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2021.06.01

「恋つづ」「ボス恋」……東京スカイツリーが恋愛ドラマの新・聖地に急浮上した理由

 

近年話題を呼んだ恋愛ドラマで、東京スカイツリーが登場するシーンが増えている。『恋はつづくよどこまでも』『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』など、高視聴率を叩き出すTBS火曜22時枠では、もはや常連といった存在。

 

岡田結実演じる花魁が現代にタイムスリップした『江戸モアゼル〜令和で恋、いたしんす。〜』では、令和の東京の象徴として度々登場。『この恋あたためますか』では、中村倫也・森七菜らキャストが登壇するライティングイベントも行なわれた。

 

なぜ今、恋愛ドラマの舞台として東京スカイツリーが選ばれているのだろうか。

 

■デートもレジャーも楽しめる“カジュアルさ”が、等身大の恋愛にマッチ

 

『恋はつづくよどこまでも』では、佐藤健演じる天童が上白石萌音演じる佐倉と語り合うシーンで夜の東京スカイツリーが映り込み、『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』では、玉森裕太演じる宝来潤之介がヒロインの家族とともに東京を観光する場面で使われた。

 

東京スカイツリーを運営する東武タワースカイツリー株式会社の山田央氏によれば、ドラマ放映後、TwitterやInstagramなどのSNSで大きな反響があったそう。直後から作品のロケ地を目当てに訪れるファンも増えたという。

 

これらのドラマに共通するのは、若きヒロインのフレッシュな恋愛模様。上白石萌音や岡田結実など、20代前半の女優たちが織りなす初々しい恋愛が印象的だ。

 

ロケ地情報検索サイト『ロケなび!』によれば、若者の等身大の姿を描く場面でロケ地として利用されるケースが増えているという。

 

担当プロデューサーの古川武男氏は、「かつてのトレンディードラマでよく使われていたのが、東京タワー。芝公園やお台場などの夜景と共に、バブリーで華やかな夜を演出してきました。一方、隅田川のそばに立つ東京スカイツリーが醸し出す雰囲気は、もう少しカジュアル。洗練された造形ながら、青みがかった白色のカラーデザインは爽やかで、イマドキの恋愛を描くのにちょうどいいのかもしれません」と話す。

 

東京スカイツリーのふもとには、飲食店やアパレルショップ、雑貨店など人気の店舗が立ち並ぶ商業施設・ソラマチもあり、最新のトレンドを押さえた店舗が集まっている。若者がショッピングを楽しめるデートスポットとしても人気が高く、この点も“お出かけ感”がありながら肩肘張らない、イマドキの恋愛シーンを描くのに適している。

 

■制作側からは、1ヶ所であらゆるシーンが撮れる利便性が高評価

 

撮影スタッフの間で東京スカイツリーが「良い画をまとめて撮れるロケ地」と評判になっていることも、恋愛ドラマへの登場回数を増やす理由の一つだ。関東一円の景色を望む地上450mの天望回廊はもちろん、ロビーやチケットカウンター、カフェ、土産物店など施設内のあらゆる箇所での撮影が可能なのだ。

 

多くの観光客を迎え入れることのできるキャパシティがあるため、施設内の空間はどこも広め。撮影時の密を避けられる点も人気だ。天望デッキへのエレベーターは超高速。設営や搬入出もスムーズに行うことができると、大規模な撮影にぴったり。

 

東武鉄道株式会社の荒木彰一氏は、「東京スカイツリータウンに来ていただければ、デートに欠かせないシーンは一通り押さえられるのも、恋愛ドラマが増えている要因ではないでしょうか」と話す。隅田公園からミズマチにかけての都会感と開放感が両立した風景も「墨田区との連携を強化しているので、公共施設での撮影許可もスムーズに降ります。『ザ・東京!』というロケーションなので、ぜひ注目していただきたい」とアピールする。

 

■ドラマのストーリーとリンク。東京から世界へ広がるメッセージ

 

東京スカイツリーで実施されたイベントやライティングが、恋愛ドラマのストーリーを彩る要素として使われるケースもある。『江戸モアゼル~令和で恋、いたしんす~』最終話には、天望デッキに設置されたモニュメント・W1SH RIBBONが登場。仙夏と俊輔がお互いの願いを書き込んだリボンを結びつける様子が、二人の切ない恋の象徴として描かれた。

 

このW1SH RIBBONは、「訪れた人がそれぞれの願いを書いたリボンを結ぶことで、みんなの想いが空に届き、困難を乗り越える後押しができれば」とスタートしたイベント。制作陣がその趣旨に賛同し、時代を超えて巡り合った二人の恋愛にもマッチしたことから、作品のクライマックスシーンで登場した。

 

このように、さまざまなシチュエーションを撮影でき、“ならでは”の風景を収めることが可能なことから、恋愛ドラマの新・聖地となりつつある東京スカイツリー。今後もさらにロケの需要は高まっていくと言えそうだ。

 

コロナ禍のタイミングにおいては、「新型コロナウイルス感染症を世界中の人々が一丸となって乗り越えていく」というメッセージを発信するため、地球をイメージした青色のライティングを点灯。今後も見る人を癒やし、励ますさまざまなライティングを計画中とのこと。映画やドラマへの映り込みの際には注目してみてほしい。

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