとも言えない不思議な気持ちになります。
この博物館の最大の目玉は、ガレー船と呼ばれる19世紀まで使われていた船のレプリカ。全長60メートルもあり、かなりの迫力です。
なんとこの船は手漕ぎ船になっていて、1571年にスペイン連合軍がオスマン帝国と戦った「レパントの海戦」でも活躍したそうです。
中には、たくさんの人々が手で漕ぐためのオールがセットされていました。手漕ぎの船で敵と戦うなんて、想像もつきません…。
スペインといえば有名なのは15世紀から17世紀まで続いた「大航海時代」ですが、その後の時代には船だけでなく、潜水艦の開発もされていたそうです。
バルセロナは、その潜水艦開発が多く行われていたそうで、その記録もここで見ることができます。
1864年に作られた潜水艇の模型がこちら。
一見、飛行船のようにも見えるのですが、なんと木製の潜水艦です。この潜水艦は、内部の二酸化炭素を除去する機能が開発されたことがとても画期的だったそうで、開発者のムントリオールは資金調達のために海軍に売ることをもくろんでいたそうなのですが、当時はあまりに画期的すぎたのか、あまり理解されなかったようです。
確かに、木製の潜水艦で海に潜るなんて、しかもそれを武器として使うなんて、想像を超えていますね。
こちらは、博物館の庭に展示されている木製の潜水艇のレプリカ。1859年に開発されたものです。
水産業だけでなく、戦争と密接に関わっていた造船業は、バルセロナの発展の歴史の中でとても重要なのだということがとても良くわかりました。
この博物館は、広々としたオープンカフェもあります。潜水艦のレプリカを眺めながらお茶を楽しむのもおすすめですので、夏休みにいらっしゃる方はぜひ覗いてみてくださいね。