女子なら胸キュン間違いなし♪ 映画『魔女の宅急便』の世界へ、おじゃましま~す!
老若男女、誰もが知っている物語「魔女の宅急便」の実写映画が3月1日(土)に公開決定! 「魔女の宅急便』といえば、ジブリアニメ版を思い浮かべる人が多いハズ。そんななかで作られた“新しい『魔女の宅急便』”は、スクリーンから爽やかな風が吹いてきそうな海や緑の丘の風景にカラフルでキュートな建物が立ち並ぶ、「こんなまちに行ってみたい!」と心躍らずにはいられないファンタジー映画なのだ。
そんな世界を生み出したのは、映画『さくらん』(07年)、『洋菓子店コアンドル』(10年)、『映画 ひみつのアッコちゃん』(12年)などを手掛けた美術監督・岩城南海子さん。記者も始終ワクワクしっぱなしだった(笑)、『魔女の宅急便』の制作秘話をご紹介します!
レトロなファンタジータウンは、
小豆島の小さなカフェから生まれた!
実写版『魔女の宅急便』の舞台は、“東洋のとある町”こと「コリコの町」。一人前の魔女になる修業のため旅立った、13歳の少女キキ(小芝風花)がたどり着いた海辺の町だ。この町にある「グーチョキパン屋」を拠点に、キキは「魔女の宅急便」を営むことになる。
「この作品はファンタジーですから、現代でも、すごく昔でもない、あるようでないような世界なんです。これに合うロケ地を国内で探すのは大変でした」
メインロケ地の条件は、キキが実家から旅立ち、生まれて初めて海を見て、そこに浮かぶ島へ風車を目印に飛び降りてくる、という清水崇監督のイメージに合うところだった。2013年1月に、多くの候補地の中から香川県小豆島へ視察に行ったという。
「風車があるこぢんまりとしたカフェ『ダッチ・カフェ』。ここがまた、瀬戸内海がスコーン!と抜ける、良いロケーションで! 監督が気に入って、『岩城さん、ここにパン屋を作るとしたらどんなものができますか。とにかくデザインしてみてください』とおっしゃったんです。まだ、設定も何も決まっていないのに(笑)」
監督のむちゃ振り(笑)もなんのその。「カラフルでかわいらしい世界観」という監督とプロデューサーのオーダーのもと、風車小屋の白壁や、「コリコの町」のメインストリートになった西大寺中の五福通り(岡山県岡山市)の瓦屋根を取り入れ、ステンドグラスや鮮やかな色彩をあしらった、どこかレトロで和洋折衷な「グーチョキパン屋」が出来上がった。
「フクオ(山本浩司)さん、おソノ(尾野真千子)さんオーナー夫婦がこの一軒家を見つけて、二人で壁や棚とかを塗ったんだろうな、小物とかはおソノさんが趣味で集めてるんだろうな、と想像しながら、手作り感を意識してデザインしました。ここは海に囲まれた小さな島にありますから、いつも海を眺められるんです。ですから、海に関する小物もところどころに。飾りパンが舟の舵の形をしていたり、窓際にシーグラスが置かれていたり…。海を初めて見たキキも、うれしくなって海で拾ってきたものをきっと仕事机に飾っていると思います」
まるで登場人物を友達のことのように岩城さんは話す。細部までしっかり登場人物たちの“生活感”を感じられるほど、世界に命が吹き込まれているのだ。
「このままお店ができそうだね!」とおソノ役の尾野真千子さん。リアルな造りに、物語に入りやすく、演技もしやすい、と喜んでいたとか。
岩城さんオススメのロケ地は
コリコの町のメインストリート
岩城さんにお気に入りのロケ地はと尋ねると、前述の西大寺中の五福通り(岡山県岡山市)という答え。実はここは、映画『ALWAYS三丁目の夕日』やSPドラマ『とんび』(NHK)で、古き良き日本の風景を演出した名ロケ地でもある。典型的な看板建築(大正・昭和時代に一般的だった商店の建築様式)が立ち並ぶ通りを、あえてファンタジー作品で採用した理由とは?
「こちらでは、日本の大正・昭和時代を演出した例しかありませんでしたから、他のスタッフは絶対『え!?』と思ったはず(笑)。私は初めて行った時に、『おもしろい、遊べるぞ!』とワクワクしたんです。瓦屋根などの“ザ・和風”な要素を生かしつつ、違う世界観を足して、ファンタジーの世界を作っていくのは新しい、と」
規模の大きい町までをも作り上げたのは、岩城さん自身も初の体験だとか。五福通りの一軒一軒を見て、それぞれを映画の世界の店へとイメージを膨らませる。平面にデザイン画を描き、それを美術スタッフと協力して立体化させていく。
「それぞれのお店にテーマカラーがあるんです。青と黄色を基調にしたクリーニング屋では、車体をブルー、かごをイエローにした自転車をあしらったり、衣装もそれに合わせたり…」
また、特有の“生活感”は町全体にも生かされている。「観ている人は分からないかもしれないんですけど…」と前置きした上で語ってくれた。
「コリコの町のテーマは、海と風。キキは風を読んで空を飛び、とんぼ(広田亮平)もプロペラ自転車で風に乗って飛ぶことを目指しています。海辺の町で暮らす人々も、風を感じて生活しているはずです。メインストリートであるここにも、ゆらゆら揺れる三角フラッグのようなものや、くるくる回る風車などをあしらって、常に風を感じられるような演出をしているんですよ。西大寺に住んでいる方がロケセットを見て、『このまま残しておいてほしい!』と言ってくださったのが、とてもうれしかったです」
『魔女宅』の世界を体験できる!
小豆島で「グーチョキパン屋」がオープン!?
いかがでしたでしょうか? すっかり「コリコの町」の住人気分になったのでは(笑)。残念ながらロケセットは撮影後になくなってしまったが、なんと!3月に 「グーチョキパン屋」の移築が決定しているのだとか。場所は小豆島で、実際にロケセットがあった場所の下部にある「小豆島オリーブ公園」の敷地内。海を望み、ハーブの香りに包まれたメルヘン度満点の場所で、まさに映画の設定そのもの!
映画を観て世界観にどっぷり浸ったら、今度はロケ地へ! 岩城さんや清水監督が惚れ込んだ「コリコの町」の面影を感じれば、キキたちに会えそうな、そんな気持ちになれるハズ。
キキの実家は由緒正しき魔女の家で、くしゃみの薬を作るためのハーブに囲まれている。グーチョキパン屋と魔女の家が融合したような雰囲気になる?
『魔女の宅急便』
~あらすじ~
一人前の魔女になる修業のため、黒猫のジジと共に親元を旅立った13歳の少女キキ(小芝風花)。海辺の町コリコでオソノ(尾野真千子)が営むパン屋に居候しながら、お届けもの屋「魔女の宅急便」を始めるが、個性的な町の住民とのやりとりに戸惑うことも多くて…。
監督:清水崇
脚本:奥寺佐渡子・清水崇
原作:角野栄子(角川文庫刊・福音館書店刊)
音楽:岩代太郎
出演:小芝風花 尾野真千子 広田亮平 / 浅野忠信 / 筒井道隆 / 宮沢りえ ほか
3月1日(土)より全国ロードショー
(c)2014「魔女の宅急便」フィルムパートナーズ
http://www.majotaku.jp/