【バックナンバー】映画『ハリー・ポッター』 ロンドン・キングス・クロス駅他@イギリス
私が映画『ハリー・ポッターと賢者の石』を、初めて観たのは2002年のこと。翌年3月、ロンドンへと飛んだ。映画に登場したロンドン・キングス・クロス駅の「9と3/4番線」をぜひ見たかったからだ。ところが、である。9番線と10番線はあっても、9と3/4番線はない。その入口さえない。当たり前である。私はマグルで、魔力を持ち合わせていなかったからだ。
冗談はさておき、キングス・クロス駅に行ったら、「9と3/4番線」以外にも、ぜひ、足を運びたいのが4・5番線ホームである。映画の撮影に際し、4・5番線が9・10番線に変更されたのだ。第1作「賢者の石」では、跨線橋で、ハグリッドがハリーに「9と3/4番線」と印刷された切符を手渡すシーンが撮影され、そして、9・10番線ホームでロンと出会い、ホームの壁に飛び込んで「ホグワーツ・エクスプレス」に乗車した。
さらに、キングス・クロス駅の西に隣接するセント・パンクラス駅も必見である。実は駅の外観は、キングス・クロス駅ではなく、セント・パンクラス駅なのだ。ちなみに、キングス・クロス駅からはスコットランド方面の列車が発着し、セント・パンクラス駅からはパリ行きの「ユーロスター」が発着する。
第2作「秘密の部屋」では、ハリーとロンが「ホグワーツ・エクスプレス」に乗り遅れ、空飛ぶ自動車で列車を追いかける、いや、列車を追いかけられるシーンが有名だが、場所はスコットランドのウエスト・ハイランド線。列車が走る壮大なアーチ橋は世界最古のコンクリート橋「グレンフィナン高架橋」である。先頭に立つ赤い蒸気機関車は、グレート・ウエスタン鉄道の5972「オルトン・ホール号」だが、映画では、ナンバーはそのままで、「ホグワーツ・エクスプレス」のエンブレムが掲げられた。そして列車が到着する「ホグワーツ魔法魔術学校」の最寄り駅ホグズミード駅は、ところ変わって北部イングランドのゴースランド駅がロケ地となった。イギリス各地に点在する映画『ハリー・ポッター』のロケ地を訪ねると、魔力がアップするかも!?
写真・文
櫻井寛