息の長さも注目!「心が叫びたがっているんだ。」聖地巡礼、再び
ロケ地巡りの中でも「聖地巡礼」が盛んなアニメ作品、しかし今回注目したいのは、その「聖地」としての息の長さだ。
映画『心が叫びたがっているんだ。』(以下『ここさけ』)は2015年9月に劇場公開された作品だが、その関連イベントが2016年8月7日(日)に、物語の舞台となった埼玉県秩父市内特設会場で開催される。
劇場公開後のソフト販売あわせでイベントが行われることは少なくないが、当イベントの開催は発売のずいぶん後。しかも、詳細は現時点では未定だが、ソフト購入者のみの限定イベント等ではない様子。この展開の背景には、アニメ聖地の「息の長さ」が関係しているのではないか。
同作は大人気作品『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』(以下『あの花』)のメインスタッフが再集結した作品であることに加え、この作品自体も数々の賞を受賞しアニメファンに限らず多くのファンを獲得していることも要因の一つではある。しかし同時に『あの花』同様『ここさけ』でも作品舞台である「秩父」の情景は、単なる“背景”としてではなく、キャラの心情に丁寧に寄り添って描かれていることも大きな要因だろう。『あの花』『ここさけ』の名前を聞いた時、脳裏に秩父の風景を思い浮かべる方も多いのでは?(公式サイトでも秩父の風景画像の掲載は多い)実写と違い、アニメ作品では当然“背景”もすべて0から人の手で描かれる。ある意味でキャラたちと同等の情熱をもって生まれきた、と考えることもできるのではないだろうか。(アニメの背景美術展が多く開催されていることからも、アニメにおける背景の重要性は物語られている)
単なる舞台を見にいく以上の意味が、アニメの聖地巡礼にはあるのかもしれない。それが時間を超えて、今なお「聖地」としてファンを引き付ける魅力の一つなのかもしれない。
さて『ここさけ』は心に沁みいるような作風の作品だったが、少々違う雰囲気で「ご当地」と寄り添う作品もある。開業100周年記念を迎える「流鉄流山線」が同市をモデルとして展開する『ろこどる』と連動したイベント第2弾を開催する。「ローカルアイドル=ろこどる」になった主人公・奈々子が流川市(モデルは流山市)を盛り上げる今作。さて、流山市の「聖地」の行く末は?
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