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■俳優インタビュー

西島秀俊 & 内野聖陽ドラマ『きのう何食べた? season 2』

変化も受け入れ穏やかに。 そんな二人の姿を見てほしい

西島秀俊さん、内野聖陽さんのダブル主演で人気のドラマ『きのう何食べた?』。

今週、待望のシーズン2が始まります!

アラフィフとなった主人公たちを、実年齢の近い二人はどう演じたのか。

お話をうかがいました。

 

シロさんとケンジ 一瞬にしてもどった関係性

 

弁護士の筧史朗とその恋人で美容師の矢吹賢二。「シロさん」「ケンジ」と良い会うカップルの何気ない日常を、食を通して丁寧に、そして優しい眼差しで描いた連載コミック『きのう何食べた?』。2019年春のクールで放送されて人気を呼んだその実写ドラマが、「シーズン2」として私たちの前に戻ってくる。「シーズン1」終了後も、翌年正月のスペシャルドラマ、そして21年秋の劇場版で物語は紡がれてきたが、連続ドラマでの続きを待ち望んでいた人は少なくないだろう。

実は主人公を演じる2人も同じ。「決まったときは、来たか!って感じでした」。こう語るのは、ケンジを演じる内野聖陽さんだ。男っぽい役どころの多かった内野さんにとってケンジ役は表現者としての自分を自由にしてくれた役なのだとか。一方、シロさん役の西島秀俊さんも「続編はずっとやりたかったんです。一般の人にも同業者にも『次を楽しみにしてます』と言われることが多くて。ただ、キャストのスケジュール調整含め難しいのかなとも思っていました。クランクインできたのはたくさんの人の尽力のおかげですね」と笑顔だ。

しかし、シロさんとケンジの関係性は繊細なもの。ブランクを経てもすぐ戻れるものなのだろうか。人気者の2人はこの間、映画、ドラマ、舞台など多くの作品で多彩な役を演じてきた。NHK連続テレビ小説『おかえりモネ』では主人公の上司と父親という、全く異なる関係での共演も果たしている。

「それが、一瞬でもとに戻ります」。両者ともに即答だった。内野さんに至っては「西島さんと目を合わせた途端にケンジになれる」とか。さらに「なじみの顔ぶれのスタッフの力も大きい」と二人は口をそろえる。

 

アラフィフの問題は共感することばかり

 

さて、今週放送の「シーズン2」で描かれるのは、そんな変わらぬ主役二人に訪れる小さな変化。原作同様、回を重ねるとともに登場人物も年を重ね、シロさんもケンジも50歳の壁はもう目前だ。自分たちの体も、家族との関係も、そして職場における立場も年相応に変化していく。そんなあれこれに直面するアラフィフの二人はそれらをどう乗り越え、小さな幸せを積み重ねていくのか。

「役の年齢は、僕たちの実年齢より少し下なんです。だから子kン回、二人に起こることは、僕にとっては『あ~わかる』と共感することばかり。胸に迫るものがありました」と西島さん。

一方、内野さんは「シワやシミが増えても、見栄を張ることも背伸びすることもなく、自然にしていていいと思えるのは、気が楽かも(笑)」と少し別の角度からコメント。「このスケジュール、ちょっとつらいなと思ってふと見ると西島さんもつらそうで、ほっとしたりして」と笑う。「こんなふうにちゃんと年を重ねていく作品って、あまりないかも」と西島さんが言う通り、不変のヒーローやヒロインが活躍を続ける多くの物語と異なり、主人公が自然に年齢を重ねていく設定は、本作の魅力のひとつと言っていいだろう。

 

真剣に、自然に演じて普遍的なものを伝える

 

一方で、「シーズン1」からずっと変わらないのは、主役を務める二人の姿勢だ。「作品のテーマとしてLGBTQを扱っていても、見る人には普遍的なものを感じ取ってもらいたいなと思っています。そのために、僕たちは深く物事を捉え、見る人の心にスッと入っていけるようサラリと表現しないといけない。僕の中にはそれが志としてずっとありますね」と内野さん。西島さんも「キャストともスタッフとも常に確認し合っているのは、真剣にやる、ということ」だと語る。「真剣にやった結果、コメディーになるのは構わないけど……って、めっちゃコメディーになってたらどうしよう! 今不安になった」という西島さんの突然の焦燥に「だよね! やりすぎて志とは別の方向に行ってるかも(笑)」と応じる内野さん。こんなやりとりをはさみながらも、二人が紡ぐ言葉からは役に向き合う真摯な姿が確かに伝わってくる。

 

本作を本作たらしめる要素の一つ、料理や食事……

 

より詳細な内容は本誌でお楽しみください。

ロケーションジャパン119号 (発売日2023年09月15日)

 

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