映画『君の膵臓をたべたい』
「ロケ地からは与えてもらうばかり。
映画のヒットで還元できたらうれしいです」
月川翔監督
「滋賀や福岡、福井にロケ地巡礼で
たくさんの人が訪れているそうですよ」
八木亜希子さん
2017年の締めくくりに登場いただくのは、大ヒット作『君の膵臓をたべたい』の月川翔監督です!
映画館で号泣する人が続出した本作。滋賀、福岡、福井などロケ地へもファンが大勢訪れています。
このヒットを監督はどう受け止めているのか。そもそも月川監督ってどんな人!?
謎を解くべく八木さんが斬り込みます!
きれいに泣けた芝居より
うまくいかないリアル感
八木亜希子さん(以下:八木):『君の膵臓をたべたい』、大ヒットでしたね。私も映画館で2回観ましたが、観客の人たちの号泣ぶりがものすごかったです! 上映後、席を立てずにいる女の子たちもいましたよ。
月川翔監督(以下:月川):そうでしたか!
八木:ご自身も観に行かれました?
月川:行きました、行きました。同じポイントで何度も泣いてます。涙もろいんですよ、僕。
八木:監督がそんなふうに思いを込めて観てくれて、役者さんはうれしいですよね。
月川:もっと冷静に見ないといけないと思うんですけど、現場でも泣きましたから。「今モニターがぼやけて見えなかったので、もう一回見ます」って。
八木:アハハ! ”僕”の泣くシーンはもちろんですが、それ以外でもうまく撮れたなというシーンってありました?
月川:僕がぐっときたのが、一時退院した桜良が”僕”に会いに玄関から出て行くシーンです。
八木:可愛かったですね!
月川:見送る親の気持ちになると、あのシーンは……あ~ダメだ。話してるとまた泣いちゃう。
八木:あら~(笑)。
月川:母親役の役者さんに演出しているときも途中で詰まっちゃって。「この人、いったい何!?」と思われていたと思います(笑)。
八木:確かにそんな監督いないかも(笑)。自分の作品でこんなに泣いたことってないのでは?
月川:いや、『君と100回目の恋』でも泣きました。
八木:でも、人の心を打つほど泣けるお芝居って難しいですよね。目薬を使ってもいいという監督さんもいれば、役者さんが泣く気持ちになるまで待つ監督もいらっしゃいます。
月川:僕は、涙は結果的に出なければそれでいいと思っています。最初のテイクにかけて、そこで泣けなかったらそういうものなんだろうと割り切って、無理にあがきません。流れに乗って一生懸命やって、結果うまくいかなかったらそれはそれ。うまくいくまでやるぞって気負ってもうまくいかない気がするので。
(続きは本誌を御覧ください)
映画『君の膵臓をたべたい』
【Story】
高校時代のクラスメイト山内桜良のひと言から母校の教師となった”僕”は、教え子との会話の中で彼女と過ごした数カ月の記憶をたどっていた――。膵臓の病を患う桜良が書いていた「共病文庫」(=闘病日記)をきっかけに、一緒の時間を過ごすようになった”僕”と桜良。しかしそんな日々は唐突に終わりを告げる。桜良の死から12年。結婚を目前に控えた彼女の親友・恭子も、桜良と過ごした日々を思い出していた。桜良が12年の時を越えて2人に伝えたかった想いとは……。
【作品詳細】
『君の膵臓をたべたい』
監督:月川翔
キャスト:浜辺美波、北村匠海、大友花恋、矢本悠馬、桜田通、森下大地、上地雄輔、北川景子、小栗旬 ほか
Blu-ray&DVD 2018年1月17日(水)発売
発売元:博報堂DYミュージック&ピクチャーズ
販売元:東宝
(C)2017「君の膵臓をたべたい」製作委員会 (C) 住野よる/双葉社
月川翔監督
1982年、東京生まれ。成城大学法学部卒業後、東京芸術大学大学院映像研究科に進み、黒沢清、北野武両教授の指導を受ける。「LOUIS VUITTON Journeys Awards 2009」審査員グランプリなど数々の賞を受賞。CMやミュージックビデオ、ドラマ『ダメな私に恋してください』(TBS/16)など幅広く活躍。劇場公開映画に『黒崎くんの言いなりになんてならない』(16)『君と100回目の恋』(17)などがある。
八木亜希子さん
神奈川県出身。フジテレビアナウンサーとして活躍したのちフリーランスに。キャスター、女優。フォニックス所属。かながわ観光親善大使も務める。ニッポン放送『八木亜希子 LOVE&MELODY』ほか、女優としても、映画『みんなのいえ』(01)、連続テレビ小説『あまちゃん』(13)、ドラマ『昼のセント酒』(16)、大河ドラマ『真田丸』(16)、ドラマ『カルテット』(17)、映画『サクラダリセット』(17)、ドラマ『トットちゃん!』(17)ほか出演。