放送再開後の展開がますます楽しみに!休止期間中に朝ドラを振り返る3つのポイント
新型コロナウイルス感染症による肺炎のため死去したタレントの志村けんさんが最後の名演技を見せた事でも話題になった連続テレビ小説『エール』。3月30日の初回から先日5月15日までの平均視聴率は21.3%(関東地区)と高視聴率を記録しているが、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため収録を見合わせ、6月27日(土)の放送をもって放送を一時休止することになった。放送再開の時期は(5月22日現在)、検討中だ。
作品の放送再開の正確な目途はたっておらず、休止期間中は再放送や特別総集編が放送されるのではないかいわれている。どちらにせよ、この異例の放送休止期間中は今まで番組を見逃していた人にとっても改めて本作を深く味わえる機会になりそうだ。
そんな中、ロケーションジャパン6月号では本作品の特集が組まれている。特集では、制作統括の土屋勝浩氏のインタビュー等、知っていれば作品をより楽しむことができる情報が目白押しだ。その中でも、放送休止期間の振り返りにチェックしたいポイントを3つご紹介しよう。
1.タイトルに込められた想いを改めてチェック
本作の主人公のモデルとなった古関裕而氏は全国で作曲をし、ジャンルは多岐にわたる。その中であえて『エール』という言葉を選んだ理由をご存知だろうか。ロケーションジャパン6月号(No.99)のインタビューで、制作統括の土屋勝浩氏はこの作品の時代背景や古関氏の作風に触れ、タイトルの裏側に込められた想いを語っている。
本作品のメインとなる舞台は裕一の故郷・福島県、音の出身地・愛知県豊橋市、そして東京だ。古関氏は全国各地で作曲をした関係で、関連性のある土地はいくつもある。その中でも特に福島県をメインのロケ地として選んだのには、古関氏の故郷であるという事実の他に、「東日本大震災から10年」という節目の年を目前にした福島や東北へのエールを込める、という思いもあったという。
5月18日(月)から放送された第8週「紺碧の空」では裕一に早稲田大学応援歌作曲の依頼が舞い込んできた。タイトルに込められた制作者の思いを知ると、この回が裕一の「自己表現」としての作曲から、「誰かを思い作曲する」というスタイルへ移行する重要な回だ、という事が分る。『エール』というタイトルに注目しながら作品を振り返れば、新たな発見があるかもしれない。
2.モデルとなった古関裕而作曲の全国マップをチェック
日本地図とともに全国各地で作曲をした古関裕而氏の作品分布図が掲載されている。自分の故郷や行ったことのある地域でどのような曲が作られているのかをチェックしてみよう。また、YouTubeなどの動画検索サイトを使用して、古関氏作曲の歌を聞きながら改めて作品鑑賞を進めていくのもおすすめだ。放送再開後の展開の中で、お馴染みの曲がどのようにドラマの中に出てくるのか、という楽しみ方もできるようになる。
3.東京編の楽しみ方をチェック
インタビューでは制作統括の土屋氏に、特に物語が大きく展開しはじめる「東京編」をより深く楽しむために「東京編を楽しむ3つのポイント」を聞いている。そのポイントを意識するだけで作品から受ける印象が変わるはずだ。制作者がどのような意図でストーリーやキャストを組んでいるのか…。様々な目線からドラマを楽しもう。
いかがだっただろうか。作品の裏側を知ることは、想像以上の楽しさを生み出してくれる。放送休止期間で作品をゆっくりと振り返る余裕ができたからこそ、モデルとなった日本を代表する作曲家・古関裕而氏についての造詣も深めることができる。本作で、ドラマと音楽という2つの芸術を楽しみながら鑑賞してみてはどうだろう。