『孤独のグルメ』で問い合わせ殺到! 千葉県旭市がロケ地に選ばれる理由
今、千葉県旭市にロケ地としての注目が高まっているのをご存じだろうか。
2022年はドラマ『孤独のグルメSeason10』や『君の花になる』などの人気作品に登場し、『アンタの地元でバズツアー』ではアンタッチャブル山崎に「旭市期待しちゃうよ!」と言われるほど上り調子にある。
なぜ、旭市に今注目が集まっているのだろうか。
「銚子の隣」脱却のためにロケツーリズムで認知度向上
東京から電車で約90分、海や山など自然豊かな旭市。その課題は、「銚子の隣」と紹介しなければならないほど知名度が低い事だった。
そのため旭市は昨年からロケ誘致に力をいれ、その実績を活用した地域PRを行うロケツーリズムに着手した。昨年4月にロケツーリズムによる地域活性を目指す、地域活性プランニング(代表・藤崎慎一)と包括連携協定を締結。ロケ地情報誌やロケ地検索サイト、SNSなどで継続的な情報発信を行うほか、ロケに来た制作者へ柔軟な対応をしてリピートを促すなど、多岐に渡るアプローチを実施した。加えて、旭市産の豚の皮を使用した特産品「九十九里レザー」を押し出し、雇用創出や観光客誘致に繋げる動きも見せた。
こうした旭市の取り組みに応じるように、撮影実績も増加。
12月に放送されたドラマ『孤独のグルメ season10』は旭市の市役所で撮影され、企画政策課がエキストラとして作品に出演した。さらに、実際に配布されている市の特産品パンフレットがテレビで露出し、シティープロモーションに大きな影響を及ぼした。
市の職員は、
「放送後には、松重豊さん演じる“五郎さん”が眺めていたパンフレットをもらいに来るファンの方もいらっしゃり、ロケツーリズムの影響力に驚きました。これからもロケ地として作品を彩るだけでなく、地域の魅力を発信していきたいと思います」
と、ロケツーリズムに対するモチベーションを顕わにした。
1月19日開催のロケツーリズム協議会。旭市の担当者も参加
そんな旭市が4月から参加しているのが、CM・ドラマ・映画のロケ地となった場所をファンが巡る「ロケツーリズム」を推進する「ロケツーリズム協議会」。ここでは自治体や企業を対象に、ロケ対応の仕方や実績の活用、情報発信まで、ロケ実績をシティープロモーションにつなげるノウハウをセミナーやグループワーキングを通じて提供している。
『孤独のグルメ』の事例も共有され、参加者からは「短期間でこの実績はすごい」「プロモーションにつながっている」と感嘆の声。今後、旭市では、これまで訪れた俳優のサインをロケ地に飾ったり、広報誌にドラマの場面写真を掲載することで、市内外への発信を強化ていく予定だ。