映画『太陽は動かない』のロケ地にもなった三重県答志島は神秘的な離島
藤原竜也さん・竹内涼真さんが共演し本格アクションに挑んだ映画『太陽は動かない』が、2021年3月5日に公開された。心臓に爆弾を埋め込まれた秘密組織のエージェントが24時間ごとに迫る死の危険の中、世界を股にかけた壮大なスケールで贈る極限のノンストップ・サスペンス。本来は昨年の2020年5月14日に公開を予定していたが、新型コロナウイルスの流行により公開を延期しており、映画ファンにとっては待望の公開となった。
本映画のロケ地の一つでもある三重県にある離島“答志島”では2019年に撮影が行われた。ロケ受入れ対応をした「答志島ロケーションサービス」は、映画『太陽は動かない』をきっかけに島の観光地としてのブランド力・知名度アップ、またさらなるロケ誘致へ繋がることを期待している。実はこの答志島、文化的・立地的にも「太陽」と関係する非常に神秘的な場所としても知られている。映画『太陽は動かない』とあわせて、その魅力についても知ってほしい。
第一の神秘は前の由来である。冬至の頃、伊勢神宮の方角から島を眺めると、島から朝日が昇っているように見えたことから『冬至の島』と呼ばれていたものが変化したと伝えられている。そしてこの由来の通り、答志島は太陽神・天照大御神に最も早く出会える場所であり、大自然の恩恵を受けていると考えられていた。実際、答志島は陸地からの淡水と太平洋からの黒潮が交わる豊かな漁場で、おいしい魚介類を捕ることができる。そのため、平安時代には「兵庫県の淡路島」、「福井県の若狭」と並ぶ御食国(みけつくに)として朝廷や伊勢神宮から重宝されていたという。ここから、神の恵みを存分に受ける、神秘的な場所とも伝えられている。
第二の神秘は「太陽の道」との関係である。日本列島の北緯34度32分に線を引くと、答志島を含む相当数の古代祭祀遺跡や由緒ある神社の上を通る。この線は春分・秋分の日の日の出・日の入りラインと重なるため、賀来遺跡では祭祀者が太陽神を祭ったといわれている。さらに答志島から夏至の日の「日の出ライン」、冬至の日の「日の入りライン」に線を引くと、それぞれ伊勢神宮、富士山と交わる。このような「二つの太陽の道」が交差する場所に位置する答志島には、人知の及ばない神秘的な力が働いていると、信じられていた。
このように、答志島には「太陽」にまつわる神秘が数多く伝わっている。そんな島で映画『太陽は動かない』が撮影されたのも、何かの導きなのかもしれない。
もちろん答志島の魅力は神秘的要素だけではない。島内では鳥羽城主の九鬼嘉隆の首塚・胴塚などの史跡が楽しめるほか、離島ならではの独自文化が残った島並みをめぐるのも面白い。答志島の路地裏道は、家と家の間が2mほどの間隔しかなく、迷路のように入り組んでいるが、必ず漁港に出られるようになっているため、迷う心配はない。また、あらゆる家の戸口や船に墨で「丸に八の字」が書かれている光景も答志島独自の魅力の一つだ。これは毎年1月中旬に行われる「八幡祭り」の際に、一年の大量と家内安全を願って書かれた印である。古くから伝わる祭事が今もなお、島民にとって大切に伝承されていることが感じられる。ノスタルジックな島並みを、ゆっくり散策してみてはどうだろうか。
古からの伝統を引き継ぐ神秘の離島・答志島は、先述したとおり漁業が盛んである。三重県の離島・答志島を訪れた折には、美味しい魚を食べながら、古き良き伝統と神秘に触れ、太陽神の恩恵に心を休ませてはいかがだろうか。
「太陽は動かない」
2021年3月5日(金)全国公開
ストーリー
心臓に爆弾を埋め込まれた秘密組織のエージェント・鷹野(藤原竜也)と相棒の田岡(竹内涼真)。24時間ごとに迫る死の危険を抱えながら、「全人類の未来を決める次世代エネルギー」の極秘情報をめぐり、各国のエージェントたちとの命がけの頭脳戦が始まる。
次から次へと困難が襲い来る極限の状況の中、2人の心臓爆破のリミットは迫っていた――。
■原作:吉田修一「太陽は動かない」「森は知っている」(幻冬舎文庫)
■監督:羽住英一郎
■脚本:林民夫
■出演:藤原竜也、竹内涼真、ハン・ヒョジュ、ピョン・ヨハン、市原隼人、南沙良、日向亘、加藤清史郎、横田栄司、翁華栄、八木アリサ、勝野洋、宮崎美子、鶴見辰吾、佐藤浩市ほか
■制作会社:ROBOT
■配給:ワーナー・ブラザース映画
■映画公式サイト:taiyomovie.jp
■ドラマ公式サイト:https://www.wowow.co.jp/dramaw/taiyodrama/
■公式Twitter:@taiyowaugokanai #太陽は動かない
■©吉田修一/幻冬舎 ©2020 映画「太陽は動かない」製作委員会