教えて、先輩!
濱口竜介監督
読者の代弁者として映像業界の名だたる先輩方にインタビュー! 作品についての質問をきっかけに、映像業界、そしてこの世界を生き抜いていくためのヒントを探っていきます。第1回目のゲストは、最新作の公開や映画『ドライブ・マイ・カー』で数々の賞を受賞するなど、今最も話題の濱口竜介監督です。
カメラの前に立つ
俳優たちへの敬意
辻「濱口監督の『偶然と想像』を拝見しました。役者さんたちのお芝居が本当に自然で、1対1での会話シーンは、まるで卓球のラリーを観ているようでドキドキしました。濱口監督が2012年に撮られた『親密さ』も拝見しましたが、当時と今を比べて〝変ったこと〞と〝変わらないこと〞はありますか?」
濱口「監督を10年もやっていれば、変ったことの方が多いと思います。その中でお話させていただくと、以前は『なぜ俳優は、そんなにカメラの前に立ちたいのか?』と思っていたのですが、『親密さ』で出会った俳優志望の方たちに話を聞くと、それぞれに切実な思いがあるんですよね。それを知ったときに、彼らの思いを尊重しなければと思いましたし、カメラ前に立つ人たちに敬意を抱くようになりました。その思いは今も変わらないですし、俳優がリラックスして演技できる場を作ることを、1つの技術として考え、それを磨くようになりました」
—-続きはロケーションジャパン2022年2月号で—–
今回お話を伺うのはこの方
映画監督・脚本家
濱口竜介監督
1978 年生まれ、神奈川県出身。
『寝ても覚めても』で評価され、『ドライブ・マイ・カー』ではカンヌ国際映画祭脚本賞など4冠に。
脚本を手がけた『スパイの妻』がベネチア国際映画祭の銀獅子賞、『偶然と想像』はベルリン国際映画祭で銀熊賞を受賞した。
【PROFILE】
濱口竜介監督
女優・辻凪子
1995年生まれ、大阪府出身。
NHK連続テレビ小説『わろてんか』、『おちょやん』など朝ドラに数多く出演するほか、自身が監督と主演を務めた映画『ゆれてますけど。』など映像の世界で活躍を見せる新進女優。