LJ特派員★伊庭野はるかのバルセロナ日記 Vol.49
【地域に愛されるバルセロナの“もう1つ”のサッカーチーム・
RCDエスパニョール
ホームスタジアムでサッカー観戦!】
バルセロナはまだまだ夏のような暑さと日差しが続いていますが、夜になると涼しい風が吹き抜け、秋の訪れを少しずつ感じるようになりました。
さて今回は、バルセロナらしいサッカーの話題です。
バルセロナといえば、メッシ擁する世界的な人気のサッカーチーム・FCバルセロナが有名。でも、バルセロナをホームとするチームがもう1つあることは、
サッカーファンでない方はあまり知らないかもしれません。
その名は「RCDエスパニョール」。
1900年に地元の選手を中心に設立された、およそ120年の歴史を持つチームなんです。スペインのサッカーリーグである「リーガ・エスパニョーラ」の
1部に所属し、過去には元日本代表の中村俊輔選手も所属していました。
そのホームスタジアムはバルセロナの空港近くのアクセスの良い場所にある「エスタディ・コルネリャ・エル・プラット」。
2009年に完成した、40,500人を収容する大きなスタジアムなんです。
スタジアムの周辺は住宅街。公園が隣接しており、昼寝している人、遊んでいる子供たちで賑わっており、地元の憩いの場になっています。
試合前とあって、ユニフォームを着た人々が続々とスタジアムへ向かっています。
とても多いのが、家族連れのファンたち。親子3代と思われる人々や、親戚同士のような団体もたくさんいました。皆、年間チケットを買い、親から子へ、子
から孫へと席を受け継いでいるそう。地元のチームを地域みんなで応援しているのが伝わってきました。
それに応えるように、スタジアムの入り口近辺には、子供たちが遊べる場所がたくさん設営されていました。ここはチケットがなくても、誰でも楽しめる場所
になっています。
このスタジアム、入り口のある道がショッピングモールに隣接しており、その距離は徒歩30秒。
写真の左側がスタジアム、右側がショッピングモールです。
食事や買い物のついでにサッカー観戦も可能な造りになっていてとても便利。家族で楽しみやすい構造になっているんです!
地域の生活とサッカーが密接につながっていることがわかります。
こちらがスタジアムの入り口。
中に入ると、余計なもののない機能的な空間が広がっています。
こちらは、2009年まで活躍したチームの元エース、ダニ・ハルケ選手の像も出迎えます。
ハルケ選手は、エースとして将来を期待されていた2009年に心不全で26歳の生涯を閉じました。
現在、神戸で活躍している元・FCバルセロナのイニエスタ選手も、ハルケ選手を称えるパフォーマンスをしたことで話題になりました。ここには、その時の
写真も飾られています。
彼のプレーを、存命中にこのスタジアムで観てみたかったです。
この像から建物の内側に目をやると、40,500人を収容する客席が見渡せます。
試合が始まったのは昼の2時。皆タオルを振り回し、時に立ち上がりながら熱心に声援を送っています。その熱気はとても凄まじいものでした!
もちろん試合の内容も超一流です。
バルセロナ滞在前は、「バルセロナといえばFCバルセロナ!メッシが一番!」と思っていたサッカー事情に暗い私。
地元の根強いファンに加え世界中からファンが集まって9万人規模の巨大スタジアムを埋めるFCバルセロナの試合も素晴らしいですが、地元の人々が支える
世界的なチームとしての誇りを感じるこちらのスタジアムも、見ごたえ充分!
同じリーグに所属しているので、RCDエスパニョール対FCバルセロナという「バルセロナ対決」も毎年観ることができ、その試合の日にはバルセロナ中が
沸くそうです。
家族で代々ファンを受け継ぐという文化は日本にもありますが、あらためてその温かさに触れた一日でした。
※これまでの記事はこちら!