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2018.06.23

長瀬智也主演『空飛ぶタイヤ』大ヒットの陰にある徹底したロケ地へのこだわり

ドラマ『半沢直樹』や『下町ロケット』、そして『陸王』等、社会派ドラマで数々のヒットを打ち立てた池井戸潤のベストセラー小説『空飛ぶタイヤ』が初の映画化、現在大ヒット公開中だ。主演はTOKIOの長瀬智也さん。

■池井戸潤作品初の映画化、長瀬智也さんが熱演

ある日突然起きたトレーラーの脱輪事故。整備不良の責任を問われた赤松運送社長の赤松徳郎(長瀬智也)は、一度は自社の社員の仕事ぶりを疑うも、車両の欠陥に気付く。すぐにホープ自動車カスタマー戦略課課長・沢田悠太(ディーン・フジオカ)に再調査を要求するが沢田は取り合わない。一方、ホープ銀行本店の井崎一亮(高橋一生)は、系列会社であるホープ自動車の経営計画に疑問を抱き始める。やがて沢田の耳にもリコール隠しの噂が入り――。

 

事故を起こしてしまった運送会社、被害者家族、車を製造した巨大自動車メーカー、その系列会社であり運送会社のメインバンクでもあるホープ銀行等々…。それぞれに属する人々の思惑が交錯する。一中小企業が巨大企業の不正と戦う、大逆転エンターテインメントだ。

 

 

■ピタリとはまった豪華なキャスティング

運送会社の社長・赤松徳郎を演じる長瀬智也さんは、「原作の赤松と僕では容貌も印象も違うので、最初はなんでこの役を僕に?と思いました(笑)。でも、やらせてもらうからには、その役に自分の魂を吹き込みたいと思った」「情熱的なスタッフたちと良い作品にすることだけを考えた」とロケーションジャパン6月号で語っている。

 

一方、矢島孝チーフプロデューサーは、「社員や家族を大切にする赤松の熱さは長瀬さんそのもの。時間が経つにつれ、苦悩にまみれていく様はまさに鳥肌が立つほどだった」と称賛。

 

そして、最初は赤松と対峙しながらも、のちにリコール隠しに気付くホープ自動車の沢田悠太を演じたディーン・フジオカさんに対しては、「プロデューサーの一人が現場でディーンさんをお見かけして『沢田がいたよ!』と即座に電話してきました」、ホープ銀行の本店営業本部でホープ自動車からの融資依頼に対して切り込む井崎一亮を演じる高橋一生さんについても「高橋さんは池井戸作品の常連であり、言葉少なく正義を表現できるのは、この人しかいなかった」と熱く語る。

 

 

 

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沢田を演じるディーン・フジオカさんと小牧を演じるムロツヨシさん

 

 

■キャラクターに合わせてロケ地を探すこだわり

本作を観るにあたり、こだわったロケ地探しや美術スタッフの作り込みも注目するとなお楽しめる。

 

原作の『空飛ぶタイヤ』では、赤松運送は東京都世田谷区の設定だが、実際は外観を千葉県市原市の運送会社で、内観は神奈川県秦野市のオフィスでロケが行われた。社訓の経年劣化やデスクまわりの小道具など、すべて美術スタッフの作り込み。誰もが思う「中小規模の運送会社」をリアルに再現している。

 

一方、ホープ自動車も徹底的な作り込みが行われている。
外観は神奈川県川崎市のオフィスビルで、内部のシーンは東京都大田区で撮影が行われた。

矢島プロデューサーによると、「内部は都内のオフィスビルを一定期間貸し切って、全く何もない空間から、デスク、ロッカー、備品まですべて運び込んで配置しました。とのこと。

 

そしてなんと、作中の沢田(ディーン・フジオカ)の異動シーンも実は同じ空間で撮影したとのこと。「異動に伴う模様替えもたった一晩で実行しました。美術部の熱意が込められているシーンです」と熱く語る。

昭和の雰囲気が残る中小企業・赤松運送と、都心の一等地に立つ大企業・ホープ自動車の対比にも注目だ。

 

また、刑事の高幡真治(寺脇康文)がいる港北中央署は、実は神奈川県綾瀬市役所の商業観光課のフロアで撮影が行われている。徹底的にライティングにこだわり、開放感ある市役所のフロアが、いかに警察署らしく変身しているかもぜひ劇場でチェックしてほしい。

 

沢田や小牧重道(ムロツヨシ)、杉本元(中村蒼)らがホープ自動車の闇を暴こうと、夜ごと集まっていたのは、六本木にある地下の隠れ家バー「ASADOR EL CIELO (アサドール・エル・シエロ)」。本来は居酒屋の設定だったが、「ディーンさんの魂が入ったキャラクターでは居酒屋は不自然(笑)。オトナの隠れ家バーを採用しました」と矢島プロデューサーは語る。

 

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沢田らが通うASADOR EL CIELO (アサドール・エル・シエロ)

そもそもの作品の魅力、そして長瀬さんを始めとしたキャスト陣の熱演がもちろんだが、スタッフ陣の徹底的なこだわりが、作品を更に重厚で迫力あるものに仕上げている。

まだ劇場でご覧になっていない方、そしてすでにご覧になった方も、改めてロケ地や背景に注目して観ると、きっと、更に作品の面白さを感じられるはず。

 

 

映画『空飛ぶタイヤ』
監督:本木克英
原作:池井戸潤「空飛ぶタイヤ」(講談社文庫/実業之日本社文庫)
キャスト:長瀬智也、ディーン・フジオカ、高橋一生、深田恭子、岸部一徳、笹野高史、寺脇康文、小池栄子、阿部顕嵐(Love-tune /ジャニーズJr.)、ムロツヨシ、中村蒼、柄本明、佐々木蔵之介、六角精児、大倉孝二、津田寛治、升毅 ほか
(C)2018「空飛ぶタイヤ」製作委員会
http://soratobu-movie.jp/
大ヒット公開中

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