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ロケーションジャパン
2019.09.13

「権利処理」の駆け込み部屋 VOL.12

権利処理アイキャッチ

ロケーションジャパンの人気連載、「権利処理」の駆け込み部屋をWEBで一挙公開!「撮影風景を写真で撮ってもいいの?」「お店の宣伝に使ってもいいの?」など、ロケの受け入れを行う自治体担当者やお店などから届く「権利処理」の疑問に対して、田中康之さんと國松崇さんが回答してくださいます!

 

Q
作品のメインカットやシーン写真を掲載した
ロケ地マップを作成しました。
制作側に申請し、ロケ地マップについては許可を貰いましたが、
それをウェブにアップロードしたり、
PDFでダウンロードしたい場合は別途許可を取る必要がありますか?

 

 

A

YES!

田中:許諾済の写真を掲載したロケ地マップをさらにインターネット上で公開等する場合の許諾の要否が知りたいということですね。先ず前提の確認ですが、ロケ地マップに掲載するために予めロケ地シーン写真の提供を「権利処理確認書」で約束していた場合、ロケ地マップという紙面においてシーン写真を利用する上で改めて交渉の必要はありません。

 

國松:写真は自動的・機械的に撮影されるものでない限り著作物として著作権法の保護を受けます。したがって、これをロケ地マップで利用する際には、写真の権利を持つ制作サイドから、複製権の許諾を得る必要があります。これが「権利処理確認書」を取り交わすことによって約束されているということですね。

 

田中:ただし、ロケ地マップ掲載用に貸出しを受けたシーン写真はロケ地マップにしか使えません。その理由は、「権利処理確認書」では、紙面としてのロケ地マップに利用することを前提とした約束(許諾)しかないからです。そのため、ウェブでアップロードしたり、PDFでダウンロードしたりすることは、目的外利用ということで契約違反の問題が生じます。

 

國松:そうですね、注意が必要なのは単純に契約違反というだけでなく、許諾がないのに著作物である写真を利用したという意味で著作権侵害になるという問題も生じてしまいます。これは、紙面での利用(複製)とウェブ上での利用(自動公衆送信)は著作権法上全く異なる利用方法だと整理されており、ロケ地マップをウェブ利用するには自動公衆送信利用の許諾が改めて必要となるからです。

 

田中:なるほど、ロケ地マップをウェブで公開したりPDF提供する場合は、別途許可を取る必要があるということですね。「権利許諾確認書」には使用媒体を事前に指定しておく必要があります。因みに写真は「貸出し」と言われていますが、これは写真を「譲渡」するのではなく「借りる」ものだからです。

 

國松:別の権利だからといって、それぞれ個別に交渉する必要はありません。後のウェブ利用のため、「権利処理確認書」を取り交わす際に、ロケ地マップのウェブ利用について説明してその許諾を同時に得ることができるように交渉を進める方法もあります。

 

田中:本誌LJで掲載されたロケ地マップの写真は、LJ誌面での利用が目的なので「抜き刷り」した場合、LJ別刷りとして配布する場合は追加申請になります。自治体がロケ地マップとして配布する場合には、ロケ地シーン写真利用は別途許諾が必要になります。事前にどちらも許諾を得る事が出来ていればいいですね!

 

実際に成功しているのはこのマップ!ロケツーリズム協議会「Good Location in Japan! 」紙版のロケ地マップとウェブ用展開のどちらも権利処理を実施!「ロケツーリズム協議会」が発行した全国のロケ地を紹介するマップは、紙面の権利処理の他、そのデザインをそのままではなくウェブ用にデザインをし直した状態でウェブへの掲載を可能とした。ウェブ掲載の中でも高度な権利処理ができた事例と言える。

 

 

■回答者プロフィール
権利処理_20190912_01 (1)

 

 

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