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教えて、先輩!

池田千尋監督映画『君は放課後インソムニア』

女優・監督として精力的な活動し、若い人から支持されている辻凪子が、LJ読者の代弁者として映像業界の名だたる先輩方にインタビュー!最新作への質問をきっかけに、映像業界を生き抜いていくためのヒントを探っていく。今回のゲストは、辻の大学時代の恩師である故・青山真治監督とも縁の深かった池田千尋監督。新作映画『君は放課後インソムニア』の製作秘話はもちろん、今後の日本映画界に対しての熱い思いも語ってくれた。

人気漫画を実写映画化
不器用な青春像に共感!?

「最新作の『君は放課後インソムニア』を拝見し、何色にも染まらない若い二人が惹かれ合う姿がいとおしかったです。漫画原作の作品ですが、監督を引き受けた決め手はありましたか?」

池田「まず原作を読んだ時に、自分の高校時代を思い出しました。私も廃部寸前の映像文化部というマイナーな部活に入っていて、そこで一人で映画を作り始めたんです。この作品の伊咲(森七菜)と丸太(奥平大兼)は天文部ですが、そこから彼らは世界とつながっていく。私にもそういう経験があったので、監督をお引き受けしました」

「そもそも映画を作りたいと思われたきっかけは?」

池田「私の育った静岡の田舎町では映画館が近くになく、親がWOWOWに加入してくれたんです。そこで単館系の映画をたくさん見ました。当時の私は言葉足らずで、コミュニケーションが苦手だったのですが、映画は言葉ではない何かを表現できるのだと気付き、自分も映画を作りたいと思いました。伊咲たちにとっての星空のように、私と世界をつないでくれたのが映画でした」

 

—-続きはロケーションジャパン2023年6月号で—–

映画『君は放課後インソムニア』

最新作 映画『君は放課後インソムニア』

 

不眠症に悩む高校1年生の丸太は、学校の使われていない天文台で同じ悩みを持つ伊咲に出会う。誰にも打ち明けられない悩みを共有することで二人は親しくなっていくが、天文台を無断で使っていたことが問題に。そこで廃部寸前の天文部を復活させようと奮闘するが……。

 

6月23日(金)公開
出演:森七菜、奥平大兼 ほか
監督・脚本:池田千尋
配給:ポニーキャニオン
©オジロマコト・小学館/映画「君ソム」製作委員会

【PROFILE】 池田千尋監督

1972年北海道生まれ、静岡県出身。

2008年に『東南角部屋二階の女』で長編映画監督デビュー。演出を手掛けたドラマ『大豆田とわ子と元三人の夫』で、第108回ザテレビジョンドラマアカデミー賞監督賞を受賞。脚本家としては、『クリーピー 偽りの隣人』(黒沢清監督)、『空に住む』(青山真治監督)などを担当。青山監督の遺作となった『空に住む』では、共同脚本だけでなく、メイキングの撮影も手掛けた。

 

辻・凪子

1995年生まれ、大阪府出身。

NHK連続テレビ小説『わろてんか』『おちょやん』など朝ドラに数多く出演。監督・主演を務めた映画『I AM JAM ピザの惑星危機一髪!』がおおさかシネマフェスティバル2023ワイルドパンチ賞を受賞。

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