南波昌人プロデューサー×情報番組『火曜サプライズ』
ゲスト中心! 『火曜サプライズ』が愛される理由
豪華なゲストとグルメと街と。おいしい情報が詰まっているのに流れるのは、どこかゆるりとした時間。
その雰囲気のまま、視聴者の懐にもするりと入ってくる『火曜サプライズ』。
その証拠(!?)に、
「実はみんな見てくれているのに、『火曜サプライズ』という番組を見ている認識がないかもしれません」。
そう話す南波昌人プロデューサーに番組作りの裏側を聞いた。
■出演者にもスタッフにも負荷をかけない番組作り
南波さんはこう言う。「いつの間にか10年たったという感じ」。そう感じるのは、なぜなのか。「一生懸命アイデアを出して、知恵を出して、工夫して番組を作っていますが、無理をしている感覚が全然なくて。出演者やスタッフに負荷をかけてよくしていくというのも一つの番組作りの方法ですが、この番組はいい意味でそれがないんですよね。生放送ですから、毎週1回集まるということもあって、レギュラー陣にはファミリー感がありますし、出演者とスタッフの垣根が低かったり、座長であるウエンツ(瑛士)くんのスタッフごと引っ張っていってくれる安心感だったり…。そういったものも、10年をあっという間に感じさせる一つでしょうか」
■安心できて楽しくてゲストの素顔も見られる
番組の中心はロケ。ゲストをレギュラー陣が迎えるが、ロケは決まった曜日に行うわけではない。加えて、ゲストが行きたい場所、食べたいものがメインとなる。つまり、「ゲストにとことん合わせられる、完全オーダーメイド」。だから、「ゲストの方が来やすい番組になっていると思います。出演しに来ていただくと言うより、遊びに来ていただくというイメージ」。そのとおり、バラエティ番組ではあまり見かけないゲストの登場も。「あまり編集もナレーションも入れずに、ロケの空気感をなるべくそのまま流しています。それだけゲストが魅力的だということもありますし、ウエンツくんや山瀬さん、みなさん会話を回していくのがうまい。ふと見られる素の口調とか素の表情とか、そういうものをカットせずに観せていて。〝来週までにどうなる!?〞とか〝10秒以内にできるか!?〞とか、番組の中で何かを追いつめる企画性はありませんが、見ていて安心してもらえる、楽しんでもらえる、という信頼関係で視聴者とつながれたらな…と常に考えています」
■極端、突飛なことはせず視聴者の期待は裏切らない
ゲストが〝遊びに来る感覚〞で来て、そしてまた来たいと思って帰っていただく。完全オーダーメイドのロケは、ゲストの2度目、3度目の登場を促す。「たとえば女優の宮﨑あおいさんは、番宣でこの番組に出るために作品を頑張る…なんて冗談を言ってくださいます」。恵まれた状況だが、それは「とにかくゲストに喜んでもらおう」という出演者・スタッフの気持ちと番組作りが築いたものだ。では、今後の番組作りは…?「10年目に入るにあたって、実は、若手の演出とプロデューサーに世代交代したんです。この先20年目を目指せるように、番組を進化させなければいけないと思っているので。その若手には、せっかく素晴らしいレギュラーが10人いるんだから、もっと有機的に、ゲストだけではなくレギュラーの組み合わせで新しい観せ方や新しい企画が生まれてくればいいな、という宿題を投げています。でも、毎週観てくださっている方たちの期待は絶対裏切らない。急に極端な、突飛なことはしないという初心は忘れず。そして、旬なゲスト、旬な場所をお届けしていければと思います。まだまだ番組に出たことがない方もたくさんいらっしゃいますし。まだ出られたことのない方、ぜひ遊びに来てください!」
×情報番組『火曜サプライズ』
2009年4月に始まった平日夜7時の帯番組『SUPER SURPRISE』の火曜企画としてスタート。2010年4月からは単独番組に。「旅とグルメで元気になるおいしい1時間」をテーマに、スタッフによる事前交渉一切なしの「アポなしグルメ旅」や絶品グルメをウエンツ瑛士さんと石塚英彦さんが食べ尽くす「食いしんBOYSのおいしい2人旅」などのコーナーとスタジオからのトークを放送。スタジオ部分は生放送となっている。
日本テレビ系:毎週火曜
夜7時~7時56分
東京都出身。1993年に日本テレビ入社。1990年代はディレクターとして『THE夜もヒッパレ』や『それ行け!キンキ大放送』などを担当。2000年代に入り、編成部や営業企画部を経験し、現在、同番組や『今夜くらべてみました』を担当。