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バルセロナ日記

LJ特派員★伊庭野はるかのバルセロナ日記 Vol.60

【規制緩和後初めての大祭「サン・ジョアン祭り」
爆竹と花火で大盛り上がりのバルセロナ! そして再び外出自粛…】

バルセロナはすっかり真夏になり、毎日30度前後の暑さが続く毎日。
日差しがとても強く、少し外にいるだけで肌が熱くなりヒリヒリと痛んできます。サグラダファミリアもこの通り、青空の下で着々と工事が進んでいます。

 

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今はバカンスシーズン真っ只中。6月にはコロナウイルスによる規制も段階的に緩和され、ついにお祭りが開催できるほどに!
お祭り復活の第一弾は、「サン・ジョアンの祭り」。
サン・ジョアン(サン・フアン)はキリスト教の聖人である聖ヨハネをたたえ中世から続くお祭りで、ちょうど夏至の時期と重なることもあり、夏の到来を祝うイベントとしても親しまれています。人々は夏の到来を祝って不要な家具や木材を燃やし、焚き火をしながら歌ったり踊ったりするという伝統があるんです。

 

その前日である6月23日には、街中のいたるところで爆竹や花火を使ったイベントが行われ、特に盛んな海辺の地域は炎に包まれます。翌日にはやけどを負った人で病院があふれかえるという、困った祭りという一面も!
この時期は街が爆竹の音で昼間も夜も騒がしいので、家族で田舎や国外に避難するという人も多いんです。

 

爆竹や花火は誰でも使用することができ、この時期には「爆竹ショップ」が街にやってきます。

 

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子供用の爆竹も!

 

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見た目はかわいいですが、これを地面に向かって投げると、パン! と音がします。子供向けなのであまり大きな音ではありませんが、なかなかの迫力です。

 

自宅近くの広場でも、昼間から爆竹や花火を楽しむ家族連れや子供たちがあふれました。

 

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昼間から煙が立ち込め、火花が飛び散る広場。日本ではなかなか見られない光景かもしれません。
夜には、街のいろいろな所で花火が! これは自宅から見えた花火です。

 

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個人的に打ち上げ花火をしている人もたくさんおり、私の家のバルコニーからも四方八方に花火が上がるのが見えました。

 

この祭りでは、「コカ・デ・サンジョアン」という甘いパンを食べるのも伝統です。
とてもおいしそうなので私もいただきました!

 

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甘い菓子パン生地にドライフルーツがたっぷり入ってとてもおいしく、意外に食感が軽いのでとても食べやすいです。中にカスタードクリームが入っているものもあり、店によって味が少しずつ違います。とても大きいので、ケーキのように皆で切り分けていただきました。

 

こうして6月のお祭りは大盛況に終わり、7月からは国外からの観光客も訪れ始めました。少しずつ街が活気を取り戻し、誰もが夏のバカンスに期待しています。
私も、自由に外を歩けるようになったことがとてもうれしく、毎週のようにバスで旧市街や海の方へと出かけ、買い物や食事を楽しんでいます。

 

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とは言っても、コロナウイルスがまん延する前の状態に戻ったわけではなく、街の人々の意識は大きく変わりました。

 

たとえば、スペインの食事の定番であるこちら。

 

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ピンチョスバルといえば、カウンターにずらりと並んだ大皿、こんもりと載ったピンチョスの山、その中から好きなものを自分で取るスタイルが定番ですね。

 

でも今それはかなません。あるピンチョスバルでの様子はこちら。

 

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ピンチョスも、ソーシャルディスタンスを守るように離れて置かれています。
味は変わらず、とてもおいしい!

 

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街の人々はマスクをすることを義務づけられており、みんな色とりどりのマスクをつけています。アルコール除菌スプレーを持ち歩いている人も多く、衛生への意識が大きく変化したことがよくわかります。

 

そんな中、7月の下旬に入り、コロナウイルスの感染者が激増しているというニュースが飛び込んできました。
そして先週から、「外出を自粛することを推奨する」という内容の通達がされました。
じつはこれは初めてのことなんです。というのも、これまでの外出禁止措置では、生活必需品の買い物や通院など限られた要件以外での外出が禁じられ、罰金制度までありました。レストランもお店も営業することができず、外に行っても何もない状況。

 

しかし今回はレストランもお店も営業しているし、サマースクールに行っている子供もいます。個人の判断に委ねられる部分が大きく、住民も戸惑っているようです。
週明けの新聞では、「ビーチや広場にたくさんの人がいた!」という記事が大きな写真とともに紙面を飾っていました。皆の努力で規制緩和を迎え、夏のバカンスを勝ち取ったと思っていたのに、急に外出自粛なんて…という声が聞こえてきそうです。
でも、感染者数が増えているのは事実。今年の夏は、慎重に過ごしていかなければなりません。
早くこの問題が収束し、世界中の人々が安心して生活できるようになることを切に願います。

 

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